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『男たちの挽歌 4Kリマスター版』『シン・ウルトラマン』『バニシング:未解決事件』『トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』 [映画]

『男たちの挽歌 4Kリマスター版』を観た。1986年、香港、1時間36分。
香港黒社会で名の知れたホーとマックスのコンビ。その事を知らないホーの弟キットは警察官になる事を志している。弟のために引退を決めたホーが最後の仕事としてマックスを香港に残し台湾に渡る。

大分昔に1回観た様な気がするがほとんど初見に近い感じ。
本作がその始まりとされる香港ノワールの初期の作品はあまり観てこなかった。観る様になったのは後にジョニー・トー監督作品が香港ノワールの代表とされてから。
香港映画の有名所ではキョンシーでお馴染み『霊幻道士』シリーズ、ジョイ・ウォンでお馴染み『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』シリーズとかも観ていない。ところでジョイ・ウォンは芸能界を引退したけど現在インスタグラムはやっているという事でチラッと覗いたら相変わらず美人のままだった。本当に本人なのか?と疑ってしまったが本当に本人なのかはよく分からない。

激しいガンアクションとストレートに感情をぶつけ合うヒューマンドラマ。舞台は黒社会なので裏切りや殺し合いが起きる。その陽と陰みたいなところがごちゃごちゃに混ざりあっているのがジョン・ウー監督の香港ノワールらしさなのかなと思う。

ジョン・ウー監督がそれなりに重要な台湾の刑事役としても出演。あの顔つきは役者に向いている。本作のプロデューサーのツイ・ハークも出演しているがこちらはコメディリリーフといった感じ。ツイ・ハークは他の映画でもちょいちょい出ている。



『シン・ウルトラマン』を観た。2022年、日本、1時間52分。
日本にだけ現れる巨大怪獣の対策に当たる少数精鋭の専門班は成果を挙げるが対策の困難な怪獣が出現する。日本壊滅の危機が迫る中その時銀色に光り輝く巨大超人が現れる。

ウルトラマンについてはあまり詳しくないが巨大ヒーローモノでウルトラマンが何らかの原因で出現した怪獣と闘うといった所に落ち着いてしまっている様な気がして勿体無いなとは思っていた。それだけじゃないのかもしれないが。
本作ではウルトラマンは勿論怪獣と闘うけど、ウルトラマンで侵略系SFをやっているのがとても良かった。それも昭和レトロSF(昭和と一言で言っても初期、中期、後期で分けても全く別物になる。この場合昭和中期が適切か)といった不思議な感じで面白かった。ただ古めかしいだけでなく現代にも合わせてアップデートされている所も良かった。
ヒーローとしてのウルトラマンの見せ方も昔の見せ方を当時のまま受け継ぎつつそこでもアップデートされていてカッコよかった。

マルチバース、平行宇宙という概念が実在する世界らしい。それはマーベルとのコラボではなく『シン・ゴジラ』『シン・ヱヴァンゲリヲン』がマルチバースで存在しているという事なのだろう。
そこで気になるのは予告が解禁された『シン・仮面ライダー』。まだ予告のごく限られたものしか目にしていないがどうも『キューティーハニー』っぽさをわずかに嗅ぎ付けてしまって不安になる。



『バニシング:未解決事件』を観た。2021年、フランス=韓国、1時間28分。
死体遺棄事件を捜査する警察。遺体は指紋を消され身元の特定が出来ずにいたが運良く最新の鑑定方法を開発したフランス人法医学者が来韓していて捜査協力を依頼する。

フランスと韓国の合作。監督はフランスの方だけどどちらが主導権を持っていたのだろう?何かフランスと韓国どちらにも配慮されている作品の様に思えて、そこら辺が合作映画の難しさなのかと思う。
例えばフランスだけで韓国だけで別々に作ったとしたらどちらの良さも十分に出し切れたのではないか。

法医学者を演じたオルガ・キュレリンコ。化粧してない?




