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ペット・セメタリー、テリー・ギリアムのドン・キホーテ、キャッツ、9人の翻訳家 [映画]

ペット・セメタリーを観た。
都会での生活から家族で過ごす時間を増やすために田舎暮らしを始めた一家。敷地の中の森には近隣の住民も使用するペットを埋葬する墓所が有り、その先の境界には誰も立ち入ってはいけなかった。

ネタバレ有。

ホラー映画としてやり切った感のある映画だった。現実として考えればこの映画の中で起こる出来事は切なかったり悲しかったりするが、そこはホラー映画なので切なさや悲しさも恐怖の材料として生かされれば何も問題は無くて。残酷描写という点ではそこまでえげつなくはないが物語はとても残酷でそこを手加減せずにやり切った事を評価したい。
前回映画化された1989年版のペット・セメタリーは未見。怖いから。allcinemaの解説によると後味が悪過ぎると有るのでそっちでもやり切っているのだろう。

スティーヴン・キング原作という事でITとかシャイニングとかにつながっているようにも思える。小説の方では色々とつながっているという話は聞く。アベンジャーズやジャスティス・リーグみたいに将来的にスティーヴン・キング・ユニバースみたいなのも出来るのだろうか。

家族の隣人を演じるジョン・リスゴーが善良な人なのか邪悪な人なのか分からなくて、その存在はただそこにいるだけでサスペンスフルなのがさすがだった。
2月21日公開予定のスキャンダルでは特殊メイクで出演。



テリー・ギリアムのドン・キホーテを観た。
スペインでCM撮影を行っているトビー。撮影はトラブル続きでスケジュールは遅れているがかつての情熱を失っていたトビーにはどうでもいい事だった。撮影場所がまだ情熱に燃えていた大学生の頃にドン・キホーテの物語を撮影した場所の近くだった事を思い出しその場所を訪ねてみる。

池袋シネマ・ロサにて。

テリー・ギリアム監督が長年、数回に渡り映画化を試みその度に頓挫してきた企画。その経緯の一部はドキュメンタリー映画として公開されたロスト・イン・ラ・マンチャで観ていた。
ドン・キホーテの物語をそのまま映画化するのではなくドン・キホーテの物語から着想を得た物語という所は当初から一貫しているらしい。
それでもやはりドン・キホーテの物語が重要になってくるので知っておいた方が良かったのかもしれない。老人のドン・キホーテと従者のサンチョ・パンサの物語という事くらいしか知らない。
しかし逆にそれ位知らない方が良かったのかもしれない。本作の評価は賛否両論の様で、それはドン・キホーテの物語とするとかなり異質だからという事もあるのかもしれない。その点で元々の話を知らないのでこういうものなのだろうとすんなりと受け入れられる。
ドン・キホーテは現実と妄想がごちゃ混ぜになった人物という事で、それによって変人扱いされる。
映画というもの自体が現実と妄想がごちゃ混ぜになって出来上がっているものであって、となれば映画を作る人、映画を観る人もそうなのであるから迷う事無くそのごちゃ混ぜの世界で変人として立派に生きていけ。そういう事なのだろうと思う。

ジョナサン・プライスがドン・キホーテのイメージにぴったりと合っている様に思えて良かった。
最初の企画は約20年前という事でその時にはまだ年齢的に若過ぎたのだろう。



キャッツを観た。
生まれ変わりの権利を得るコンテストが今夜開催される。

世界的に大不評、興行は大コケ。という事で観たが、確かにミュージカルが苦手という所は有るにしても面白くない。超一流の歌とダンスを中心に観るべきなのかと思ってもやっぱり面白くない。
しかし中盤過ぎた辺りから面白くないんじゃなくて変な映画で取っつきにくいだけなのかと思い、こんなお金掛かってる(製作費1億ドルだとか。しかも宣伝にも同じくらい掛かっているとか)変な映画はそうそう無いという事で結果的には珍作として十分楽しめた。
白猫を演じたフランチェスカ・ヘイワードは映画初出演だとか。歌と踊りが上手いなあと思ったがバレリーナという事で踊りの方は本職だけど歌は本作出演のために練習したとか。

人間は猫を猫では無く猫様として崇め奉るべき。という事が最後に付け加えられる。それは猫好きの方には否定出来ない事であり、つまりはこの映画も否定出来ないという事になるのではないだろうか。
という事で猫好きの方の踏み絵となる映画。そこを強調していけば興行での失敗もいくらか挽回できるのでは。

人面猫とも評されているみたいだけど、オリジナルのミュージカルの舞台でもそんな感じだと思うが何故映画だと気色が悪いとか酷評されるのかがちょっとよく分からなかった。舞台だと顔のアップが無いからか。しかしこの映画以降は舞台のキャッツの人面猫も気色が悪いという事になるのかも。
特殊メイクとしてはとても良く出来ていると思う。肉球が無かったのは残念だったけど。
アカデミー賞ではメイクアップでも歌曲でもノミネートされず。よっぽど嫌われたのか。

cat猫、ratねずみ、eat食べる、fat太った、hat帽子などが出てくる。別に意味は無いんだろう。猫の帽子には耳を出す用の穴が開いていた。
bat蝙蝠は出ていなかったが、だから言葉遊び的な所も含んでバットマンにはキャットウーマンが出てくるのかと今さらになって気付いた。
日本では3月20日に公開予定のハーレイ・クイン華麗なる覚醒にキャットウーマンは出ないんだろうか。
猫の鳴き声は英語ではmeowミャオ。宮尾すすむさんが「はい、宮尾すすむです」と言う度に欧米の人たちは「あ、猫が鳴いてる」と思ったりしたのだろうか。




9人の翻訳家 囚われたベストセラーを観た。
フランス人作家による世界的ベストセラー小説三部作の最終作が完成する。出版社はそれまでのシリーズ売上上位の国での同時発売を発表し、そのための翻訳作業が厳戒態勢の中で行われる。

映画の中のベストセラー小説はミステリーでもあるらしい。ミステリー小説が重要なプロットのミステリー映画という所はとても面白そうに思える。実際観てみるとそんなに面白くないのはベストセラー小説が発売前に漏洩した所で被害を受けるのはほんの一部の人たちだけで直接的に命の危険も無いという所にサスペンスを感じられないからなのかも。
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