コリン LOVE OF THE DEAD [カ行の映画]
『コリン LOVE OF THE DEAD』
“COLIN” (2008・イギリス) 1h37
製作・監督・脚本・撮影・編集 : マーク・プライス
出演 : アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス
ロンドンにゾンビが溢れる。その中の一体のゾンビは人間の時コリンと呼ばれていた。
ネタバレあり。
超低予算、日本円にして約6000円で作られたとして話題(になっているのだろうか?)の映画。
超低予算だけが売りなのでは?と疑いながら観ました。
良かった。
超低予算であるが故に、画面が暗い、狭い、カメラ揺れすぎ。などの諸問題は有って、その事が状況的に何してんのか分かんない。という致命的な欠点になっている所も有った。
でも、ゾンビ映画でこんなに切なくなるとは思わなかった。
ゾンビ側から描いたゾンビ映画。それは取り立てて珍しくはないのかもしれない。でもそんなに多くはないと思う。
大概は人間側から描かれるゾンビ映画を逆の視点から描くと、ただひたすら本能のままに生きている(死んでるけど)だけに思えたゾンビが、本来はコリンと呼ばれた一人の青年で、そのコリンがゾンビとして生きていかなくてはならない(死んでるけど)運命を背負ってしまった。そんな風に思えてきて。
ゾンビになってしまった元コリンがどんどん愛おしくなってくる。愛おしいと言ってもゾンビらしい非道な事は十二分にするのだけど。
だってゾンビだから。
音楽が良かった。ピアノだけのシンプルな曲が切なかった。
そんな切なさをこっちが勝手に感じている時に元コリンが何してるかって言うと、ゾンビの本能のまま彷徨い歩いてるだけ。
ゾンビが歩いている様が切ない。なんなんだろうかこれは。画期的とも言えそうな。
元コリンの実のお姉さんがゾンビ化する際のシーンが良かった。
どこか日本の怪談風な様式美が感じられた。
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