《パンダコパンダ》《俺たちの明日》《スルース》《4ヶ月、3週と2日》《地上5センチの恋心》 [2008年3月に観た映画]
『パンダコパンダ』 シネマ・アンジェリカ
(1972・日本) 0h35
演出 : 高畑勲 原案・脚本・画面設定 : 宮崎駿 作画監督 : 小田部洋一、大塚康生
声の出演 : 杉山佳寿子、熊倉一雄、太田淑子、山田康雄
『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』
(1973・日本) 0h38
演出 : 高畑勲 脚本・美術設定・画面構成 : 宮崎駿 作画監督 : 小田部洋一、大塚康生
声の出演 ; 杉山佳寿子、熊倉一雄、丸山裕子、太田淑子、山田康雄、安原義人
竹やぶに囲まれたお家でひとりお留守番をする少女ミミちゃんの下に、「竹やぶがイイ~」のパパンダと、コパンダのパンちゃんが現れて。というお話しの『パンダコパンダ』(以下『パンコパ』)。
そこにサーカス団のトラちゃんが加わって。の『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』(以下『雨ふり』)の2本立て。
子供たちが観て楽しむべきアニメーション作品。子供たちが観て楽しめるアニメーションを。という前提で作られた作品なので当然な事です。
とは言え、オープニングの楽しさは別です。主題歌の歌詞、曲、水森亜土さんの歌声。楽し過ぎる。
イラストもまた楽し。
本編は、いい大人が観るとどうしても大人目線で観てしまうのでツッコミ所が多々有ります。
理論の上に理論を立てる冷徹系理論派のパクさんらしからぬ。と思えます。
時に情熱が理論を上回る情熱系理論派の宮さんとの間で、漫画映画ならではのダイナミズムに重きを置くか否かで白熱の議論が展開されたのでは?と、邪推してみました。
その舌鋒、切れ味鋭い刃(やいば)の如し。の、お二人ですから、それはそれは聞くに耐えない辛辣なものであった事は間違いない。と、邪推します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここからアホ話し。全くのデタラメの大ウソです。
パクさんの理論、それは切れ味鋭い日本刀。
その刃、一振りで竜のウロコを切り裂いた。との伝説有り。
宮さんの理論、それは段平(だんびら)のグレートソード。
その刃、一撃で竜の角をへし折った。との伝説有り。
その周りをジープで走り回る大塚康生さんを見た!との目撃情報も有り。
理論で竜をも倒すお二人に常人が太刀打ちできるはずがござんせん。
その容赦する事を知らない口撃に再起不能、廃人に追い込まれたアニメーターは数知れず。
かの作家トマス・ハリスはそのエピソードを伝え聞き、『羊たちの沈黙』において、レクター博士がクラリスを侮辱した病棟の隣人を罵り殺すシーンを思いついた。との噂。
因みにヒロインのクラリスという名前も『ルパン三世 カリオストロの城』から頂いたらしい。
そんなアニメーター達の無念の魂を鎮めるために“三鷹の森ジブリ美術館”は建てられた。との噂。
地下深くにアニメーター達を祀る塚が有り、屋上にロボット兵がいるのは、祟り封じのため。とも言われています。
ジブリアニメは日本が誇るアニメ作家(兼ドラゴンバスター)のお二人と、その下で朽ち果てた多くのアニメーターの死屍累々の上に成り立っており、
数々の名作アニメには怨念と情念がそのフィルムから溢れるほどに込められているのです。
ああ、恐ろしやジブリアニメ。
なんつって。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話し元に戻します。パクさんと宮さんの血で血を洗う議論の結果、このアニメは漫画映画ならではのダイナミズム重視となりました。
パパンダ青竹丸かじり。鋼の肉体を持つパンちゃん。刃物を片手に颯爽と駆ける少女ミミちゃん。などなど。思わずツッコミたくなりますが、そこはまず初めの段階のパンダが喋る。という時点でもはや何でも有り。という事です。
『パンコパ』は以前に1回だけ観ているのですが、『雨ふり』は今回が初めて。
そのブッ飛びぶりにビックリ。『パンコパ』も相当ブッ飛んでますが、『雨ふり』はそれをはるかに上回ります。
これ位ブッ飛んでるとツッコミを忘れて楽しめます。
「続編ならこれ位やらなきゃ駄目だっ!」と、狂気交じりに机に向かって鉛筆を走らせる宮さんの姿が目に浮かびます。
そして、その事について激論を闘わせるパクさんと宮さんのお姿も。
その頃大塚康生さんはジープに乗ってそこらへんを走り回っていたのでしょう。
面白ぇなぁこのトリオ。
しかし確かに続編として正しい。続編なら町の一つや二つは水没しないと。
