3本 『ジャンパー』『コントロール』『黒い土の少女』 [2008年3月に観た映画]
2008年3月に観た映画。
『ジャンパー』
『コントロール』
『黒い土の少女』
ネタバレ等もございます。
______________________________________________________________________________________
『ジャンパー』 渋東シネタワー2
“JUMPER” (2007・アメリカ) 1h28
監 : ダグ・リーマン
出 : ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン、マイケル・ルーカー
何やら3部作になるらしい。その第1部。
この映画で何が驚いたって、その上映時間。大作感溢れる予告を観た限りでは上映時間も大作級になるんだろうと思っていたけど、まさか90分を切るとは。
映画館側からの強い要請が有ったのか?と邪推と妄想が入り乱れました。
近頃の大作映画は上映時間も大作になる傾向が有るので(2時間半とか3時間近くとか)、映画館側としては短い映画でもっと上映回数を増やして効率を上げたい。
「どーにかならんもんかね。」と映画会社に持ちかけた所、白羽の矢が立ったのがD・リーマン監督。で、撮ったのがこの映画。なのかも。
賛否両論あるようですが、この映画自体が真っ二つに分かれる内容だと思う。
前半はチョットつらいけど、後半は面白い。
どちらを取るかで評価が分かれるのかもしれない。
自分的には後半の面白さを取ります。
特にJ・ベルが活躍しだしてからが面白い。
キャラクター的にH・クリステンセンは、『ゴレンジャー』でのアカレンジャー、『ガッチャマン』での大鷲のケン。
J・ベルはアオレンジャーで、コンドルのジョー。(例えが古くてスイマセン。)
陽のヒーローに対するクールなアウトサイダー。この関係性はどんな物語においても黄金の関係性ではないでしょうか。
それプラス漫才で言うボケとツッコミの関係性も二人の間には見られます。
映画においてはクールなアウトサイダーを演じるのはクールな2枚目。というのがステレオタイプかもしれませんが、
J・ベルはルックス的にはややもするともっさいタイプ。それが2枚目で“ジャンパー界”においてド素人、少し天然ボケのH・クリステンセンにバシバシツッコミを入れるのが妙に心地よくて面白かった。
この映画の中では二人の間にまだ信頼関係は有りませんが、
何やら続きがあるらしいのでこの先信頼関係を結ぶのか?それともビミョーに対立したままなのか?
そしてS・L・ジャクソンはあの場所からどうやって脱出するのか?続きが気になる映画です。
映画館前に行くと長蛇の列。そんなに大ヒットしているのかと列に近づくとほぼ親子連れ。
『ドラえもん』のお客さんだった。今でもドラえもんはチビッ子たちの人気者なんだなぁ。と嬉しくなりました。
この後『魔法にかけられて』のお客さんも加わる事になるので、映画館前はとんでもない事になっていたと思われます。
4作品の渋東でこれですから、今の時期はシネコンには近づかない方が無難かも。
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『コントロール』 シネマライズ2F
“CONTROL” (2007・イギリス=アメリカ=オーストラリア=日本) 1h59
製・監 : アントン・コービン
出 : サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ラーラ
“ニュー・オーダー”の前身“ジョイ・ディヴィジョン”のフロントマンであったイアン・カーティスの生涯。
等と書いていますが、“ニュー・オーダー”の事も“ジョイ・ディヴィジョン”の事もイアン・カーティスの事も、強いては1970年代後半からの英国ロック史も全く知りません。
予備知識ゼロで無謀な挑戦をしましたが思いの外しっかりと話についていけました。
“ジョイ・ディヴィジョン”、イアン・カーティス云々というより、一人のミュージシャンの短い生涯を描いた物語としても観れる映画ですので、超初心者の自分には入門篇として最適でした。
この映画の中ではI・カーティスの周りで起こったことが赤裸々に描かれます。
I・カーティス以外の人達は御存命の方が多いだろうによくそこまで描けたなぁ。と、感心というより少し心配になるぐらいでしたが、何のことは無いこの映画の原作がI・カーティスの奥さんのデボラ・カーティスが書いた著書によるものだった。
I・カーティスを演じたS・ライリーが見事。ライブシーンでの歌声、パフォーマンス。
