『ダークナイト』嫌いの理由

この間は『ダークナイト』最後まで観ていられなかった。でも前に１回観ているのでその時のおぼろげな記憶と思い込みと妄想で何故に『ダークナイト』が嫌いなのかをわざわざ考えてみました。



先ず何よりジョーカーが嫌い。気持ち悪い。








その存在理由は純粋な悪。
そして行動理由は悪として存在するため。故に正義であるバットマンと闘わなければならない。
その闘いの中で語られる事は、悪は常に存在し続けるものであり、正義が力を持てばそれ以上の力を持った悪が現れる。だから正義は悪には勝てないのである。
何故悪の方が強いのか？それは悪は本能であり、正義は理性であるから。
そりゃ本能の方が強いに決まってる。

本作の２時間３０分有る中のほとんどで、正義は悪に陵辱、蹂躙され続ける。
正義が時に優位に立ったかと思いきや、それは悪の思惑の中で踊らされているだけ。
それは悪目線なら見ていられるけど、『ダークナイト』はあくまで正義目線。しかもヒーローモノ。
そこが気持ち悪い。不快。

最後の最後で「例え悪の方が圧倒的に強くても正義は戦い続けなければいけないのだ！だから頑張ろう！」と、もっともらしいメッセージで幕を閉じる。
「正義は必ず勝つ！」ではなくて、「正義は悪には勝てないけど、負けないために戦い続けよう！」とも。
そのメッセージがヒーローモノを超えた。と巷で高評価の理由の一つかと思いますが、個人的には超えなくても良かった。逆に超えて欲しくなかった。
「正義は必ず勝つ！」がヒーローには一番大事。

しかしそれらをひっくるめてクリストファー・ノーラン監督はそんな事にはこれっぽちも関心が無いと思う。
過去の作品を観れば分かる。クリストファー・ノーラン監督は間違いなく悪意の監督。
だからそんなメッセージは映画を終わらせるためだけのもの。
多分裏では「要は正義は悪には絶対勝てないんだよネ。ウフフ」と薄ら笑いを浮かべてるに決まってる。
実の所は正義が悪に陵辱、蹂躙される様だけを描きたいのだと思う。根本の所で『ソウ』とかと一緒。最後にまやかしのメッセージを付け加えているだけ『ダークナイト』は性質が悪い。

っつう事で、『ダークナイト』嫌い。



育ちのいいお坊ちゃま風に見せかけて、胸の奥はドロドロの暗闇監督（妄想１２０%）http://us.imdb.com/media/rm2329712640/nm0634240

この御三方だけは好き。
http://us.imdb.com/media/rm1881839360/nm0000323
http://us.imdb.com/media/rm3749680896/tt0468569
http://us.imdb.com/media/rm1676974336/tt0372784（『ビギンズ』より）

コメント 2

ここまで同感できるブログは初めて見ました。ヒーロー物としては
ダークナイトは良くないですね。確かに深いテーマがあって名作だとは思うんですけど、正直胸糞悪いです。　1989年のバットマンが一番好きです。こちらの方は、最後に悪役を叩きのめしてくれるのでスカッとします。(といっても、こちらのジョーカーは憎めない存在ですが。）ビジュアル的な演出や美術デザインについてもバットマンに分があります。
by ＰＩsan (2014-06-12 22:38) 

もう5年前の映画なんですね。今でもたまにどういう映画だったのか考えてみたりしますが嫌いが先立ってあまり上手くまとまりません。
by 目白目次郎 (2014-06-14 23:15)