いいなぁ~この頃の宮さんはクレイジーで。
大人目線で楽しめる所も有ります。
『パンコパ』で、商店の棚に並ばれた水玉模様の紙包みの乳酸飲料(壜タイプ)を見つけて懐かしい。
最近、店頭に並ばれているのは紙パックが主で、壜タイプはお中元などのギフトでしか見かけなくなりました。
これも『パンコパ』で、群集シーンの中に次元大介らしき人物を発見。
次元しか気付きませんでしたが、このシーンにはスタッフのお遊びで他にも色々な人物(アニメキャラやスタッフなど)がいそうな感じがします。
そしてなんと言ってもハイジ(杉山佳寿子さん)とルパン(山田康雄さん)夢の共演。
当然ながら山田康雄さんの声が若々しくてカッコイイ。
杉山佳寿子さんは今でも時折テレビ番組などでハイジの声を披露される事が有りますが、今も昔もほとんどお変わりなくてビックリします。
ここ何年もパンフレットを買っていないのですが、今回は買いました。
その中に安田成美さんの寄稿。というか談話が載っています。
宮さんと、安田成美さんといえば、安田成美さんが映画『風の谷のナウシカ』(1984年)のイメージガールに抜擢され主題歌を歌うも、その歌を聞いた宮さんが突っぱねて映画本編には使われず、あくまでイメージソングとしてに止まった。という因縁の間柄。(これは当時の噂と、自分の邪推と妄想が過分に加味されております。実際は最初からイメージソングだったのかもしれません。)
そのお二人、二十四年の歳月を経てここに和解す。
そんな大袈裟な話しじゃないのかもしれませんが。
大人目線とか偉そうな事を言っておきながら、館内に置かれているスタンプはしっかり押してきました。
いいなぁ~メタボなパパンダ。メタボだっていいじゃない。と、訴えかけている様です。
____________________________________________________________________________________
『俺たちの明日』 シアター・イメージ・フォーラム シアター1
“BOYS OF TOMORROW” (2006・韓国) 1h33
監督・脚本 : ノ・ドンソク
出演 : ユ・アイ、キム・ビョンソク、チェ・ジェソン
韓国の若者たちの悩みと苦しみ。そして、それでも明日に向かって生きてゆく姿を描く。
『韓国アートフィルムショーケース2008』として上映。この映画のほかに『黒い土の少女』『永遠の魂』『妻の愛人に会う』を上映。
『韓国アートフィルムショーケース』は今回で第2回。
第1回は2007年、『キムチを売る女』『不機嫌な男たち』『許されざるもの』『映画館の恋』が上映され、普段アート系の作品を滅多に見ない自分が何をトチ狂ったのか全作品にチャレンジして、見事全敗を喫した因縁の特集上映。
『黒い土の少女』と、この映画を観た限りでは、今回は難解度がやや抑え目になった感じ。
普通に観れました。
この映画が言わんとしている「誰でも、いつでも人生はやり直せる。」というメッセージも分かり易い。
ただ、そこに辿り着くまでが長く感じられた。
いきなりそのメッセージを言われるより、一時間何十分かの時間をかけてその背景と人物像を描き出し、その上でメッセージを言われた方が心への届き方が違うという事は分かりますが。
集中力のない自分はつい他の事を考えてしまいます。
今回はそっくりさん探し。
西島秀俊さん、中村俊輔さん、梶原一騎さん、朝青龍関、他の皆さんがおられました。
同じアジア系ですので見つけやすい。
東南アジアの映画も、そっくりさん探しという点では退屈はしない映画と言えます。
____________________________________________________________________________________
『スルース』 シネスイッチ銀座1
“SLEUTH” (2007・アメリカ) 1h29
製作・監督 : ケネス・ブラナー 製作・出演 : ジュード・ロウ
出演 : マイケル・ケイン
老齢の推理小説家と、若き売れない俳優。一人の女性を巡って二人の男の間で繰り広げられる騙し合いと化かし合いのゲーム。その結末は。
M・ケインとJ・ロウ。英国を代表する新旧演技派二人がぶつかり合うシリアスなサスペンス・ミステリー。登場人物はこの二人だけ。
ミステリーとして観ると少し物足りない。しかし、二人の演技はそれを補って余りあるものなので、そちらを堪能するべき映画。
特に会話の中で、他愛のない話題を装いながらチクリチクリとお互いを卑下しあう所なんぞはその演技と脚本で、英国人ならではと思えるいやらしさが滲み出ていて秀逸です。
小説家は地位と財力を盾に、俳優の出自と貧困を蔑み。
俳優は若さと美貌を武器に、小説家の老いを嘲る。
やらしいなぁ~英国人。
