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『カサンドラ・クロス』『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』『スーパーバッド』 [映画]

『カサンドラ・クロス』(1976年、イタリア=イギリス、2時間8分)を観た。
スイス、ジュネーヴの国際保健機関本部ビルに過激派のテロリストが侵入し爆破を目論むが警備員の決死の抵抗によって敢え無く失敗。銃撃戦となり逃げ込んだ一室で流れ弾によって破壊された容器の液体を全身に浴び1人だけは窓を突き破りビルから飛び降り逃走。現場にやってきたアメリカ軍の軍人はその液体の秘密を守るため極秘に処理しようと動く。スウェーデン人であるテロリストがジュネーヴ発パリ経由のストックホルム行きの大陸縦断列車に忍び込んでいる事を調べ上げ行き先を変更させポーランドのヤノフへと向かわせるがその手前にある「カサンドラ・クロス」と呼ばれる橋梁は老朽化が激しく乗客乗員約1000人を乗せた列車の通行の際に崩落する危険が有った。

午前十時の映画祭13にて。
シーズン14の開催も決定。上映作品はまだ発表されていないが池袋での上映劇場はTOHOシネマズ池袋からグランドシネマサンシャインに変わるらしい。

大分昔にレンタルビデオで一度観ている。観た事だけを覚えていて内容はほとんど忘れていた。
全編に渡ってパニックアクションサスペンスとしての緊張感やリアリティが持続しているかと言えばそれは無いかなと思うが、終盤の無情でシビアとも言える展開がただの絵空事では無い現実味を帯びさせているのが本作の良さではないかと思った。

リチャード・ハリスの髪型があれはカッコいいのか分からなかったけど、多分あの髪型は古の王国の騎士(王様かもしれない)を意識しているのではないかと薄っすらと思った。この映画の役割も列車の乗客乗員を守ろうとする勇敢な人物であったし。
イタリアの大女優ソフィア・ローレンが登場シーンからしばらくはケバいなと感じていたが物語が進んで性格に優しさが出てくると容姿や表情にもその優しさが現れてくるのがさすがだった。
マーティン・シーンの若い頃の出演作品を観ていないので意外な役に思えた。やっぱり間違いなくチャーリー・シーンのお父さんだなとも思えた。これからチャーリー・シーンが年取ってくるとやっぱりマーティン・シーンの子供だなと思えてくるのだろう。



『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2023年、オーストラリア、1時間35分)を観た。
夜な夜な若者たちのパーティーで行われている降霊儀式。

国内国外を問わずパーティーピーポーの方たちへの共感も理解も無いので本作で起きた惨事にも自業自得としか思えない。そもそもホラー映画で若者が犠牲になるのは自業自得が大半であって、そしてホラー映画なのだからその自業自得も含めて楽しまなければならないのだろうとは思うけど。
怪談話としてのオチは面白かった。エピローグであれはどこに行ったのか分からなかったがエンドクレジットを眺めていたらどうやらあれはギリシャ人(GREECE)の所に行ったみたい。ギリシャに渡ったのか、オーストラリアのギリシャ人コミュニティの所に行ったのかは分からない。ギリシャである事に何か意味が有るのだろうか。



『スーパーバッド』(2007年、アメリカ、1時間53分)を観た。
卒業間近の高校生たち。パーティーに必要不可欠なアルコールを調達してモテようとする男子。

シネマート新宿にて。これまでは劇場未公開、DVDタイトル『スーパーバッド 童貞ウォーズ』が『童貞ウォーズ』を捨て、5日間のみ1日1回での限定上映。

こちらもパーティーピーポーへの共感も理解も湧かないのでコメディだけどほとんど笑えず。主役のジョナ・ヒルが苦手なのも一因に有るのは間違いないと思う。ある日突然苦手意識が無くなる事も有るが今はまだその時ではなかった。
本作の主役たちはパーティーから除外されている人物だけどそれでもなんだかんだ言ってパーティーピーポーであると見なす己の闇の深さを思い知らされる。
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『首』『ウィッシュ』 [映画]

『首』(2023年、日本、2時間11分)を観た。
天下統一を目前とした織田信長は跡目をちらつかせ家臣を非道に扱っていた。明智光秀は羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)によって信長の真意を知らされ信長を討つ覚悟を決める。

戦国時代末期の色々な事が隠す事無く描かれている。戦国時代末期に限らずどの時代にも隠したい事は色々と有るのだろうけど。
歴史にはその結果が残されていて、何故その結果に至ったのか、特に重要である人間関係においては書簡とか伝聞とかの文書で伝えられている所は有るにしてもそれが真実かというとやはり隠したい所は隠されていたり、誰かの思惑や悪意によって改竄されていたりしている可能性も有るわけで、そこの所を色々と想像を膨らませられるのがある意味での歴史の面白さになるのかもしれない。

北野監督の『座頭市』以来の時代劇。合戦シーンは初めてか。合戦シーンを撮ろうと思う時点で既に凄いなと思う。『風雲たけし城』での経験とかも活かされたりしたのだろうか。
真っ昼間の町中で忍者が黒装束なのは逆に目立ってしまうんじゃないかと思うが。

劇団ひとりさんは半裸(ほぼ全裸のふんどし一丁だったか?)で出演。たけし軍団からは柳ユーレイさんが出ていた。北野作品の常連芦川誠さんは本作にも出ていて全作品に出ているんじゃないかと思っていたが何作品かには出ていないみたい。岸部一徳さんは『その男、凶暴につき』以来かと思ったが『アウトレイジ』にも出ていた。と、色々と勘違いや忘れている事が有る。人間の記憶なんてそんなもので、社会的に大事な事なんかも勘違いや思い違いが歴史に残ってしまうのかもしれない。
アマレス兄弟(コンビ名なだけで実際には血の繋がりは無いらしい)は異例の大抜擢で北野監督のその真意は謎との事。後にアマレス兄弟は何故キャスティングされたのか?その謎が推察される物語が誰かによって作られるのかもしれない。




『ウィッシュ』(2023年、アメリカ、1時間35分)を観た。
魔法使いの王によって王国の民全ての願いが叶うと云われる魔法の国。18歳になった時その願いを一時的に国王に預けなければならず願いが叶う時を待たなければならなかった。

ディズニー創立100周年記念作品という事。同時上映の短編『ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』(9分)でも100年の間の人気キャラクター(『ダイナソー』の恐竜も出てた。人気が有るのかは分からないが)が多数出演していて100周年記念を盛り上げていた。
本作の方がメインという事になるのだろう。内容はディズニーの100年間にこだわっていて、それは常に希望や夢それらの願い(WISH)が叶えられる事が描かれる作品を作り続けてきた歴史であると。
その事を豪華絢爛に賑々しく祝祭するのではなく、粛々と地味にお祝いする感じだった。
その印象になったのは画面の色合いが抑えた(くすんだ?)色調だったのが大きいと思う。少し奮発してドルビーシネマで観たので上映システムによるものではないはず。
背景がいわゆるCGアニメの背景ではなく手描きアニメ風の背景である事も一因になっているのかもしれないが手描きアニメ風の背景はとても良かった。ただ、背景の色合いも地味だった。
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