ダウト ~あるカトリック学校で~ [2009年3月に観た映画]
『ダウト ~あるカトリック学校で~』
“DOUBT” (2008・アメリカ) 1h45
監督・原作・脚本 : ジョン・パトリック・シャンリー
出演 : メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィス
ネタバレあり。
メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンのオスカー俳優ガチンコ対決が徐々に盛り上がり、最終決戦への期待が高まるも、結末は意外なほどあっさりと曖昧な感じ。
思うに対決がメインではなくて、聖職者であっても疑い(本作の場合憎しみ交じり)を持ってしまう人間の性(さが)と弱さを描きたかったのかと思います。
神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)に対して憎しみに近い疑いを抱いてしまったあるカトリック学校の校長(メリル・ストリープ)。
観ている間は神父が善。校長を悪。と見ていたのですが、どうもそう単純な構図ではないような。
ラストシーンでは校長も疑いを持ってしまった事に対して罪悪感が有るような。
はっきりと白黒を付けない所が人間の性(さが)とか心の弱さとかを表しているようにも思える。
宗教(教会)が日々の暮らしに密着していて、聖職者は崇高な人物である。という認識、それは1964年(ケネディ暗殺の翌年)という時代も合わさっての事かと思います。
その認識が有るか無いかで本作の見方も違ってくる気がします。
オスカー俳優2人はさすがでした。
自分の信念だけを信じ、その信念に背く者は徹底的に弾圧し排除。が最後にその愚かさに気付いてしまうメリル・ストリープの強さの中の弱さ。
そしてフィリップ・シーモア・ホフマンはカッコよかった。体型はいつものまま(更にお腹周りが丸くなっているような気も)ですが、確固とした意思を持った人物をカッコよく演じています。
『セント・オブ・ウーマン』の時の本当にいけ好かない奴を思い出し、立派にならはりはってぇ。と虚実ごっちゃ混ぜの舞妓はん交じりで感慨深くなりました。
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こんばんは。
P・S・ホフマンは昔は嫌味な役がはまっていましたが、いつのまにか、名優と呼ばれるようになっていました。
「レッド・ドラゴン」でとんでもない目にあっていたのは、ほんの5,6年前なんですよね。
by hash (2009-03-25 00:42)
hashさん、niceとコメントありがとうございます。
やっぱり『カポーティ』が大きかったのでしょうか。
『レッド・ドラゴン』での正に絵に描いた転落人生。とてつもなく悲惨なシーンだったのに、思い出すと何故か笑えてくるのは何故でしょう。
by ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド (2009-03-25 20:47)