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悲しみが乾くまで黒い家フィクサーさらば、わが愛/覇王別姫永遠の魂ブラックサイト [2008年4月に観た映画]

『悲しみが乾くまで』  シネカノン有楽町1丁目
“THINGS WE LOST IN THE FIRE” (2008・アメリカ=イギリス) 1h59
監督 : スサンネ・ビア
出演 : ハル・ベリー、ベニチオ・デル・トロ、デヴィッド・ドゥカブニー、マイカ・ベリー、アレクシス・リュウェリン、アリソン・ローマン、ジョン・キャロル・リンチ、オマー・ベンソン・ミラー

[カチンコ]夫を不慮の事故で亡くした女性。その夫の親友で薬物中毒の男。
片や夫、片や親友を亡くした二人の心模様を静かに見つめる人間ドラマ。

[カチンコ]どこに物語が進んでゆくのか、あっち行ったりこっち行ったりフラフラと話しは進みます。
そしてどこかに着地します。それはどこなのか?よく分かりませんでした。
それが人生そのものなのかもしれません。
我が身を振り返ってみるにそんなもんだよなぁ。と、痛感いたします。

人の心もよく分かりません。特にご主人を亡くされた女性はそのせいなのか、ワガママし放題。
その行動には不可解な点も多々有りますが、その不可解こそが人間というものなのかも。
映画としてはどうなんだろう。とも思いますが。

内容は今イチ掴めませんでしたが、登場人物、それを演じる俳優さんは良かったです。
久し振りに見るD・ドゥカブニーも良かったですが、
何と言ってもB・デル・トロが相変わらずカッコイイ。
『トラフィック』でのオスカー受賞後、もうひとつブレイクしきれていない感じがするので残念に思っていたのですが、今後はチェ・ゲバラになったり狼男になったりするようです。
あの唯一無二の得難い存在感で、これからもっと御活躍される事と思います。

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『黒い家』  池袋シネマロサ2
“BLACK HOUSE” (2007・韓国) 1h44
監督 : シン・テラ
出演 : ファン・ジョンミン、ユソン、カン・シニル、キム・ソヒョン

[カチンコ]善良なる人v.s.邪悪なる人。

[カチンコ]日本の小説が原作。そして森田芳光監督の『黒い家』(1999年)のリメイク。
森田監督の『黒い家』は観ているのですが映画館で観たきりなので、その内容はまばらにしか憶えていません。
そのまばらな記憶によると、この映画はかなり日本版とは変えているような感じがします。
どこがどう変わっていたのか詳しくは分からないのですが。

[カチンコ]邪悪なる人は怖かった。何が怖いって、邪悪な行為を自分では邪悪と認識していない所。
そこを突き詰めた結果、最後はフレディやジェイソンの様なホラーアクションになってしまったのが残念。フレディ、ジェイソンが好きなお方は楽しめそうな濃いい感じに仕上がっていると思います。

胃がキリキリと痛くなる精神的怖さの方に行けた内容だと思いますが、ハリウッドを意識しちゃったんでしょうか。

[ハートたち(複数ハート)]突然ですが、シネマロサはいい映画館です。
年々、個人的好きな映画館ランキングの上位にランクアップされてきています。
因みにロサとはスペイン語で薔薇の意味です。

立地条件はあまりよろしくはございません。外見も少し妖しげな感じもしなくは無いです。
その昔、一時期大人の映画館だった面影が残っているような。
しかし館内はとても清潔。特にトイレはいつもキレイです。(当然ながら片方にしか入った事が無いのですが。)
客席も広すぎず狭すぎずで丁度いい感じ。
座席も新宿のとある映画館と較べたら夢のような座り心地。
基本的に入れ替え制ではないので好きな時に行って、いたければいつまででもいられます。
客席内飲食自由なのも自分としてはとても嬉しい。
係員の方の接客態度も好印象。某シネコンのバイト君たちにそこは是非とも見習って頂きたく思います。