二人の騙し合いのゲームが延々と続いたら面白いのになぁ。と、思いましたが、結局一人が本気になってしまったためゲームオーバーとなります。チョット残念でしたが、シリアスな映画なのでしょうがない。
騙し合いゲームのルールとして、
それが“騙し”と気付いても、その“騙し”に乗っかる。
いかに“騙す”かより、“騙す”事によって与える精神的ダメージを競う。
という所が重要だったのですが、片方がそのルールを守り切れなかった。
精神的ダメージがあまりにも大きいと、人の心は簡単に崩れてしまう。
人のエゴがゲームを始めさせ、人の心の脆さがゲームを終わらせたのでしょう。
____________________________________________________________________________________
『4ヶ月、3週と2日』 銀座テアトルシネマ
“4 LUNI. 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE” (2007・ルーマニア) 1h53
製作・監督・脚本 : クリスティアン・ムンジウ
出演 : アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ
1987年、ルーマニア、チャウシェスク独裁政権下。一人の女性の或る一日の出来事。
ルーマニア映画を観るのは初めてかもしれない。現在、世界でルーマニア映画が注目を集めている。という事も知りませんでした。この映画もカンヌ映画祭でパルムドールを受賞。
ルーマニアについてほぼ無知のまま映画に臨みました。ヨーロッパのどこら辺に位置するのかも知らぬまま。
知っている事といえば、昔は社会主義国家で、チャウシェスクという人の独裁国家であった。という事ぐらい。
無謀といえば無謀ですが、この映画はそれぐらいの知識でも大丈夫でした。
映画を観ているだけでその当時のルーマニアがどのような国だったのか分かります。
官僚主義、管理国家、階級社会。悪夢としか言いようがないお国でした。
そんな中、友達のために東奔西走する一人の女性の姿を物語は追い続けます。
その姿は話しが進むほどに痛々しくなり、やるせなくなります。
そして、ある意味衝撃のラストを迎えます。
「一体、彼女のこの一日はなんだったんだ?」と、思わずにいられません。
その当時のルーマニアという国や社会を彼女の一日を追う事で描き出し、
その事によって、社会主義であったルーマニアとはなんだったのか?
また、それらに振り回された人々とはなんだったのか?
その疑問をこの映画はぶつけてきます。
自分は「なんだったんでしょう?」と、疑問返しをするしかありませんが。
長回しが多用される映画です。ブライアン・デ・パルマ監督のトリック込みの長回しは大好きなのですが、この映画の場合はそれとは全く違います。
カメラはそこにあるだけ。映画の中の登場人物という概念を捨て去るかの如く、そこにいる人物を、そこで起こる出来事をただ見つめる、ひたすら見つめる。
映画も終盤になってくるとそれは我慢較べの様相を呈してきます。
監督はいかに長回しを続けていられるか、観客はいかに集中力を切らさずに観続けていられるか。
集中力が著しく欠如している自分は、ギブアップ寸前。危うく試合放棄するところでした。
____________________________________________________________________________________
『地上5センチの恋心』 シネスイッチ銀座2
“ODETTE TOULEMONDE” (2006・フランス=ベルギー) 1h40
監督・脚本 : エリック=エマニュエル・シュミット
出演 : カトリーヌ・フロ、アルベール・デュボンテル、ジャック・ウェベール、ファブリス・ミュルジア
ベルギーに住む夢見がちなチャーミングなおば様と、フランス人の人気作家が繰り広げるロマンチックコメディ。
ロマンチックコメディの王道のような映画。難しい事は一切なし。それでいいと思います。楽しかったし。
ストーリーやキャラクターも御都合主義で出来ているように思えますが、それでいいと思います。面白かったし。
それらは全てロマンチックであるために存在します。
この映画の場合、御都合主義と言わずにロマンチック主義と言った方が正しい。
おば様は嬉しい事が有ると天にも昇る気持ちになります。
また、好きな音楽が掛かると踊らずにはいられません。時には家族を巻き込んで踊ります。
とってもチャーミーなおば様です。
そんなおば様が迎える大ハッピーエンド。これをロマンチックと言わずして何をロマンチックと言うのでしょう。
全くもって正しいロマンチックな映画でした。
