チェンジリング [2009年3月に観た映画]
『チェンジリング』
“CHANGELING” (2008・アメリカ) 2h22
製作・監督・音楽 : クリント・イーストウッド
出演 ; アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、ジェイソン・バトラー・ハーナニ、マイケル・ケリー
ネタバレあり。
イーストウッドらしい映画でした。
イーストウッド作品にちょっと危ない暗黒面が有るのは周知の事実ですが、本作の暗黒面は半端なかった。
どーすんだ?と思うほどでしたが、それを経て権力に立ち向かう反骨精神を見せる所もまたイーストウッドらしい。反骨こそがイーストウッド。
子供を奪われた女性が色々有って正義に目覚めて終わる。というのも有りかと思いました。多分『ルーキー』辺りのイーストウッド作品ならそうなっていたのかも。
しかし今や巨匠と呼ばれるイーストウッドですからそんな感じでは終わらなかった。
ちゃんとヒューマンドラマとして締めくくっていて流石と思いました。
今や巨匠のイーストウッド。その巨匠のイメージって多分『ミスティック・リバー』辺りからではないだろうか。
『許されざる者』でオスカー獲っていますが、それ以降もミステリー、サスペンス、宇宙モノ(SFではなく)などを撮っていて巨匠というイメージではなかったような。
しかし日本の映画評論家の方々の間では『ミスティック・リバー』より遥か以前からイーストウッドを名監督とする見方の方がかなりいたようで、宇宙モノの『スペース カウボーイ』がキネマ旬報の外国映画ベストテンの1位を獲った時には正直驚きました。
『スペース カウボーイ』良かったけど、1位はどうなんだろう?と。
で、調べてみたらイーストウッド作品がキネ旬外国映画1位を獲った作品、『許されざる者』『スペース カウボーイ』『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』『父親たちの星条旗』と5本も有りました。
しかも『ミスティック・リバー』からは3年連続1位。
その方々からするとイーストウッドが今や巨匠と呼ばれる様になったのは大変喜ばしい事だと思われます。
自分もイーストウッド好きですが、監督としてよりも俳優として好き。
監督としては巨匠と言うより職人監督だと思います。
壮大なストーリー、圧倒的映像、華麗なテクニックが有る訳ではなく、今まで積み上げてきた映画撮影術を作品毎に淡々と更に積み上げる。
だから退屈と言えば退屈な部分も有ります。
でも商業重視のハリウッドでそれが出来て、しかも数年の割合で新作が撮れるのはイーストウッドぐらいしかいないかも。
それなら巨匠と呼ばれるのは至極当然かもしれません。
また、イーストウッド作品全ての根底に有ると言っていい反骨精神。
近年の作品ではその反骨な生き様も含めて評価されている様に思えます。
それならば巨匠というよりむしろ大巨匠と呼びたい。反骨の大巨匠。
イーストウッド作品と言えばキャストが地味。
今回もやっぱり地味。地味ながらも良かったですけど(聴聞会で熱弁をふるう弁護士の方は今イチでした。熱弁と言うよりただ怒鳴っているだけ。)、もうちょっと有名どころを使ってもいいのではないかと思います。
しかしながら次回作『グラン・トリノ』もやっぱり地味。イーストウッド以外はほとんど知らない人ばかり。
本作では娘さんのモーガン・イーストウッドが出ているらしい。
アンジェリーナ・ジョリーに息子を見かけなかったか聞かれる女の子2人組。そのセリフの有った方ではないかと見ています。
で、『グラン・トリノ』では息子さんのスコット・イーストウッドが出ているらしい。
誰との間の息子さんかは分かりません。奥さんもお子さんもいっぱいいるから誰が誰やら。
アンジェリーナ・ジョリーもうっとり。
『チャンジャイカリング』
こちらはちょっとご立腹。
『チャンジャオニオンリング』
こんばんは。
イーストウッドの顔写真が並べてある中、一つだけマルコビッチというのがnice!ですね。
>お子さんもいっぱい
最近の作品には誰かしら関わってますね。
本作の音楽も長男カイルが手伝っているようです。
by hash (2009-03-07 01:17)
hashさん、niceとコメントありがとうございます。
気付きましたかマルコビッチ。
イーストウッドとマルコビッチと言えば『ザ・シークレット・サービス』。
本作でも何か変装している様な。
カイルの実妹のアリソンも映画監督デビューをしたようで、何かイーストウッド家とコッポラ家のハリウッド2大映画ファミリーになってきた様な。
有名度ではコッポラ家が大きくリードしていますが。
by ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド (2009-03-07 12:16)