『トキワ荘の青春 デジタルリマスター版』を観た。1996年、日本、1時間50分。
昭和30年代、東京都豊島区椎名町のアパートトキワ荘に漫画家として有望な若者たちが入居する。その中のリーダー的存在寺田ヒロオは発展し続ける漫画業界に違和感を感じ始めていた。

現在トキワ荘から最も近いかもしれない映画館の池袋シネマロサにて。場所的には最も近いのは僅差でシネリーブル池袋かもしれないが8階まで上がらなければならない。早稲田松竹、ポレポレ東中野も僅差か。
つい先日お亡くなりになられた藤子不二雄A先生を追悼しての上映。といった事は説明も記述もされていないのだけど多分そうなんだろうと理解して観た。
A先生を演じたのは鈴木卓爾さんでなんだか若い頃のA先生がそのままそこにいる様な感じがする。

本作はトキワ荘伝説の一面、当時の漫画界の急激な発展の波に見事に乗り切れた者と乗り切れなかった者の格差が如実に表れるほろ苦さが青春の1ページとして描かれて切ない。その切なさがいい。

A先生がトキワ荘時代につけていた日記を書籍化した『トキワ荘青春日記』(復刊ドットコム)を読み返した。
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折り返されている所を開くと塀が出現。
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本作や『まんが道』で省略、変更された所が実際はどうだったのかがA先生の視点から記録されている。
高岡に正月帰省してからの一大事は日記でありながらとてもスリリング。

A先生が昭和31年から34年の間(1956年から1959年)池袋近辺の映画館で観た映画の記録を抜粋。この他にも新宿や有楽町でも鑑賞されているし、日記の全文が書籍化されているわけでは無いのでもっといろんな映画を鑑賞されていると思う。この頃は一大事の直後で仕事を干されていた時期も含まれていて金欠でもあり鑑賞本数が少ない方なのかも。
あくまで個人的につけていた日記なので全文は色んな事情で公開される事は無いのだろう。
エトアール 『バラの講道館』『暴力街』 ・池袋の西口と記されているがエトアールという映画館は高円寺に有ったみたい。その映画館は無くなったが現在は商店街の名称として残っているらしい。池袋にも同じ名前の映画館が有ったのか?

人生坐 『エデンの東』 ・現在は東京信用金庫本店のある場所。池袋HUMAXシネマズの近く。

日勝地下 『Gメン』(1935年。ジェームズ・ギャグニイ主演) ・日勝はにっしょうと読む。池袋日勝地下劇場。現在は池袋駅東口のビックカメラやヤマダ電機が並んでいる場所。

池袋劇場 『トロイのヘレン』 ・早朝割引を逃して140円で鑑賞。

文芸座 『殴られた男』 ・現在は新文芸坐の有る場所。

池袋リリオ 『婚約三羽烏』『続二等兵物語』 ・リリオはシネマロサの姉妹館。

池袋劇場 『地獄の埠頭』『勇者のみ』

人生坐 『少年は知っている』『嵐の中の青春』 

池袋文化 『偉大なる野獣』(1952年メキシコのレスリング映画) ・日勝地下と同じ並びに有った池袋日勝文化劇場が開館するのは1960年前後とあるのでそれとは違うのか。

目白映画 『風の中の子供』『初恋物語』 ・トキワ荘の最も近く歩いて数分の所に有った映画館。現在は1階にドラッグストアぱぱすが入っている建物の場所。

人生坐 『パジャマ・ゲーム』『先生のお気に入り』

白鳥座(目白) 『才女気質』『悪所の季節』 ・7年間だけ存在した映画館らしい。


トキワ荘青春日記は6月にまんが道からの挿絵を加えて新装復刊されるとの事。
トキワ荘青春日記+まんが道

トキワ荘青春日記+まんが道

  • 作者: 藤子不二雄(A)
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2022/06/22
  • メディア: 単行本


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