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鉄人28号

鉄人28号 1 (潮漫画文庫)Stray Dog of Anime: The Films of Mamoru Oshii






『鉄人28号』
演出・脚本 : 押井守
出演 : 南果歩、池田成志、ダイアモンドユカイ、サンプラザ中野くん





深夜、NHKのBSで放送。
早めに寝て深夜にゴソゴソと起きて観ました。



第二次大戦下、本土決戦の最終決戦兵器として生み出された鉄人28号。
1964年、東京オリンピックを迎え今度は正義なる科学の象徴としての役割を担わされる鉄人。
正義と悪の顔を持つ鉄人。
正義とはなんなのか?悪とはなんなのか?鉄人の操縦者金田少年にその問いが突きつけられる。

押井監督の舞台初演出。
どんな迷宮的物語が展開されるのだろう。と思ったら意外と普通。
舞台をほとんど観ない。ましてや歌劇となると多分初めて。なので歌劇の出来としてどんなものなのか全く分かりませんが。
物語も過去の押井作品で馴染みのある戦後昭和史が語られるので、理解できたかどうかはともかく見失う事無く観れました。

舞台ゆえ映像的見せ場があまり有りませんが、それだから物語に集中出来る気がする。
舞台中央にそびえる鉄人の迫力はテレビ画面からは残念ながら伝わってこなかった。
その代わり、押井監督の趣味で作ったと疑われるミニチュア一人乗り装甲車の出来はかなりのものと見受けられました。



主人公金田正太郎は押井監督の分身とも言えるのでは。
東京オリンピックの年(1964年)に10歳ぐらいという事は、年の頃合いはほぼ一緒。押井監督の方が若干年上なようなのでより多感だったかも。

1960年代、高度経済成長期。
誰かの正義によって決められた悪とされるものが排除されていった時代。
果たしてその正義は正しかったのか、悪とされるものは本当に悪だったのか。
そんな疑問を少年は抱かされる。
正義じゃないかもしれない。正義なのかもしれない。その答えを出すのは自分自身しかいない。

約40年の後の現代。答えを出した金田元少年は現代の東京の空に鉄人を飛ばそうとする。
最終決戦兵器、正義なる科学の象徴。現代では鉄人の意味はなんなんだろう?
それも含めて答えを出すのは観客自身。という事だろうか。

現代に出てきた女性、女狐らしき人物は多分金田元少年なのだと思う。
それって押井監督女装願望有り?と一瞬思ったけど、そうでは無くて金田少年に自分のために生きることを教えた女狐。
その教えを受けた金田元少年が今度は女狐に成り代わり、現代の人たちに自分のために生きる事を伝えたかったのでは。
『スカイクロラ』に引き続きメッセージが織り込まれているのは、今は押井監督がそういうモードに入っているからなんだろうと思う。
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