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『トップガン マーヴェリック』『犬王』 [映画]

『トップガン マーヴェリック』を観た。2022年、アメリカ、2時間11分。
アメリカ海軍で現役パイロットを続けているピート・"マーヴェリック"・ミッチェル大佐。ならず者国家の某国が建設した核兵器開発プラントが稼働する前の破壊任務を指示されたエリートパイロットたちを指導するために訓練施設"トップガン"へと呼び戻される。

監督はジョセフ・コシンスキー。映画冒頭のクレジットにJOSEPH KOSINSKIと出てきた時に一瞬元大関小錦関、現KONISHIKIさんも出ているのかと思った。

前作、1986年の『トップガン』を観ていなくても大丈夫という事も言われていたけど一応前作もかなり久し振りに観直した。
『トップガン』を観てなくても大丈夫と言われているという事は観てなくてもきっと大丈夫なのだろうけど、その『トップガン』へのオマージュが全編においてたっぷりな作品なので観直しておいて良かった。
これで『トップガン』も本作の露払いという役割を持つ事が出来て36年経って意味の有る作品になったと思う。
オマージュたっぷりだけど何故か前作でトム・クルーズのロマンス相手だったケリー・マクギリスだけは完全スルーされている。なんだったらマーヴェリックの相棒やライバルよりも重要な役だったと思うけど。
でもしかし、クライマックスだと思っていた先にもう一山持ってきてそこで更にオマージュ全開させて、また更に『ミッション:インポッシブル』テイストも追加して盛り上げるのは流石だなと思ったし何より面白かった。

エド・ハリスは冒頭だけに出演。エド・ハリスの起用は『ライトスタッフ』(1983年)を意識しての事と勝手に解釈した。『ライトスタッフ』は宇宙開発前夜、そしてマッハの速度の飛行へと向かう事に直面したパイロットたちの話。

本作の物語の構造はクリント・イーストウッド監督・主演作品『ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場』とよく似ている。奇しくも『トップガン』と『ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場』は同じ1986年に製作。そして『トップガン』では一瞬だけイーストウッドの西部劇主演作品のポスターが映る。
まあベテランが若者たちを指導するという話はそんなに珍しいわけでは無いけど。



追記
ケリー・マクギリスに関してはマーヴェリックを『男はつらいよ』の寅さんと考える事で勝手に納得がいった。『男はつらいよ』でマドンナが再登場する事はほぼ無くて再登場が有るのは限られたマドンナだけ。ケリー・マクギリスはマーヴェリックにとっての限られたマドンナでは無かったという事だろう。マーヴェリックはトップガンの教官を2カ月で辞めたという事だから同じ時期に別れてしまったのだと想像する。万が一シリーズが続いたとしたら再登場の可能性は有るのかもしれないが。
マーヴェリックを寅さんとすると、グースの息子が満男でエド・ハリスが演じた役が御前様か。ジョン・ハムが演じたのがタコ社長。おいちゃんは前作からトム・スケリット、おばちゃんも前作からマイケル・アイアンサイドで。




『犬王』を観た。2021年、日本、1時間38分。
室町時代、能楽は猿楽と呼ばれていた。実在したとされる猿楽演者の犬王。実力も人気も絶大だったとされるがその存在は謎に包まれている。

日本史が全くの勉強不足でそこら辺の時代背景はよく分からない。足利将軍の名前が出て来て一休さんの時代なのかとぼんやり考えたり。


室町時代以前の平家と源氏の争いが物語に大きく関係している。その争いで多くの命が失われたが名前も持っていなかったため時が経つにつれその事も忘れられようとしている。平家の物語は琵琶法師が拾い集め唄い伝える事で人々の記憶に残り続ける。犬王は存在が謎とされていたために語り継がれる事が難しかったが本作によって現代人も知る事となる。という事でのあのラストシーンなのだろうと思う。
この世から己の存在が無くなってもいつまでも人々の記憶に残り続けたい。という心情はあまり理解は出来ないのだけど。
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