幕末太陽傳(デジタル修復版) [ハ行の映画]
『幕末太陽伝(デジタル修復版)』
(1957・日本・1h50)
監督・脚本 : 川島雄三
出演 : フランキー堺、南田洋子、左幸子、石原裕次郎、芦川いづみ、梅野泰靖、金子信雄、山岡久乃、菅井きん
時は幕末。場所は遊郭。居残り佐平次大活躍。
この映画を初めて知ったのは漫画『栄光なき天才たち』で。それで以前に1回観ていたけど、そんなに印象深く残るものは無く。
で、今回観て面白かった。
なにより出演者の方々の名人芸とも職人芸とも言える芸達者ぶりを見ているだけで楽しい。
女優さん方は可愛いし。特には南田洋子さんの小悪魔っぷりが素晴らしく可愛らしい。左幸子さんとのセットをフルに生かしたキャットファイトも見事だった。
芦川いづみさんも可愛かった。南田さんの小悪魔とは対照的な可愛らしさ。
攘夷派の侍を演じるのは当時の日活のスター。スターさんはスターさんならではの存在感が有った。
名人芸と存在感。両方が有るから両方が輝き映画は面白くなるのだろうと思う。
『栄光なき天才たち』の中で本作の主人公佐平次には川島監督ご自身が投影されている。とかなんとかだったような。
遊郭で起きた様々な出来事には何かしら佐平次が関わっていて。それらを巧みに自分の都合のいい方へと操作する。それは撮影現場を監督がコントロールする映画作りに共通している事なのかと思う。
しかし、最後の生死に関わる事だけは佐平次〈=川島監督〉にもどうする事も出来ない。
そこで映画のトーンが微妙に変わるけど、佐平次=川島監督という事を知っているかいないかで印象はだいぶ変わるのではないかと思った。
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