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ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期 [映画]

ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期を観た。
父ヴィトーの後を継ぎファミリーのドンとなったマイケル・コルレオーネ。億単位の金額を動かせるほど巨大化したマフィアから脱却し組織の健全化を図るがその道は常に血塗られていた。

製作から30年近くが経ったゴッドファーザーPARTⅢをフランシス・フォード・コッポラ監督自身の手によって再編集されたバージョン。元のバージョンより10分近く短縮されている。付け加えられたシーンやシーンの組み替え等も有ったみたいだけど観ていてどこがどう変わったかは全く分からなかった。
配信では本編の前にコッポラ監督によって再編集の意図が語られる。
よりファミリーの物語にしたい。というのがその意図という事で、そう言われればそういう作品になっていたと思える。
それはラストシーンに如実に表されていると思う。元のバージョンはマフィア映画としての決着、マフィアの血塗られた道を選んだ者の末路が冷酷に描かれていてそれはそれでマフィア映画の三部作として個人的には納得のいくものだったけど、それは前二作がマフィア映画に限らず映画史においてもスペシャルな存在であるからその物語に決着を付け幕を閉じたという点で納得したという所は少なからず有る。
マフィア、ギャング、極道映画に求めるのは人情や友情等が熱く描かれながらも結局は非情で冷酷な世界であるという所であって、本作と同じ1990年に作られたマーティン・スコセッシ監督のグッドフェローズがマフィア映画の傑作となったのはマーティン・スコセッシ監督の資質と相俟ってより冷酷にマフィアの世界を描ききったからからなのだろうと思う。
しかし、その冷酷な結末にしてしまった事をコッポラ監督は長年悔やんでいたみたいで今回の再編集によって冷酷さは若干和らいで、家族へ有り余る愛情を与え、そして家族からの愛情を求めながら遂に叶えられなかった人物マイケル・コルレオーネの情がたっぷりの悲劇の物語になっているように思う。

それと当時酷評された実の娘のソフィア・コッポラの起用について、娘の汚名も晴らしたい。という所も有ったのかなあと思う。当時確かにソフィア・コッポラの起用はどこか違和感が有ったけど今観ると特にそんなに違和感は無かった。当時のソフィア・コッポラの歳を優に超えてしまいコッポラ監督と同じ父親目線で見れているからなのかもしれない。
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