(1972・日本) 0h35
演出 : 高畑勲 原案・脚本・画面設定 : 宮崎駿 作画監督 : 小田部洋一、大塚康生
声の出演 : 杉山佳寿子、熊倉一雄、太田淑子、山田康雄
『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』
(1973・日本) 0h38
演出 : 高畑勲 脚本・美術設定・画面構成 : 宮崎駿 作画監督 : 小田部洋一、大塚康生
声の出演 ; 杉山佳寿子、熊倉一雄、丸山裕子、太田淑子、山田康雄、安原義人
竹やぶに囲まれたお家でひとりお留守番をする少女ミミちゃんの下に、「竹やぶがイイ~」のパパンダと、コパンダのパンちゃんが現れて。というお話しの『パンダコパンダ』(以下『パンコパ』)。
そこにサーカス団のトラちゃんが加わって。の『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』(以下『雨ふり』)の2本立て。
子供たちが観て楽しむべきアニメーション作品。子供たちが観て楽しめるアニメーションを。という前提で作られた作品なので当然な事です。
とは言え、オープニングの楽しさは別です。主題歌の歌詞、曲、水森亜土さんの歌声。楽し過ぎる。
イラストもまた楽し。
本編は、いい大人が観るとどうしても大人目線で観てしまうのでツッコミ所が多々有ります。
理論の上に理論を立てる冷徹系理論派のパクさんらしからぬ。と思えます。
時に情熱が理論を上回る情熱系理論派の宮さんとの間で、漫画映画ならではのダイナミズムに重きを置くか否かで白熱の議論が展開されたのでは?と、邪推してみました。
その舌鋒、切れ味鋭い刃(やいば)の如し。の、お二人ですから、それはそれは聞くに耐えない辛辣なものであった事は間違いない。と、邪推します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここからアホ話し。全くのデタラメの大ウソです。
パクさんの理論、それは切れ味鋭い日本刀。
その刃、一振りで竜のウロコを切り裂いた。との伝説有り。
宮さんの理論、それは段平(だんびら)のグレートソード。
その刃、一撃で竜の角をへし折った。との伝説有り。
その周りをジープで走り回る大塚康生さんを見た!との目撃情報も有り。
理論で竜をも倒すお二人に常人が太刀打ちできるはずがござんせん。
その容赦する事を知らない口撃に再起不能、廃人に追い込まれたアニメーターは数知れず。
かの作家トマス・ハリスはそのエピソードを伝え聞き、『羊たちの沈黙』において、レクター博士がクラリスを侮辱した病棟の隣人を罵り殺すシーンを思いついた。との噂。
因みにヒロインのクラリスという名前も『ルパン三世 カリオストロの城』から頂いたらしい。
そんなアニメーター達の無念の魂を鎮めるために“三鷹の森ジブリ美術館”は建てられた。との噂。
地下深くにアニメーター達を祀る塚が有り、屋上にロボット兵がいるのは、祟り封じのため。とも言われています。
ジブリアニメは日本が誇るアニメ作家(兼ドラゴンバスター)のお二人と、その下で朽ち果てた多くのアニメーターの死屍累々の上に成り立っており、
数々の名作アニメには怨念と情念がそのフィルムから溢れるほどに込められているのです。
ああ、恐ろしやジブリアニメ。
なんつって。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話し元に戻します。パクさんと宮さんの血で血を洗う議論の結果、このアニメは漫画映画ならではのダイナミズム重視となりました。
パパンダ青竹丸かじり。鋼の肉体を持つパンちゃん。刃物を片手に颯爽と駆ける少女ミミちゃん。などなど。思わずツッコミたくなりますが、そこはまず初めの段階のパンダが喋る。という時点でもはや何でも有り。という事です。
『パンコパ』は以前に1回だけ観ているのですが、『雨ふり』は今回が初めて。
そのブッ飛びぶりにビックリ。『パンコパ』も相当ブッ飛んでますが、『雨ふり』はそれをはるかに上回ります。
これ位ブッ飛んでるとツッコミを忘れて楽しめます。
「続編ならこれ位やらなきゃ駄目だっ!」と、狂気交じりに机に向かって鉛筆を走らせる宮さんの姿が目に浮かびます。
そして、その事について激論を闘わせるパクさんと宮さんのお姿も。
その頃大塚康生さんはジープに乗ってそこらへんを走り回っていたのでしょう。
面白ぇなぁこのトリオ。
しかし確かに続編として正しい。続編なら町の一つや二つは水没しないと。
いいなぁ~この頃の宮さんはクレイジーで。
大人目線で楽しめる所も有ります。
『パンコパ』で、商店の棚に並ばれた水玉模様の紙包みの乳酸飲料(壜タイプ)を見つけて懐かしい。
