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終の信託 [タ行の映画]


終の信託 オリジナル・サウンドトラック

『終の信託』
(2012・日本・2h24)
監督・脚本 : 周防正行
出演 : 草刈民代、役所広司、大沢たかお、浅野忠信






持病の喘息の症状が悪化する男。自らの最期の時を担当の女医に委ねる。その最期の時を決断した女医が殺人罪で罪に問われる。



大人の恋愛モノかと思っていたけどそうではなかった。
周防監督の『それでもボクはやってない』と地続きの作品のように思えた。

法律を司る者たちの無意識の暴力性。法律によってすべてが解決され、その法律を司る自分たちには万能の力が与えられている。
そんな間違った思い込みはまるで喜劇であるかの様。しかも笑えない喜劇であると。
あのオペラが流れた瞬間、その痛烈な批判に鳥肌が立った。客席内が少し寒かったのも有るが。

映画の中ではその批判により検事をやり込める。検事のしてやったり顔が寒々しく思えた。
そこに溜飲を下げる思いも有ったのだけど、でもよく考えるとあまり公平性は無いようにも思える。
検事を悪者としているのだから公平性はなくてもいいんだろうけど。
検事は女医と男の間に有った信頼関係を知らず、またその事を知ろうとも思わない。法律の解釈だけで人を裁こうとする。それが悪であると。

ではあの検事が法律だけで物事を解決しようとし、それこそが正義だと信じるに至った根拠は何から来るものなのか。
女医と男の信頼関係については充分過ぎるほどの時間を割いて描き、一方検事については表面的な事しか描かれない。やっぱりそこはちょっと引っ掛かる所ではある。



今回竹中直人さんは出てなかった。



某シネコンにて。シネコンだと邦画を上映の際には予告も邦画が中心になるよう。最近の邦画が妙に真面目臭いのが多くて、そんな映画の予告を何本も見せられると正直滅入る。
実際本編を観ればいい映画なんだろうけど。本作の様に。
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