I・カーティスの事を全く知らない自分が見るとそっくりだとか、全然似ていないという評価は出来ませんが、ミュージシャンを演じた俳優として素晴しかった。
映画の中で演奏されるジョイ・ディヴィジョンの楽曲は演じている俳優さんたちが実際に演奏されているようです。(エンドロールでほとんどの楽曲の演奏者の所が俳優さんたちの名前でしたので。)
ド素人感覚からするとそのままデビューできるんじゃないかと思えるほどお見事でした。
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『黒い土の少女』 シアター・イメージ・フォーラム シアター1
“WITH A GIRL OF BLACK SOIL” (2007・韓国) 1h29
監・原・脚 : チョン・スイル
出 : ユ・ヨンミ、チョ・ヨンジン、パク・ヒョヌ
少女とその家族に容赦なく襲い掛かる不幸。そして少女が自ら選んだ悲しい結末。
悲しい物語です。しかし泣けません。アート映画ですのでお涙頂戴に持っていきません。その分、よりシビアに話しは進みます。それをただ観ているしかないのが辛い。辛過ぎて泣けません。
ある炭鉱の町にお母さんのいない、そしてお兄ちゃんは障害を抱えている一家がおりました。
お父さんは子供たちが大好きで、少女もお父さんとお兄ちゃんのことが大好き。
そんな家族がごくごく慎ましやかに暮らしていますが、不幸は静かに忍び寄り、そして一家の上に大きく降りかかる事になります。
最終的にその不幸を幼い少女が一身に背負わなければならなくなります。しかし幼い少女には悲しいかな背負いきれません。
そして少女が下した決断。それを誰も責める事はできません。
悪いのは全部大人、そして社会。少女は何も悪くありません。
そこでこの映画のコピーです。“わたし、みんなを守ると決めたのに”
このコピーに泣きました。この映画を観てしばらくして辛さが和らいだ頃にそのコピーを見て、ラストシーンの少女の姿を思い出すと、イカンです。泣けてきます。
少女はコピーから想像できるように強い少女なのです。辛い時も涙を見せません。
その強さが悲しい結末を選んでしまったのかも。
もっと子供らしく泣く時には泣いて、大人を頼ってくれていたら別の選択も出来たのかもしれない。
でもやっぱり大人達を頼れない状況を作り出している大人と社会が悪い。
『ジャンパー』
『コントロール』
『黒い土の少女』
ネタバレ等もございます。
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『ジャンパー』 渋東シネタワー2
“JUMPER” (2007・アメリカ) 1h28
監 : ダグ・リーマン
出 : ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン、マイケル・ルーカー
何やら3部作になるらしい。その第1部。
この映画で何が驚いたって、その上映時間。大作感溢れる予告を観た限りでは上映時間も大作級になるんだろうと思っていたけど、まさか90分を切るとは。
映画館側からの強い要請が有ったのか?と邪推と妄想が入り乱れました。
近頃の大作映画は上映時間も大作になる傾向が有るので(2時間半とか3時間近くとか)、映画館側としては短い映画でもっと上映回数を増やして効率を上げたい。
「どーにかならんもんかね。」と映画会社に持ちかけた所、白羽の矢が立ったのがD・リーマン監督。で、撮ったのがこの映画。なのかも。
賛否両論あるようですが、この映画自体が真っ二つに分かれる内容だと思う。
前半はチョットつらいけど、後半は面白い。
どちらを取るかで評価が分かれるのかもしれない。
自分的には後半の面白さを取ります。
特にJ・ベルが活躍しだしてからが面白い。
キャラクター的にH・クリステンセンは、『ゴレンジャー』でのアカレンジャー、『ガッチャマン』での大鷲のケン。
J・ベルはアオレンジャーで、コンドルのジョー。(例えが古くてスイマセン。)
陽のヒーローに対するクールなアウトサイダー。この関係性はどんな物語においても黄金の関係性ではないでしょうか。
それプラス漫才で言うボケとツッコミの関係性も二人の間には見られます。
映画においてはクールなアウトサイダーを演じるのはクールな2枚目。というのがステレオタイプかもしれませんが、
J・ベルはルックス的にはややもするともっさいタイプ。それが2枚目で“ジャンパー界”においてド素人、少し天然ボケのH・クリステンセンにバシバシツッコミを入れるのが妙に心地よくて面白かった。
この映画の中では二人の間にまだ信頼関係は有りませんが、
何やら続きがあるらしいのでこの先信頼関係を結ぶのか?それともビミョーに対立したままなのか?
