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『シャーク・ド・フランス』『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』 [映画]

『シャーク・ド・フランス』を観た。2022年、フランス、1時間27分。
フランス南西部のリゾート地ラ・ポワント。バカンスのシーズンは終わろうとしているがビーチは海水浴客で賑わう。アトラクション施設からの異臭の苦情に出向いた海上警察のマジャは遺体を発見。専門家の意見から巨大ザメによるものと確信しビーチの封鎖を提言する。

予告などを見るとフランス発のゆるふわコメディなのかと思っていた。ゆるふわにカモフラージュされた熱いドラマだったと思うしそこが良かった。
マジャは海上警察官である事に誇りを持ち、そしてその職務を全うする事に精力を注いでいる。しかしながら平和な土地柄であるためにその事をアピール出来る場は無いまま(アピールする事がマジャの目的ではないけど)に早期退職を迎えようとしている。
そんなマジャの事を上司や同僚はただの堅物として扱い理解しようともしなかった。
そしてサメが現れマジャだけがラ・ポワントの人々の平和を守るために立ち向かおうとし、そこでようやっと同僚達の理解を得てサメの捕獲へと海に出る。
そこからも色々と有るが、やはりこれはそれまでただの堅物のおばちゃんと思われその様に扱われていたマジャが己のプライドと意地を賭けて巨大ザメに立ち向かう熱いドラマ。
それをなんでゆるふわコメディとして宣伝しているんだろうと納得出来なかったけど、クライマックスで

ネタばれ有り。

肝心な所でマジャは気を失っていて、そして夫も別の場所で気を失っているというそんなのゆるふわでしか有り得ない事なので納得出来た。
ちょっと仲違いしていたのにとても重要な場面で別の場所で二人とも気を失っている(夫は詳しい事は言わなかったらしいけど恐らくマジャの手助けに向かおうとしていた)というのはお似合いの夫婦としか思えない。そんな所も良かった。



『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』を観た。2022年、カナダ=ギリシャ、1時間48分。
近未来。人間の体内に新たな臓器が生まれ始める。新たな臓器はどの様な役割を果たしどの様な影響を与えるのか。また新たな臓器を有した人間は人間と呼べるのか。政府はこれまでの人間社会の崩壊を懸念し新たな臓器を生み出そうとする人間を監視し管理しようとする。

このあらすじが合っているのか自信はない。それくらいによく分からない映画だった。これだけ分からない映画を作るのがさすがデヴィッド・クローネンバーグ監督と納得出来てしまうのがさすが。これまでにもよく分からない映画が幾つか有ったし。これまでのヴィゴ・モーテンセンが主演の映画は分かりやすかった反動が思いっきり出たのかもしれない。

女性キャラクターは何か常に性的な魅力を振り撒いている。クリステン・スチュワートもそんな感じな所も有るけどどこか可愛らしさも感じられた。『危険なメソッド』ではキーラ・ナイトレイの顎を突き出させる事に何の躊躇も無いように思われたデヴィッド・クローネンバーグ監督が本作のクリステン・スチュワートに関してはエロスの中にも可愛らしく撮ろうとしている様に思えた。
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