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『福田村事件』『ガープの世界』『毒舌弁護人 正義への戦い』 [映画]

『福田村事件』を観た。2023年、日本、2時間17分。
1923年9月1日関東大震災発生。その数日後福田村で起きた人災は何故起きたのか。

池袋シネマ・ロサにて。

福田村で起きた事件の事だけが描かれるのではなくそれまでの経緯や歴史的背景と当時の社会的背景も描かれていた。
日本と朝鮮半島の歴史的な背景で言ったら本当はもっと遡らないといけないんだろうけど。よく分かっていないのでちらっとだけ調べると大和時代(現在は呼称は古墳時代になるとか)から色々と有って隣国だけあって千年以上の関係。それはさすがにこの映画の中だけでは描ききれない。

日本が貧乏だったという事も人々の心が荒んでいたりする原因の一つなんだろうと思う。しかし日本が世界的に裕福だった時期というのもそんなに長くはなかったわけで1960年代の高度経済成長からバブル経済が崩壊してからのしばらくの間の30年間くらいだろうか。現在は裕福なイメージをどうにかこうにか引っ張り続けているだけ。それは主に世界に認知されている一流企業による所が大きいのだろうと思う。なので国は世界を相手に頑張ってもらわないといけない一流企業をいろんな面で優遇する。
貧乏である自覚が無かった時期も長かったのではないか。それが世界を知って自分達が貧乏である事も知ってしまったがために裕福さへの憧れだとか嫉妬だとかが入り交じる。そうなると裕福な側は妬みに対する恐怖だったり過度な防衛などが行き過ぎて、そんなこんなで国同士での争いに発展するのかも。

日本人が戦争に関して被害者面、善人面する日本映画は最近特に多いが本作では日本人の嫌な部分が描かれている。露悪趣味的にではなく日本と日本人の実態を誠実に実直に描くとそういう事になるのが本当なのだろう。村社会の嫌な所も存分に描かれている。
福田村の事件が起きた当時は共産主義者への弾圧いわゆる赤狩りが行われていた。権力に反発する意見を述べると弾圧されてしまう社会で大多数の総意であっても間違っていると思う事を正そうとするのにはどうしたらいいのだろうか。特に日本人は大多数の意見に流されやすいと言われているし。



『ガープの世界』を観た。1982年、アメリカ、2時間17分。
第二次世界大戦下、看護婦のジェニーは戦地で子供を授かり産まれた男の子はガープと名付けられる。やがてガープは大学で知り合ったヘレンと結婚し子供に恵まれ幸せな家庭を築く。

ル・シネマ渋谷宮下 『ワーナー・ブラザース創立100周年記念上映"35ミリで甦るワーナーフィルムコレクション" selected by ル・シネマ』にて。

相当久し振りに観た。ウン十年前にレンタルビデオで観て以来。
ジョージ・ロイ・ヒル監督の『スティング』が好きでそれで監督作品を何本か観て(全作品は観ていない)、やっぱり『スティング』が好きだなという事で現在に至っている。昨年2022年が生誕100年の記念の年だった。没後20年でもあった。どこかで遅くなったけど生誕100周年記念上映をやらないものだろうか。
久し振りに観て、昔観た印象よりもかなり良かった。多くの人がそう認める様に名作の中に入るんだろうなと考えを改めた。
本作の中で起こる出来事、その内の一つくらいは普通に生きている人達の中で起こるか起こらないかくらいの出来事ではないかと思うし、その一つの出来事だけで一本の映画なり一冊の小説が出来上がってしまうほどだと思う。それらがまとめてガープとガープの周りの人達の世界に起こる。でもそんなに深刻にはならなくて起きてしまったものは仕方ない。くらいの感じで受け入れて、そして後腐れなく引きずらない。そこら辺はあっさりしているというか淡白ではあるけど、人生どんな事も起こり得るのだからそんなに引きずらない方がいいよ。という事なのかも。

