フィッシュストーリー [2009年4月に観た映画]
『フィッシュストーリー』
(2009・日本) 1h52
監督 : 中村義洋
出演 : 伊藤淳史、高良健吾、多部未華子、濱田岳、森山未來、大森南朋、渋川清彦、大川内利充、石丸謙二郎
良かったです。ネタバレしてます。
井坂幸太郎さんの小説は『ラッシュライフ』を読んだ事があるような。
井坂作品原作の映画の方が観ています。
観た限り読んだ限りであれですが、その数も少なくてあれですが、記憶も曖昧なのであれですが、井坂作品は複数のエピソードが展開されてそれらが最後で結実する。というのが特徴の様な気がします。
本作もその特徴どおりの作品。
でも他の作品よりも結実した時の爽快感がありました。
先ず3つ(4つ?)のエピソードが語られますが、それらは謎を含んでいるためどこか消化不良のままで一旦終了。
そして全てのエピソード、この物語の出発点が語られるわけですが、このエピソードがビシッとはまった瞬間、それまで消化不良でバラバラだった各エピソードがひとつの物語として流れだし、それらが収束し結実する。
結実した先にはちょっとしたサプライズも有りでこの爽快感には感動すらしました。
1曲の歌、色んな想いが込められた歌が、ちょっとした誤解もありながらその後の人の人生に作用し、やがては地球を救う事となる。
素敵なお話しでした。
歌が直接関連するのは一つのエピソードだけ。他のエピソードにも深く関連していたらもっと面白かったのかもしれませんが、十分面白かったのでそれは贅沢すぎ。
こんな物語、そしてそれをより面白くする話しの構成。よく思いつくよなぁ。と感心するしか他にありません。
原作は短編の様です。読んでいませんが。
原作を忠実に描きつつ映画としての肉付けもされ、それが上手くいった好例の様に思いました。
原作読んでいないのであくまで勝手な思い込みですが。
チビノリダーのイメージがいまだに残り、テレビで拝見するキャラクターから伊藤淳史さんがバンドリーダーというのは意外でした。しかもパンクバンド。
でも普通にしっかり者のバンドリーダーで良かった。
他のバンドメンバーも良かった。
欲を言えばバンドがどうなって2012年には何をしているのかを見たかった。
2012年には全員60歳ぐらい。まだパンクやってたりして。
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