そしてS・L・ジャクソンはあの場所からどうやって脱出するのか?続きが気になる映画です。
映画館前に行くと長蛇の列。そんなに大ヒットしているのかと列に近づくとほぼ親子連れ。
『ドラえもん』のお客さんだった。今でもドラえもんはチビッ子たちの人気者なんだなぁ。と嬉しくなりました。
この後『魔法にかけられて』のお客さんも加わる事になるので、映画館前はとんでもない事になっていたと思われます。
4作品の渋東でこれですから、今の時期はシネコンには近づかない方が無難かも。
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『コントロール』 シネマライズ2F
“CONTROL” (2007・イギリス=アメリカ=オーストラリア=日本) 1h59
製・監 : アントン・コービン
出 : サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ラーラ
“ニュー・オーダー”の前身“ジョイ・ディヴィジョン”のフロントマンであったイアン・カーティスの生涯。
等と書いていますが、“ニュー・オーダー”の事も“ジョイ・ディヴィジョン”の事もイアン・カーティスの事も、強いては1970年代後半からの英国ロック史も全く知りません。
予備知識ゼロで無謀な挑戦をしましたが思いの外しっかりと話についていけました。
“ジョイ・ディヴィジョン”、イアン・カーティス云々というより、一人のミュージシャンの短い生涯を描いた物語としても観れる映画ですので、超初心者の自分には入門篇として最適でした。
この映画の中ではI・カーティスの周りで起こったことが赤裸々に描かれます。
I・カーティス以外の人達は御存命の方が多いだろうによくそこまで描けたなぁ。と、感心というより少し心配になるぐらいでしたが、何のことは無いこの映画の原作がI・カーティスの奥さんのデボラ・カーティスが書いた著書によるものだった。
I・カーティスを演じたS・ライリーが見事。ライブシーンでの歌声、パフォーマンス。
I・カーティスの事を全く知らない自分が見るとそっくりだとか、全然似ていないという評価は出来ませんが、ミュージシャンを演じた俳優として素晴しかった。
映画の中で演奏されるジョイ・ディヴィジョンの楽曲は演じている俳優さんたちが実際に演奏されているようです。(エンドロールでほとんどの楽曲の演奏者の所が俳優さんたちの名前でしたので。)
ド素人感覚からするとそのままデビューできるんじゃないかと思えるほどお見事でした。
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『黒い土の少女』 シアター・イメージ・フォーラム シアター1
“WITH A GIRL OF BLACK SOIL” (2007・韓国) 1h29
監・原・脚 : チョン・スイル
出 : ユ・ヨンミ、チョ・ヨンジン、パク・ヒョヌ
少女とその家族に容赦なく襲い掛かる不幸。そして少女が自ら選んだ悲しい結末。
悲しい物語です。しかし泣けません。アート映画ですのでお涙頂戴に持っていきません。その分、よりシビアに話しは進みます。それをただ観ているしかないのが辛い。辛過ぎて泣けません。
ある炭鉱の町にお母さんのいない、そしてお兄ちゃんは障害を抱えている一家がおりました。
お父さんは子供たちが大好きで、少女もお父さんとお兄ちゃんのことが大好き。
そんな家族がごくごく慎ましやかに暮らしていますが、不幸は静かに忍び寄り、そして一家の上に大きく降りかかる事になります。
最終的にその不幸を幼い少女が一身に背負わなければならなくなります。しかし幼い少女には悲しいかな背負いきれません。
そして少女が下した決断。それを誰も責める事はできません。
悪いのは全部大人、そして社会。少女は何も悪くありません。
そこでこの映画のコピーです。“わたし、みんなを守ると決めたのに”
このコピーに泣きました。この映画を観てしばらくして辛さが和らいだ頃にそのコピーを見て、ラストシーンの少女の姿を思い出すと、イカンです。泣けてきます。
少女はコピーから想像できるように強い少女なのです。辛い時も涙を見せません。
その強さが悲しい結末を選んでしまったのかも。
もっと子供らしく泣く時には泣いて、大人を頼ってくれていたら別の選択も出来たのかもしれない。
でもやっぱり大人達を頼れない状況を作り出している大人と社会が悪い。
2008-03-20 18:47
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