これだけ褒めちぎるとどこぞの回し者かと訝しがられそうですが、別にシネマロサの関係者ではなく、縁も所縁もありません。
ただ、個人的にとっても居心地のいい映画館なのです。

残念な事に、ここ最近は行くと大体空いています。そこが自分としては良くもあるのですが。
たまたま自分の行った時だけ空いていたのかもしれません。
しかしこの6月に東京メトロ副都心線開通に伴い、渋谷にお客さんが流れてしまい、更なる観客減少の危惧がございます。
でもシネマロサには末永く居心地のいい映画館であって欲しい。
頑張れ!シネマロサ!
チケットはチケットショップで買うし、飲食物はコンビニ等で買い込んでくる。映画館にとっては全く利益の上がらない自分ですのでせめて応援だけでも。

という事で、次の映画もロサで観ちゃいました。

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『フィクサー』  池袋シネマロサ1
“MICHAEL CLAYTON” (2007・アメリカ) 2h00
監督・脚本 : トニー・ーギルロイ  製作総指揮・出演 : ジョージ・クルーニー  製作・出演 : シドニー・ポラック
出演 : トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン

[カチンコ]三倍返しの男、マイケル・クレイトン。
その男に喧嘩を売らざるを得なかった大企業専任の女性弁護士。その喧嘩の結果は?

[カチンコ]骨太なドラマです。どっしり構えてじっくりと見せる演出。
それに応えて重厚な演技を見せる出演者。
社会で生きる者の悲哀を描き出す物語。

そこにヒーローはいません。いるのはただの人間。
金のためなら、死んだ者の望みなど平気で捨てられる人間。
会社のためなら、会社に不利益になるものはバッサリと切り捨てられる人間。
かと言って、冷酷なだけではありません。
人としての優しさ、弱さも持ち合わせた人間がそこにいます。

そんな人間同士のエゴとエゴがぶつかり合うドラマ。
そのドラマのラストシーンに爽快感はございません。
映画的決着は付きますが、後に残るのはジワーッと胸に広がる何とも言えないやるせなさ。
このスッキリとしないモヤモヤ感が大人って感じです。

[カチンコ]しかしジョジクル兄キはイイ映画に出ますねぇ。この映画も兄キの代表作の一本になりました。
なんか代表作だらけになってきた感じです。

『アウト・オブ・サイト』が一番好きかも。
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『スリー・キングス』。撮影中、監督とやり合って一躍その兄キっぷりを世に知らしめた記念碑的作品でもあります。ハリウッドジョジクル一家、子分その1のマーク・ウォールバーグも出ています。
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『オー・ブラザー!』。コメディでは『ウェルカム トゥ コリンウッド』も好き。
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一般的な代表作というと『オーシャンズ』シリーズになるんでしょうか。マット・デイモンは子分その2。
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オスカーゲット『シリアナ』。
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硬軟織り交ぜて良質な映画に出る兄キ。時に実験的映画に出ることも。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』で組んだロバート・ロドリゲス監督の『スパイ・キッズ』にチラリと顔を見せる義理堅さも兄キらしい。
で、主演も兼ねる監督次回作が何やらスポーツモノでロマコメ。
そのステップの軽さがカッコイイですジョジクル兄キ。
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『さらば、わが愛/覇王別姫』  ル・シネマ2
“覇王別姫” (1993・香港) 2h52
製作・監督 : チェン・カイコー
出演 : レスリー・チャン、チャン・フォンイー、コン・リー、グォ・ヨウ

[カチンコ]1920年代からの50年間、中国激動の時代。二人の京劇役者と一人の女性。

[カチンコ]名作の誉れ高い作品。熱狂的に支持される方が多数いる作品。
という事で観なきゃなぁと思っていたのですが、レンタル店で一度も手に取ったことすらなく、テレビでやっていてもチャンネルを合わせた事もありませんでしたが、ル・シネマでリバイバル上映されていたので観に行きました。

