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『1950 鋼の第7中隊』『ザ・コントラクター』『みんなのヴァカンス』 [映画]

『1950 鋼の第7中隊』を観た。2021年、中国、2時間55分。
1950年11月27日に交戦が始まった長津湖(ちょうしんこ)の戦いは朝鮮戦争の中で激戦の一つとされる。

ツイ・ハーク、チェン・カイコー、ダンテ・ラムの3人が共同監督。

あまりその事は伝えられていない様だけど本作は中国建国100年を記念して作られた中国勝利三部作の2作目という事。他の2作品をポスターだけでしか見ていないので詳しくは分からないがそれぞれがこれまで中国が成し遂げてきたものを讃える作品のようで3作品に繋がりは無さそうにも思える。どこかで何かしらの繋がりは有るのかも。3作品ともに描かれる時代を代表するような実在の人物が登場したりだとか。本作の場合は毛沢東。子供の頃なんの漫画だったかは忘れたが「けさわひがし?」と読んで「もうたくとう」と正されるやり取りが有ってそれで「もうたくとう」と覚えた。

朝鮮戦争についてよく知らなかった。日本が無関係という事は無いだろうから知らなかったではいけないんだろうけど。
ベトナム戦争と同様に東西冷戦の代理戦争という意味合いも有るのだろうと思う。なので本作では北朝鮮と韓国が戦っているというより北朝鮮側の中国と韓国側のアメリカ(連合軍)が戦っている。という風に描かれる。東側の大国ソ連の事は描かれてはいないがウィキペディアを見てみればアメリカと直接戦うと第三次世界大戦勃発で、それは核戦争となりかねないので表面的には参戦せずに裏で北朝鮮、中国をサポートしていたという事らしい。
戦闘シーンでは戦車戦も有ったが『T34レジェンド・オブ・ウォー』とよく似た感じになっているのはソ連の戦車T34が供給されていた事を示しているのかもしれない。

本作は中国でメガヒットしたのでツイ・ハークの単独監督で続編『1950 水門橋決戦』が作られ日本では12月に公開される。




『ザ・コントラクター』を観た。2022年、アメリカ、1時間44分。
アメリカ海兵隊特殊部隊の精鋭兵士であるジェームズ。現在は怪我のリハビリに励んでいるがその際に使用した筋肉増強剤が軍規に違反するとして退役を言い渡される。根っからの愛国者で軍に忠誠を誓ったジェームズは静かに受け止めるが愛する家族との生活を維持するのには再就職先が必要でかつての戦友が所属する民間軍事組織への紹介を頼む。

導入から序盤は物語は静かで地味と言われるのも納得だったがそれはそれで良かった。中盤からはその地味さがいい具合にリアルへと転換されてスリリングなサスペンスになってそれも良かった。
ただ終盤になると何か物語を小さくまとめてしまった様にも思えて、兵士の悲哀とその現実に立ち向かっていく姿を描くという点では物語をやたらと大きくしないのは当然なのかもしれないが中盤でサスペンスとしていい感じにグっと盛り上がっただけに物足りなく思えてしまう。

クリス・パインとベン・フォスターの共演作ではネットフリックス配信作品の『最後の追跡』(2016年)が良かった。ベン・フォスターが善悪どっちも出来るのでこれからまた共演するにしてもクリス・パインがメチャクチャ悪くてベン・フォスターが小市民だったりとか色んなパターンが出来るだろうと思う。



『みんなのヴァカンス』を観た。2020年、フランス、1時間40分。
パリで知り合った女の子アルマに夢中なフェリックス。家族でヴァカンスに出掛けたアルマを追いかけるため親友のシェリフを誘い、相乗りアプリで知り合ったエドゥアールの車で南フランスへと向かう。

ギヨーム・ブラック監督作品は長編も短編も結構観ているので観ようかなあと思いつつ先伸ばしにしていたら公開から2か月が経っていた。今時2か月もロングラン上映している映画というのも珍しい気がする。『トップガン マーヴェリック』が現時点で5か月上映が続いているが。
結構観ているとは言え頻繁に観ているわけでは無いので久し振りに観て、観ているうちにギヨーム・ブラック監督の作品はこんな感じだったなあと思い出していた。
何気ない日常描写が上手くて、日常描写の積み重ねで進行していく分物語に大きな動きというものはあまり無いが、大きく動かない分穏やかにリラックスして観ていられるのが心地良かったりもする。
特に特徴的なのは本作でもそうであった様に物語を閉じない所なのではないかと思う。それは映画として上映時間の関係から終わらなければならないけどだからと言ってそれで映画の中の登場人物達の物語が終わってしまうわけではないという事なのかと思う。
もう一つ特徴的なのは登場人物の誰かがちょっと変わったプリントのTシャツを着ている。本作では日本のアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』とフォレスト・ウィテカー主演の『ゴースト・ドッグ』。

2017年製作(日本公開は2019年)の『7月の物語』と同じくフランス演劇高等学校の学生達と作り上げた作品。出演者も学生という事だけどみんな堂々とした立派な役者だった。


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