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『エグザイル/絆』『千年女優』『エレクション 死の報復』 [映画]

『エグザイル/絆』 2006年、香港、1時間49分。を観た。
青春時代から共に裏社会で生きてきた五人の男、ブレイズ、タイ、ウー、ファット、キャット。
ウーが組織のボスであるフェイを襲撃するが失敗に終わり逃走。激怒したボスはブレイズとファットに始末を命令する。ウーの隠れ家を見付けた二人の前にタイとキャットが現れ五人が顔を合わせる。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。

ジョニー・トー監督は撮影時にも脚本が無い、もしくは完成していないという事を自身で話されるけどそれは多分ネタとしてそう言った方が面白いからではないかと思っているが、もしかしたら本作の場合は本当なのかなあと思える。かと言って支離滅裂なのではなくて、ある程度のストーリーは決まっていて(そうじゃなければ撮影スケジュールが組めないだろうし)その中で自由に撮影をしているんではないか。リッチー・レンの役柄は正にそんな感じで意外な所(前フリはちゃんと有る)でフラッと現れて登場シーンが終わったら姿を現さない。それがカッコ良かったしおいしい役でも有った。



『千年女優』 2001年、日本、1時間27分。を観た。
突然の引退で姿を消した大女優藤原千代子が30年振りに公式なインタビューに応じた理由は千代子の熱烈なファンでもあるインタビュアーが千代子にとって特別な思い入れのある物を渡したいと申し出たからだった。

去年の1月にも映画館で観ているがその時は4K化されての上映だったはず? 元旦に立川シネマシティでの"レジェンドアニメ 4K【極音】第1弾”でだった。第2弾が『カリオストロの城』第3弾が『AKIRA』で第4弾が今年に入って『スペースアドベンチャー コブラ』と続いている。
今回は今 敏監督作品のリバイバル上映企画で去年の9月に第一弾として『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』が上映されたのに引き続き第二弾として本作が全国で上映された。

作画監督は本田雄(ほんだ たけし)さん。どなたが作画されてるとかそんなには気にしてはいないし、そもそも誰がどのシーンを担当されてるのかはあんまりよく分からない。テレビの『クレヨンしんちゃん』の時の林静香さんの時だけはなんとなく分かる。いつか映画の方での作画監督も大変だろうけどして欲しい。
作画監督は全体の統一をとるのが大切な役割でもあるらしいけど、それでも「師匠」と呼ばれ認められているほどの凄腕アニメーターが手掛ければ作品の質は自然と上がる事になって、だから本作も作画面でも一流の作品になったのだろうと思う。
https://fullfrontal.moe/%e6%9c%ac%e7%94%b0%e9%9b%84/
本田雄さんのインタビュー。作画監督を務めた『君たちはどう生きるか』公開時のインタビューだけど今 敏監督についてもお話しされている。



『エレクション 死の報復』 2006年、香港、1時間32分。を観た。
香港最大の裏組織和連勝会で表向きは公正に行われる会長選挙。現会長のロクは二年一期の掟を破る事になる再選を目論み根回しに動いていた。有力候補であるジミーの黒社会から足を洗うための立候補はロクとの武力抗争へと発展する。

シネマート新宿 "ジョニー・トー 漢の絆セレクション"にて。

以前に一度観ているがここまで前作を上回るバイオレンスなのは忘れていた。単にセンセーショナルである事を狙ったのではなくて黒社会を描く上で必要なのは分かる。結局暴力がものを言う社会で暴力をエスカレートさせた者が権力を手にする。エスカレートさせ続けた挙げ句には破滅が待っているのも必然であって、本作では個人で破滅はしているけど組織としてはまだ破滅には至っていない。多分破滅まで描きたいんじゃないかと想像するけどもう18年が経っている。でも組織の在り方が変わりそうな事も示されていたので20年後の続きというのも有りそうな気はする。中国当局もかなり深く関わってきそうな。
そうなると香港=中国の合作映画になるんだろうと思うが中国映画は悪を絶対に許さないから裏社会の組織の破滅を描くには都合がいいのかもしれない。

原題にある"以和為貴"とは「和を以って貴と為す」という意味らしくて、裏社会であっても和が大事でその戒めとして各組織には和の一文字を入れるべしと定められている。その戒めはどこへやらといった感じで何とも皮肉が効いている。

今回の四本の上映作品を観てジョニー・トー監督作品ではサイモン・ヤムの役柄は他の監督の人の作品とは違うような気がする。どちらかと言うと好人物のイメージがあるサイモン・ヤムのダークな部分を炙り出そうとしているような。
ニック・チョンもジョニー・トー監督作品ではキレてる役が多い。バイオレンス映画であるからそういう役柄にはなるのだろうけど。
逆にラム・シューはコメディリリーフな扱いが多い。
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