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『MINAMATAーミナマター』『クーリエ:最高機密の運び屋』『ルパン三世 カリオストロの城(4K+7.1ch)』『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』『アナザーラウンド』 [映画]

『MINAMATAーミナマター』を観た。2020年、アメリカ、1時間55分。
1971年。公害病である水俣病の取材に日本にやってきたアメリカ人フォトジャーナリスト、ユージン・スミス。

日本を描いた外国(アメリカ)映画としては真摯に作られていると思う。日本人から見るとヘンな所が全く無いとは言えないが。
水俣病に関しては賠償問題の方に重きを置かれていて脚色も加えられているみたいなので事実の全般については各自で調べた方がいいのだろうと思う。と言いつつかなり大雑把にウィキペディアを流し見するくらいしか調べていない。
あの会社も公害を撒き散らそうと思っていたはずは無くて人々の生活をより良いものにしようとして、それは金儲けのためなのかもしれないが、それが結果的にああいう事態になってしまったのだろうけどその責任の取り方という所でも問題が有ったのかもしれない。

ジョニー・デップは色んな髪型するけどシザーハンズやウィリー・ウォンカ、そして『ラスベガスをやっつけろ』のアレ。本作のような髪型でも似合う所がさすがスターだなと思う。
ジョニー・デップが本作に出演したのは水俣病の事を後世に伝えたいという所も有るのだろうけど、失われつつあるフォトジャーナリスト精神も同じように後世に伝えたかったのではないだろうか。今の時代誰もがカメラマンに成り得るし、写真ではなく動画で世界に伝えられる時代にジャーナリストである事の責任や覚悟を。
主人公は親としての責任を果たそうとしていたし、ライフ誌の編集長も自分の責任を果たそうとしている。何事も責任が大事。という物語でもあったのかもしれない。



『クーリエ:最高機密の運び屋』を観た。2020年、イギリス=アメリカ、1時間52分。
1960年、東西冷戦時代。ソ連の情報提供者との接触手段を失ったCIAはMI6に協力を求める。MI6は情報の運び屋として政府や軍とは無関係の東欧諸国に出入りの有る英国人ビジネスマンに協力を要請し数々の情報を受け取る事に成功する。そして1962年ソ連がキューバにミサイル基地を建設しようとしている情報が渡り米ソ二大国による核戦争勃発の危機を迎える。

ネタバレ有。

スパイ映画ではあるが派手なアクションは無い。アクションは無いがその分ドラマや人物描写に重点が置かれていて緻密に物語が構成されていて観応えがある。
キューバ危機による核戦争勃発を未然に防いだ英雄でありながら片や裏切り者でもありその処罰を受ける。そこら辺の苦さや重苦しさが観ていて辛くはあるけどしっかりと現実が描かれていて作品としての重厚さになっている。



『ルパン三世 カリオストロの城(4K+7.1ch)』を観た。1979年、日本、1時間40分。
贋札界のブラックホールと恐れられるカリオストロ公国に忍び込んだルパンと次元。何者かに追われる少女を助けた事でルパンの過去の記憶が甦る。

今年はルパンのアニメ化50周年。それを記念しての上映。4Kにお色直しと言っても期待はしていなかったが画質が今まで観てきた中で一番綺麗だったんじゃないかと思う。
音響に関してはこれまでとどう違うのか正直よく分からない。とは言え観た回数で言うと今迄で一番多く観ているのがカリオストロ。
元々同じ映画を何べんも観るタイプではなくて良かったと思った映画でもせいぜい2、3回(『お!バカンス家族』『チョコレート・ファイター』『預言者』『導火線FLASH POINT』など)。多くて4、5回といったところ(『アビス』144分版、完全版を合わせるともうちょっと多いか。『ミッドナイト・ラン』『プリティ・リーグ』『ショーシャンクの空に』『アルカトラズからの脱出』など)。2、3回と4、5回の差は単に初めに観たのが昔ほど観た回数が増えているだけ。
シリーズ作品の最新作を観る際に過去作を復習という事もしていた。そうなると必然的にシリーズ1作目を多く観る事になるが最近は面倒臭くなってしてない。『ワイルド・スピード』の1作目をそんな何回も観てもという所も有るし。『トワイライト』シリーズとか。
そんな中でカリオストロは10回近くは観ていると思う。昔はテレビ放映されると楽しみにして欠かさず観ていた。その次に多いのが『クラッシャージョウ』だろうか。近年劇場での上映機会が増えたので多くなった。
しかし何べん観てもカリオストロは飽きない。あれだけの内容で100分というのも良いのかもしれない。
今回の上映回では親御さんに連れられた小学1、2年生くらいの女の子男の子のチビッ子が3人ほど見受けられた(もっといたかもしれない)がチビッ子たちも楽しんで頂けただろうか。楽しんで頂けたら全くの部外者のただの一ファンながら嬉しい。

