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羅生門 デジタル完全版 [2008年12月に観た映画]


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『羅生門 デジタル完全版』
(1950・日本) 1h28
監督・脚本 : 黒澤明
出演 : 三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬、千秋実、上田吉二郎



山中で起きた殺人。男と女と男の言い分は見事なまでに食い違う。



ネタバレ有り。



男の情けなさと、女のしたたかさが真相を藪の中へと誘い込みます。
現代社会で生きている身として、自分の都合の悪い事は隠したいのは当然だよなぁ。とも思います。
本作の中にも「隠し事なんて当たり前じゃねぇかバッキャロイ!」といった意味のことを仰る御仁が居られます。

しかし黒澤監督はそれを良しとしない。
例え隠し事をするのが当たり前の風潮でそれに流されそうになったとしても、自分の中に正義を持ちそれを貫く事が大事なのである。
という事を声高々に謳いあげ堂々としたラストを迎えます。
これぞ黒澤ヒューマニズム。

故エンペラー吉田さんの名言「偉ぐなくともぉぉ正ぁしく生ぎるっっ!!(パカッ)」を思い出さずにはいられません。



本作はかなり昔に1回だけ観ていました。ので大部分は忘れていました。
三人の言い分が描かれるわけですが、その内の一人は被害者。
どーすんだろう?と思っていたら、まさかあの手でくるとは。
時代劇だから有りな手だなぁと思います。



三人の言い分を再現するシーンでは、一人の表情を誰かの背中越しに撮るカットが多かったような気がします。
表情を直接見せるのではなくて、間にワンクッション置く事によってそれぞれの言い分のどれかに肩入れさせる事なく、三つの言い分を平等に客観視させる効果があるように思えました。



本作はデジタルで修復されたそうです。
映像は勿論キレイになっていて、尚且つ音声面でセリフが聞きやすくなっているらしい。
確かにセリフは聞きやすかったです。それでも何箇所か聞き取りづらい所があったのは自分のリスニング能力の低さが原因かと思われます。

『検非違使(けびいし)』って単語久し振りに聞きました。
会話の中で普通に使われていましたが、今だったら“検非違使とは”みたいな説明シーンが入りそうです。
本作にそのようなシーンは入れられないとは思いますが、昔の人には検非違使についての知識が普通に備わっていたのだろうか?
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