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少年と自転車 [サ行の映画]

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『少年と自転車』
“LE GAMIN AU VELO” (2011・ベルギー=フランス=イタリア・1h27)
製作・監督・脚本 : ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
出演 : トマス・ドレ、セシル・ドゥ・フランス、ジェレミー・レニエ、エゴン・ディ・マテオ



児童養護施設に1か月の約束で入れられた少年だったが、その間に父親はいなくなってしまった。
偶然知り合った女性に週末だけの里親になってもらった少年は、その界隈では札付きと言われている不良グループのリーダーと仲良くなる。



ダルデンヌ兄弟らしい観た後に宿題を課せられる映画。
別に宿題やんなくてもいいんだけど、色々考えて自分なりの答えを出さないとモヤモヤしたままだし。
そのモヤモヤするから考える。という方向への持って行き方がダルデンヌ兄弟の巧みさなのかも。



少年の想いは真っ直ぐで全力。その想いをぶつけられる側(大人)にはそれ相応の覚悟が必要だが、父親はそれを放棄してしまう。
代わりに受け止めるのは見ず知らずの女性。父親から拒否された事によりその想いには凶暴さが加わっている。
凶暴含みの純粋な想いを体を張って受け止める女性。その優しさ、慈悲深さは聖母だとか菩薩だかの様だった。
ダルデンヌ作品では男は全くのダメ人間で、女性が強くそして責任感のある存在として描かれることが多いと思うが、最終的に世の中のすべてを正すのは母性頼みという事か。

少年の全力の想いは、全力であるが故に想いを受け入れられなければダメージは大きい。また想いをぶつけて跳ね返ってきた時のダメージも大きい。
そうして傷ついて少年は成長する。
しかしダルデンヌ理論では概ね男はダメ人間なわけで、本作の少年も成長したらダメ人間になってしまうのだろうか。
少年にはあの慈悲深き女性がそばにいてくれるのだからダメ人間にはならないのかも。
やっぱり母性頼みなのか。



ル・シネマにて。改装したとか何とかという事だったけどどこが変わったのか分からなかった。スロープ相変わらず緩いし席間狭いし。
デジタルに対応済みって事なのだろうか。

隣にあるジュンク堂のコミックコーナーが大幅削減されていた。それはもうかなりな大幅削減でありました。
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