[カチンコ]観る前は、二人の男の愛憎劇がメインだと思っていました。
その面も有りますが、自分としては中国激動の時代に人々が何を考え、どのようにして生きてきたのかを主人公二人に重ね合わせて描いた物語のように思えました。
熱狂的に支持される方は、二人の男、特にレスリー・チャンに思い入れしているのだと思いますが。

確かにレスリー・チャンが良かったです。主役3人とも素晴しいですが、やっぱりこの映画の主役は入魂の演技を見せたレスリー・チャンなのだと思います。

[カチンコ]本編が始まる前に「フィルムに傷有り、音声も今イチ」のお断りが有りました。
確かにその通り。フィルムの継ぎ目(画面右上に印が出る所。)辺りの傷がひどかった。
ノイズもかなり目立ちました。
だからでしょうか1,200円のお値打ち価格。でもこのフィルム状態だったら1,000円でもよかったかも。
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『永遠の魂』  シアター・イメージフォーラム シアター1
“FOR ETERNAL HEARTS” (2007・韓国) 1h43
監督・脚本 : ファン・ギュドク
出演 : チョン・ギョンホ、チャ・スヨン、キム・ミンソン、チョン・ジニョン

[カチンコ]『韓国アートフィルムショーケース2008』の3本目。
これが一番の強敵だと踏んでいましたが、予想以上にメチャクチャ強かった。
終盤辺りまではやや押され気味ながらも何とか喰らい付いていましたが、
謎が明かされる段階になってその強さを全開させられると、全く太刀打ちできません。

どの部分が意味不明なのかよく分かりません。
どういった内容だったのかさえも自分には説明できないです。
それらを考える事もなんか面倒臭いです。
この事を「映画のバカの壁」と言うのかも。

何をどこ?どこが誰??誰は何???
ただでさえポンコツの思考回路が、完全に?マークに侵食、破壊されました。
完敗です。

という事でそっくりさん探しに逃避します。
キム・ミンソン嬢は、松たか子さんと石田ゆり子さんに似ています。
チャ・スヨン嬢は、蓮佛美沙子さん(『バッテリー』『転校生‐さよならあなた‐』)に感じが似ています。
このお二人を見れただけでとりあえず良しと思えます。
そして謎のキウイおばさん、この人が室井滋さんに激似。室井滋さんに清川虹子さんを少し混ぜた感じ。
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『ブラックサイト』  渋谷東急
“UNTRACEABLE“ (2008・アメリカ) 1h40
監督 : グレゴリー・ホブリット
出演 : ダイアン・レイン、コリン・ハンクス、ビリー・バーク、ジョセフ・クロス  

[カチンコ]ネットを使った殺人遊戯。

[カチンコ]『SAW』的要素強め。
なので、『SAW』はとりあえず2作目までは付き合って、それ以降ギブアップした自分にはかなりしんどかった。
じんわりと展開する雰囲気は良かったんですけど、残酷描写がキツ過ぎました。
『黒い家』と、この映画を観てしまうと人間不信になりそうです。

[カチンコ]ラストでD・レインが見せる行動にはどういった意味があったんだろう?
カッコよかったんですけど、若干意味不明。
殺された同僚への弔いなのか?FBIはどんな事があっても犯人を捕まえてみせる。という意思表示なのか?無意識にネット殺人に加担した人たちへの警告なのか?
そう言えば物語の途中で、DVDの違法コピーにおけるFBIからの警告。という前フリらしきものがあったのを思い出しました。警告が有力かも。

[カチンコ]邪悪な空気が渦巻く中において、オアシスとも言える存在がC・ハンクス。
トム・ハンクスのご子息にあられます。顔も時折チラッと面影が見えますが、その声と喋り方は正にトム・ハンクス。どんよりと重い空気が流れる映画の中ですっかりと和まさせていただきました。
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