最近、店頭に並ばれているのは紙パックが主で、壜タイプはお中元などのギフトでしか見かけなくなりました。
これも『パンコパ』で、群集シーンの中に次元大介らしき人物を発見。
次元しか気付きませんでしたが、このシーンにはスタッフのお遊びで他にも色々な人物(アニメキャラやスタッフなど)がいそうな感じがします。
そしてなんと言ってもハイジ(杉山佳寿子さん)とルパン(山田康雄さん)夢の共演。
当然ながら山田康雄さんの声が若々しくてカッコイイ。
杉山佳寿子さんは今でも時折テレビ番組などでハイジの声を披露される事が有りますが、今も昔もほとんどお変わりなくてビックリします。
ここ何年もパンフレットを買っていないのですが、今回は買いました。
その中に安田成美さんの寄稿。というか談話が載っています。
宮さんと、安田成美さんといえば、安田成美さんが映画『風の谷のナウシカ』(1984年)のイメージガールに抜擢され主題歌を歌うも、その歌を聞いた宮さんが突っぱねて映画本編には使われず、あくまでイメージソングとしてに止まった。という因縁の間柄。(これは当時の噂と、自分の邪推と妄想が過分に加味されております。実際は最初からイメージソングだったのかもしれません。)
そのお二人、二十四年の歳月を経てここに和解す。
そんな大袈裟な話しじゃないのかもしれませんが。
大人目線とか偉そうな事を言っておきながら、館内に置かれているスタンプはしっかり押してきました。
いいなぁ~メタボなパパンダ。メタボだっていいじゃない。と、訴えかけている様です。
____________________________________________________________________________________
『俺たちの明日』 シアター・イメージ・フォーラム シアター1
“BOYS OF TOMORROW” (2006・韓国) 1h33
監督・脚本 : ノ・ドンソク
出演 : ユ・アイ、キム・ビョンソク、チェ・ジェソン
韓国の若者たちの悩みと苦しみ。そして、それでも明日に向かって生きてゆく姿を描く。
『韓国アートフィルムショーケース2008』として上映。この映画のほかに『黒い土の少女』『永遠の魂』『妻の愛人に会う』を上映。
『韓国アートフィルムショーケース』は今回で第2回。
第1回は2007年、『キムチを売る女』『不機嫌な男たち』『許されざるもの』『映画館の恋』が上映され、普段アート系の作品を滅多に見ない自分が何をトチ狂ったのか全作品にチャレンジして、見事全敗を喫した因縁の特集上映。
『黒い土の少女』と、この映画を観た限りでは、今回は難解度がやや抑え目になった感じ。
普通に観れました。
この映画が言わんとしている「誰でも、いつでも人生はやり直せる。」というメッセージも分かり易い。
ただ、そこに辿り着くまでが長く感じられた。
いきなりそのメッセージを言われるより、一時間何十分かの時間をかけてその背景と人物像を描き出し、その上でメッセージを言われた方が心への届き方が違うという事は分かりますが。
集中力のない自分はつい他の事を考えてしまいます。
今回はそっくりさん探し。
西島秀俊さん、中村俊輔さん、梶原一騎さん、朝青龍関、他の皆さんがおられました。
同じアジア系ですので見つけやすい。
東南アジアの映画も、そっくりさん探しという点では退屈はしない映画と言えます。
____________________________________________________________________________________
『スルース』 シネスイッチ銀座1
“SLEUTH” (2007・アメリカ) 1h29
製作・監督 : ケネス・ブラナー 製作・出演 : ジュード・ロウ
出演 : マイケル・ケイン
老齢の推理小説家と、若き売れない俳優。一人の女性を巡って二人の男の間で繰り広げられる騙し合いと化かし合いのゲーム。その結末は。
M・ケインとJ・ロウ。英国を代表する新旧演技派二人がぶつかり合うシリアスなサスペンス・ミステリー。登場人物はこの二人だけ。
ミステリーとして観ると少し物足りない。しかし、二人の演技はそれを補って余りあるものなので、そちらを堪能するべき映画。
特に会話の中で、他愛のない話題を装いながらチクリチクリとお互いを卑下しあう所なんぞはその演技と脚本で、英国人ならではと思えるいやらしさが滲み出ていて秀逸です。
小説家は地位と財力を盾に、俳優の出自と貧困を蔑み。
俳優は若さと美貌を武器に、小説家の老いを嘲る。
やらしいなぁ~英国人。
二人の騙し合いのゲームが延々と続いたら面白いのになぁ。と、思いましたが、結局一人が本気になってしまったためゲームオーバーとなります。チョット残念でしたが、シリアスな映画なのでしょうがない。