原作者のモンキー・パンチ先生が総監督のオリジナルビデオ『ルパンは今も燃えているか?』(2018年、日本、27分)を同時上映。同時と言っても本当に同時に上映するのではなく、『カリオストロ』の前に上映。
2018年発売の『ルパン三世 PART5』のBD&DVD第1巻におけるプレミアム先着購入特典として同梱されたDVDに収録。との事で現在で観られる機会は限られているらしい。今回の劇場公開を機に増えるのかもしれない。
チビッ子たちには不二子のアレは刺激が強過ぎたかもしれないが。

不二子が五エ門をバイクに乗せて走る時にそのバイクがスズキのカタナだったのは、五エ門と言えば斬鉄剣だからだろう。忍びの者を乗せる時にはカワサキのニンジャになるのかも。



『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』を観た。2021年、アメリカ、1時間43分。
一人の男がその町を牛耳る支配者にある女性の捜索を強制的に依頼される。

鬼才監督ならではなのかは不勉強なので知らないが独特な表現で現代日本が現されているのだろう。権力者への隷属など。それを打ち破るにはヒーローの存在が必要でそのヒーローに相応しい人物はニコラス・ケイジであると。

本作の評価はあまりよろしくないみたいでそれも納得だけどニコラス・ケイジには日本の事を嫌いにならないで欲しい。そして『必殺』シリーズのハリウッドリメイク(今だとネットフリックスでのドラマシリーズも有りか)で舞台を現代アメリカに置き換えてというのではなくちゃんとした時代劇の中村主水を演じて欲しい。前々から密かに中村主水絶対に似合うと思っていた。ちょんまげも日本の着物も似合うと思うし。もし成功したらハリウッドにちょんまげブームが起こるかも。ブラッド・ピットやディカプリオがちょんまげ。今をときめくティモシー・シャラメも結構似合いそうな気がする。
とか言ってるが実は『必殺』シリーズはチラ見程度でほとんど観た事が無くよく知らないという。ルールにとらわれない破天荒な時代劇らしい。でも有名なテーマ曲は全世界で通用するものと信じている。




『アナザーラウンド』を観た。2020年、デンマーク=スウェーデン=オランダ、1時間57分。
40代男性教師4人。教育現場にも家庭にも張り合いを感じられない日々が続く。そんな時ある哲学者が提唱したアルコールの血中濃度を0.05%に常に保つ事を実践すると全ての物事が上手く行きはじめる。しかしその決められたパーセンテージを守り続ける事は誰にも出来なかった。

『ハングオーバー』的なドタバタコメディを予想していたがそんな事は無く至って真面目なドラマ作品だった。後になって今年のアカデミー賞の国際長編映画賞(去年から外国語映画賞から名称が変更されたみたい)を受賞していた事を知って納得というか、そりゃあドタバタコメディだったら受賞はしていなかっただろうなと思った。

飲酒に関して、節度なくのべつまくなしでというのは決していいものではない。大切な誰かを弔う時、誰かの幸せを祝福する時、そんな時に大いに飲み明かすのがいい酒だと。
本作のラストは大切な友を弔い、未来ある若者を祝福し、そして自分の未来に希望を託して主人公が満を持してダンスする。マッツ・ミケルセンにとびっきりの笑顔で踊られたらそれは最高のラストシーンとしか言いようがない。
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