ロビン・ウィリアムスの若々しい頃はちよっとだけメル・ギブソンっぽい感じが有った。映画に出始めの頃でしかも監督がジョージ・ロイ・ヒルとなると本職のコメディアンの部分は抑え気味。それもまた初々しさになっていて良かった。最初の方に本作への出演が有ったから後にシリアスな作品にもコメディにも幅広く出演出来たんじゃないだろうか。
ジョン・リスゴーの役は今観てもそうだけど当時もかなりのインパクトが有っただろうと思う。それがインパクトだけじゃなくて好感が持てるキャラクターになったのはさすがジョン・リスゴー。ちょっとシガーニー・ウィーヴァーに見える瞬間が有り、元アメフト選手の役としての身体能力の高さもしっかりと見せてくれる。
グレン・クローズは本作が映画デビュー作という事だけど既にベテランの風格が有った



『毒舌弁護人 正義への戦い』を観た。2023年、香港、2時間13分。
不満を抱きつつ続けていた裁判官をクビになり弁護士に鞍替えしたラム・リョンソイ。大物との接点を持つ事だけに力を入れようと目論んでいたが弁護士としての初の裁判がリョンソイを変える。

香港での記録破りの大ヒットをした作品だとか。香港映画と言えばスター映画の印象が強いが本作の主演俳優ダヨ・ウォンの事は今まで全く知らなかった。ドニー・イェンに見える瞬間が度々有った。
香港映画も近年大分様変わりしたという事が本作の公式サイトに書かれてあった。ダヨ・ウォンも香港では大スターらしいけどかつてのアクション映画を中心としてコメディありラブロマンスありサスペンスありといったエンターテインメント作品よりももっと現実にも即した中での心を動かすいわゆる感動作が受ける傾向に有るらしい。確かに本作もそんなような感じだった。

真実と正義の追求よりも法律の知識と相手との交渉によって少しでも自分の有利な判決を勝ち取る事を目的としていた弁護士が正義に目覚め熱血弁護士となる。という物語は『ア・フュー・グッドメン』とほぼ一緒だと後になって気付いた。そういう法廷モノは他にも有るのかもしれないが。
『ア・フュー・グッドメン』とほぼ一緒と考えると弁護士側のチーム構成男二人に女性が一人なのも一緒だった。
デミ・ムーアに当たる女性弁護士役の人はフジテレビの椿原慶子アナウンサーに似ているなあと思いながら見ていた。映画の中では主人公のバディと言ってもいいほどの役だったけど公式サイトなどではそのキャラクターも演じていた女優さんの事にも一切触れられていない。その女優さんがなんかやらかして触れてはいけない人なのかと思ったけど、そんな何かをやらかしたといった記事も見当たらず名前がレンシ・ヨンとだけ分かった。
本作でジャック・ニコルソンに当たる人物はマイケル・ウォンなのだろう。ジャック・ニコルソンほど致命的ではなかったが法廷での証言で墓穴を掘る所も有ったし。
マイケル・ウォンはアメリカ育ちという事も有って英語も堪能なのは他の出演作品でも見られた。しかし法廷で英語と中国語(多分広東語)をチャンポンで話すのは許されるものなのかはよく分からない。



『トンソン荘事件の記録』で寝た。寝たと言うより映画開始から何十分か経った辺りからほぼずっと睡魔と闘っていて内容が全然頭に入ってこなかった。
警察に保管されていたいわくの有る事件の取材記録映像を取り戻した取材者の関係者がその映像を編集して観やすいドキュメンタリーに仕上げたという体の作品でいいのか。
見てはいけないビデオ映像を見てしまったために呪われる。というと日本の某ホラー映画の様だけど、その映像をこの作品の観客も見てしまった。という所も恐怖であったのか。
ファウンドフッテージであるのだろうけど『ブレアウイッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティビティ』みたいに記録映像の素材そのものといった感じではなく、映画として観やすい感じにはなってはいたのだけどそれでも寝不足状態で観るのは自分には無理が有った。
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