騙し合いゲームのルールとして、
それが“騙し”と気付いても、その“騙し”に乗っかる。
いかに“騙す”かより、“騙す”事によって与える精神的ダメージを競う。
という所が重要だったのですが、片方がそのルールを守り切れなかった。
精神的ダメージがあまりにも大きいと、人の心は簡単に崩れてしまう。
人のエゴがゲームを始めさせ、人の心の脆さがゲームを終わらせたのでしょう。
____________________________________________________________________________________
『4ヶ月、3週と2日』 銀座テアトルシネマ
“4 LUNI. 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE” (2007・ルーマニア) 1h53
製作・監督・脚本 : クリスティアン・ムンジウ
出演 : アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ
1987年、ルーマニア、チャウシェスク独裁政権下。一人の女性の或る一日の出来事。
ルーマニア映画を観るのは初めてかもしれない。現在、世界でルーマニア映画が注目を集めている。という事も知りませんでした。この映画もカンヌ映画祭でパルムドールを受賞。
ルーマニアについてほぼ無知のまま映画に臨みました。ヨーロッパのどこら辺に位置するのかも知らぬまま。
知っている事といえば、昔は社会主義国家で、チャウシェスクという人の独裁国家であった。という事ぐらい。
無謀といえば無謀ですが、この映画はそれぐらいの知識でも大丈夫でした。
映画を観ているだけでその当時のルーマニアがどのような国だったのか分かります。
官僚主義、管理国家、階級社会。悪夢としか言いようがないお国でした。
そんな中、友達のために東奔西走する一人の女性の姿を物語は追い続けます。
その姿は話しが進むほどに痛々しくなり、やるせなくなります。
そして、ある意味衝撃のラストを迎えます。
「一体、彼女のこの一日はなんだったんだ?」と、思わずにいられません。
その当時のルーマニアという国や社会を彼女の一日を追う事で描き出し、
その事によって、社会主義であったルーマニアとはなんだったのか?
また、それらに振り回された人々とはなんだったのか?
その疑問をこの映画はぶつけてきます。
自分は「なんだったんでしょう?」と、疑問返しをするしかありませんが。
長回しが多用される映画です。ブライアン・デ・パルマ監督のトリック込みの長回しは大好きなのですが、この映画の場合はそれとは全く違います。
カメラはそこにあるだけ。映画の中の登場人物という概念を捨て去るかの如く、そこにいる人物を、そこで起こる出来事をただ見つめる、ひたすら見つめる。
映画も終盤になってくるとそれは我慢較べの様相を呈してきます。
監督はいかに長回しを続けていられるか、観客はいかに集中力を切らさずに観続けていられるか。
集中力が著しく欠如している自分は、ギブアップ寸前。危うく試合放棄するところでした。
____________________________________________________________________________________
『地上5センチの恋心』 シネスイッチ銀座2
“ODETTE TOULEMONDE” (2006・フランス=ベルギー) 1h40
監督・脚本 : エリック=エマニュエル・シュミット
出演 : カトリーヌ・フロ、アルベール・デュボンテル、ジャック・ウェベール、ファブリス・ミュルジア
ベルギーに住む夢見がちなチャーミングなおば様と、フランス人の人気作家が繰り広げるロマンチックコメディ。
ロマンチックコメディの王道のような映画。難しい事は一切なし。それでいいと思います。楽しかったし。
ストーリーやキャラクターも御都合主義で出来ているように思えますが、それでいいと思います。面白かったし。
それらは全てロマンチックであるために存在します。
この映画の場合、御都合主義と言わずにロマンチック主義と言った方が正しい。
おば様は嬉しい事が有ると天にも昇る気持ちになります。
また、好きな音楽が掛かると踊らずにはいられません。時には家族を巻き込んで踊ります。
とってもチャーミーなおば様です。
そんなおば様が迎える大ハッピーエンド。これをロマンチックと言わずして何をロマンチックと言うのでしょう。
全くもって正しいロマンチックな映画でした。
2008-04-03 20:14
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0