レ・ミゼラブル [ラ行の映画]
『レ・ミゼラブル』
“LES MISERABLES” (2012・イギリス・2h38)
監督 : トム・フーパー
出演 : ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、イザベル・アレン、エディ・レッドメイン、サマンサ・バークス
フランス革命によって崩壊した王政が復古し市民は苦しい生活を強いられていた。再びの革命の時を信じ行動を起こす若者たち。革命の機運は高まり蜂起の時はやって来たかに思えた。
果たしてフランスが真に自由と平等の国となる日はやって来るのか。
全編ほぼ歌いっ放しのミュージカルという事で不安だったけど意外と心穏やかに観れた。歌が物語の進行の邪魔になっていなかったのが良かったのかも。
サシャ・バロンのシーンは苦手な感じ。物語が進行しないので若干イラッとした。
歌が別録りではなく撮影現場での同録という事も演者の表現が直に伝わってくるように思えて良かったのかも。
その方式を選んだことが選んだ人、監督なのかプロデューサーなのかはたまたスタジオの偉い人なのかは知らないが、その人の功績だろうと思う。
フランスの話しなのでフランス語版でも聴いてみたい。違う感じの雰囲気になるんだろうか。
物語としては終盤慌ただしい感じがした。終盤に至るまではじっくりとした感じだったのに何かバタバタと終わりに向かって行ったような。
この世で苦しみの中で闘って命を落としていった者たちにはあの世で自由で平等な世界が待っていると。そこではジャン・バルジャンの罪も赦される。
でも平等で自由な世界と思わせながらそこにはジャベール警部の姿は無い。
そこにジャベール警部もいてこそ本当の自由で平等の世界と言えるんじゃないだろうか。
エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』ではあっちに行ったらこっちでの善悪の関係のない世界が有るという事だった。
『アンダーグラウンド』の方がより理想的に思える。けど、やっぱりこっちで苦しんだらあっちではその苦しみをもたらした奴らと一緒にいたくはない。というのはよく分かる。
ジャベール警部ってそんなに悪い人だった気がしない。自分の職務に忠実な(忠実過ぎる)警察官。という印象。
実際の所は犯罪者を取り締まるよりも体制への反乱分子の弾圧が仕事だったのか。だから悪い人。神の赦しも与えられない。
ジャベール警部以外にも体制側についていて革命家たちに殺された人たちの魂はどこへ行くのだろう。地獄?地獄で地獄の苦しみを永劫に味わうのだと。
結局あっちでも自由と平等は存在しない。それこそがあゝ無情なのでは。
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