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『カモン カモン』『エデンの東 〈4Kマスター版〉』『死刑にいたる病』 [映画]

『カモン カモン』を観た。2021年、アメリカ、1時間48分。
妹ヴィヴの息子ジェシーの面倒をしばらくの間みる事になったラジオジャーナリストのジョニー。独身で自身に子供はいないが取材のインタビューで全国の子供達と接しているためジェシーともすぐに打ち解けるが小学生男子ならではの無邪気さと奔放さに戸惑いを覚える。

子育て論の映画なのだろうと思う。子を育てている親もまた子に育てられているので親育てられ、大人育てられでもある。
子育て論は人それぞれ有るので本作の子供への接し方が全ての親御さんに通じるかというとそれは無いと思うけど、子供の存在を尊重して全肯定するのはそれはやはり素晴らしくて理想的に思える。子供に育てられてそうなれればいいのだろう。

安易にそういう言い方はしない方がいいのかもしれないがそれにしてもジェシーを演じたウディ・ノーマンは天才子役だった。
そのシーンがどういう状況で、自分が演じている役、相手が演じている役がどういう心境なのかそれを確実に把握した上でまるで自然に見える演技をしている様に思えた。それは監督の指示と説明が的確で相手役の協力も有っての事だろうと思うがそれが有ったとしてもあれほどの演技が出来るとも限らない。
主な相手役が子役出身のホアキン・フェニックスとギャビー・ホフマンだったのも良かったのかもしれない。

ホアキン・フェニックスは演じる役柄もそうだし本人的にもややエキセントリックでそして気難しそうなイメージが有るのではないかと思う。本作では子供達に対してとても温和で優しい。ホアキン・フェニックス本人も子供好きという事を何かのインタビューで読んだ記憶が有るので本作の姿はいつもの素のままなのかもしれない。

現在一押しのユーチューバーはひまちゃん。




『エデンの東 〈4Kマスター版〉』を観た。1954年、アメリカ、1時間58分。
第一次世界大戦下、ヨーロッパでは戦禍が広がりアメリカの参戦も間近かと思われている。
秀才の双子の兄アーロンに較べて自分は父親から愛されていないと劣等感を抱くキャル。敬虔なキリスト教徒で周囲から誰よりも善人だと認められている父親はキャルにも善人である事を求める。その父親が事業に失敗。その穴埋めをして父親に認めてもらおうとするキャルは戦争で価格が高騰するであろう大豆の栽培を始める。

午前十時の映画祭12 デジタルで甦る永遠の名作にて。

ジェームズ・ディーンの出演作は初めて観る。今まで観てこなかったが小森のおばちゃまの影響は絶大でどうしても「ジェームズ・ディーンちゃん」と、ちゃん付けしたくなってしまう。
小森のおばちゃまからの影響はおばちゃまの物真似を得意レパートリーとしている片岡鶴太郎さん経緯な所も少なからず有る。

ジェームズ・ディーン本人をこう長々と見るのも初めてで、ちょっとだけなんとなくハンバーグ師匠にも似ているように思えてしまった。
ハンバーグ師匠のユーチューブチャンネルはバイク動画が人気になっていた。
RGさんのあるある言いたいショートバージョンはレアなのか。


本作が作られた1950年代では善と悪がはっきりと分けられるものだと考えられていたのだろうか。1950年代でも実際は曖昧で善と悪がはっきり分かれてはいなかったのだろうけど人々の認識として。本作では善が必ずしも正しいとは限らず悪とされるものが間違っているとは限らないという事が描かれ、そして善人と思われている人にも独善的な所は有り、不良と見なされている人にも純粋な所が有る事が描かれる。
その画一的でない多面性を当時見事に体現したのが新星ジェームズ・ディーンだったのか。

本作の日本公開は1955年10月。藤子先生は1956年(昭和32年)の2月に池袋の人生坐で御二人揃って鑑賞されている。
『トキワ荘青春日記』より。
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『死刑にいたる病』を観た。2022年、日本、2時間9分。
栃木県で殺人を繰り返し逮捕された男。立件された犯行のほとんどを認めたがただ一件だけは自分のポリシーに反する行いだと認めずにいた。男は昔の顔馴染みで現在は大学生の青年を面会に呼び寄せその事件について調査してほしいと頼む。

最近の日本映画で主役級の青年は何故大体がうじうじしているのだろう?そこら辺も最近の日本映画を観たくない理由でもある。
あと、うじうじしていない人は怒鳴ってる。日本映画の予告を見ると大抵誰かが怒鳴ってる。それも観たくなくなる理由の一つ。映画本編を観るとうじうじしてる人も結局最後には怒鳴るのだろう。
本作の前に観た『エデンの東』のジェームズ・ディーンちゃんもうじうじしている役だった。そういう役なんだから役者さんはそういう風に演じなければならないのだろうけど、昔も今もアメリカでも日本でも映画を作っている大人がその時の若い人たちが大体うじうじしていると思っているからうじうじになってしまうのかも。

本作は観ようかなとは思っていたけど鈴木卓爾さんも出演されていると知ったのが決定的だった。
本作のW主演の一人は阿部サダヲさんで映画『トキワ荘の青春』では阿部さんと鈴木さんで藤子不二雄先生のお二人を演じている。
本作で一緒のシーンは無かったけど共にある人物を肉体的精神的にいたぶる役で、その役を昔に演じていただけとはいえ藤子先生がサディスティックににいたぶっていると思うと、藤子先生はそんな事しないだろうと思うけど少し不思議な感じがしてそれが面白かった。

ミポリンが出ていたのが意外だった。ミポリンもこういう映画にこういう役で出る様になったんだなあと。

東京と栃木はそんなに簡単に移動できるのだろうか。東京はどの辺りかは分からないが栃木は宇都宮周辺。NAVITIMEで調べると仮に東京駅として宇都宮まで片道2時間以内2千円以内で行ける。

残念ながら最後の方で自分の集中力が切れてしまいどうでもよくなってしまった。
クライマックスとして面会室の強化ガラスを挟んで二人が精神的なバトルを繰り広げるが途中でそれまで優位だった側が急に形勢不利になって、そうなる要因はどこかに有っただろうか?と理解ができなかったけどもうどうでもよくなっていたので放置。そして驚愕のラスト。
で、結局殺人犯は何がしたかったんだろう?他の犯罪は認めているので一つの立件が覆されたとしても重刑は確実で。建前として自分の模倣犯が野放しになっているのは許せないからという事だったけど、本心では何が目的だったのか?
自分の後継者を生み出そうとしたのか?と映画の途中で考えたりもしたけど、それよりも娑婆で行なっていた自分だけのゲームの続き、ターゲットとした相手をそれまでとは違う形で思う存分いたぶるのが目的なのではないかと気付いてから全てが納得いった。映画を観ている間にその事に気付ければ集中力も切れなかったのかも。
法廷での自分の犯罪を認める発言は異常性が十分で精神鑑定に持ち込むためなのかもしれない。そうなると続編も有る?
そしたら看守の中学生の娘には最終的ににとんでもなく邪悪な本をお薦めするのかもしれない。例えばどんな本かは全く思い付かないが。
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