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『殺人鬼から逃げる夜』『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』『クリスマス・ウォーズ』『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』 [映画]

『殺人鬼から逃げる夜』を観た。2021年、韓国、1時間44分。
ろう者の女性と殺人鬼の一夜の攻防。

池袋シネマ・ロサにて。

悪い癖で話の展開を勝手に想像してしまう。本作の場合もう終わりそう。と勝手に思ってしまいそこから更に二転三転していき、その度にもう終わりそう、もう終わりそうと思ってもなかなか終わらず遂に集中力が切れた。ただでさえ集中力が散漫なのに。
この人がああなってこういう事になって終わりか。との勝手な想像はことごとく覆された。集中力が切れなければ予測不能なサスペンススリラーで面白かったのだろうと思う。
映画評論家の淀川長治さんはどんな映画でも経過時間がぴったりと分かる人だったとなんかで誰かが言っていたのを読んだ事が有る。もしその様な能力が有ったら終わりそうだけど時間的に更に別の展開が有りそう。という予測は出来たのだろう。

無差別殺人鬼と自ら名乗っているわけではないが、狙う人物が主に自分より確実に弱そうな人たちというのが解せない。そこ行くと偶然(だったか?)ながらあのマ・ドンソク演じるヤクザの組長を標的にしてしまった『悪人伝』の連続殺人犯は紛れもない無差別殺人鬼だったと思う。だからと言って偉いとか凄いとかいう事でもないが。



『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』を観た。2019年、アメリカ、2時間。
パンクバンドのドラマーである男性が聴力を失いつつある。その事で荒むがろう者のコミュニティでの生活で平穏な日常を受け入れ始める。しかしかつての自分を取り戻したい気持ちも抑えられずにいた。

聴力を失う事による喪失の物語であり、失う事で新しい人生を始める再生の物語でもある。いい映画だった。
聴力を失うという事はただ単に音の無い世界になるのではなくて、生活や生き方、社会との関わり方がそれまでと一変するという事で、その新しい人生に適応するためには周囲の人のサポートも必要という事なのだろうと勉強にもなる。
そういった事であのコミュニティを紹介してくれた人物に一言お礼が有って然るべきだとは思う。一言とは言わずいくらでも。
元々の仲がそんなに良かったわけでもなかったみたいだけど。しかし、あのコミュニティでの生活を体験していなかったら全く別の良くない人生を選んでいたのかもしれないし。



『クリスマス・ウォーズ』を観た。2020年、イギリス=カナダ=アメリカ、1時間40分。
アラスカに住むサンタ・クロースは常に子供たちの事を考えクリスマスのイベントを大事にしていたが時は移り世間のクリスマスは商業主義に毒されていた。
サンタは子供たちに優しいだけではなく厳しい一面も持っていてその事を逆恨みする少年は殺し屋を雇ってサンタに差し向ける。

ろくすっぽ調べずにメル・ギブソン主演という事で観た。最近ではメル・ギブソンが出ているけど主演では無いというケースも有るが、本作はメル・ギブソン主演作品。
調べていなかったので演じる役柄が意外だった。誰もが知っている超有名人でその人物が主人公という事はファンタジー作品なのだけどハードバイオレンスでもあってその意外性が面白かった。

話のカギを握る秀才少年を演じている子がちょっと雰囲気が三谷幸喜さんに似ていた。三谷さんも子供時代はもしかしたら秀才タイプのあんな感じだったのかもなあと勝手に想像を巡らせていた。



『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』を観た。2021年、アメリカ、1時間52分。
1981年、とあるのどかな田舎町。その町で初めて起きた殺人事件の容疑者の事を知るウォーレン夫妻は容疑者の青年が悪魔に取り憑かれていたと弁護士に主張する。弁護士はその主張を受け入れて裁判に臨む決意をするが裁判に勝つためには悪魔の存在を証明しなければならずその証拠集めをウォーレン夫妻に託す。

『死霊館』シリーズ第3弾。個人的な感想として今までのところハズレの無いホラー映画シリーズ。ただ、純然なホラー映画とは言えないのかもしれない。その理由としては犠牲者が少ない。今回は4人か5人でホラー映画としては標準的かもしれないがこのシリーズでは多い方。
次々と犠牲者が凄惨な目に遭う事で話を進めていくタイプではなくちゃんと物語性が有る。その根底に有るのはウォーレン夫妻の愛。兎に角どんな時もラブラブな二人のお互いを想い合う気持ちが物事を動かしたり留まらせたりする。そこにホラーな要素が絡んでくる。

ちょっと残念なのは『インシディアス』シリーズ(3作目、4作目は未見)とごっちゃになってしまう所だろうか。それはお互いのシリーズにとって言える事だけど。
『死霊館』シリーズは実話をベースにしていて、『インシディアス』シリーズは完全なフィクションなのが大きな違い。
本作の事件の顛末は中途半端な感じになってしまっているがそれも事実(らしい)なので現実問題としてはそうなるだろうと納得は出来る。刑罰からすると多分情状酌量はされたのでは。それが悪魔の存在を法廷が認めたからなのかは映画の中では曖昧にしている。

『死霊館』シリーズの1作目はもう8年前。出演していた5姉妹を演じていた女の子たちもきっと立派に成長している事だろう。https://www.imdb.com/title/tt1457767/mediaviewer/rm3280066304/



『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観た。2020年、イギリス=アメリカ、2時間44分。
スペクターを恨む人物がMI6が関与するバイオ兵器を強奪。その行方を追うジェームズ・ボンド。

ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドの最終作。本作も含めて計5作品に一応繋がりは有るがこれまでの全てを総括するような作品ではなくこれ1本で華々しく散る引退興行みたいな作品。華々しく散る事は散ったがその中身は薄くやたらと長い。キューバまでは面白かった。しかしキューバ以降中身の薄さが露呈してしまうと後はもうひたすらに長い。

しばらくは次のジェームズ・ボンドは誰?という事が話題になるのだろう。1回限りでMを演じているレイフ・ファインズが何らかの理由でジェームズ・ボンドを名乗る事になるのはどうなんだろう?それだと新シリーズにはならないか。でも現場に出るためにシェイプアップ&ビルドアップしてかつての美青年が美老年として復活する姿を見てみたい。その姿は『キングスマン』の最新作の方で見られるのか。
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