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『ゴヤの名画と優しい泥棒』『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』『グラディエーター』『THE BATMAN -ザ・バットマン-』 [映画]

『ゴヤの名画と優しい泥棒』を観た。2020年、イギリス、1時間35分。
1961年、イギリス。テレビの公共放送受信料を高齢者や戦傷者には無料にする社会運動を続けているケンプトン・バントン(60才)は政府がゴヤ作"ウェリントン公爵"を買い取るために多額の公金つまりは国民からの税金を使った事に強い憤りを感じていた。

おじいちゃんおばあちゃん映画だと思っていたが、主役がおじいちゃんおばあちゃんと呼べる年齢なだけだった。
年齢の分だけ積み重ねてきた経験とか知識とかは存分に生かされてはいる。かと言って全てを達観しているわけではなくていつまでも乗り越えられない心のわだかまりを抱えてもいてゴヤの名画盗難事件を通して、それは人と人との信頼関係であったり誰かの事を思いやる事だったり人間社会の根底に有るべき姿によって閉ざされていた心の扉が開かれていく。そういった事をわざとらしい感動押し付け作品にするのではなくユーモアを交えて何気なくさり気なく描かれていていい映画だった。

ケンプトンを演じるのはジム・ブロードベント。60才よりも年上に見えてしまうが(実年齢は2020年当時では71才)、ちょっと面倒臭いけど憎めない人物がはまり役だった。
ケンプトンの妻ドロシー役はヘレン・ミレン。夢想家のケンプトンに対して生活のために厳しい事もズバズバと言ういわば憎まれ役の部分も有る。そういった役がこちらもはまっていた。日本人でなら山岡久乃さんがはまっていた事だろう。



『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』を観た。2021年、イギリス、2時間8分。
1943年、第二次世界大戦中。イギリス軍はナチスからヨーロッパを取り戻すためにイタリア・シチリア島の奪取を足掛かりにする事が最重要と考えていたがナチスもシチリア島を重要拠点と考え軍備を整えていた。イギリス軍諜報部はナチスに偽の情報を掴ませシチリア島の軍備を手薄にさせる作戦を立案し実行に移す。

こちらはあまり良くない意味で思っていたのと違った。作戦そのものを描くというよりも作戦にかかわった人物の方を描く事に主題を置いたのだろうと思う。そうなると3人の恋愛模様も必然だったのだろうか。スパイ映画に色恋沙汰は必要不可欠ではあると思うが作戦そのものにはほとんど関係無かったし個人的にはあまり必要無かった。
『007』シリーズの原作者イアン・フレミングは実際諜報部にいたらしいが本作の様な働きをしたのかはちょっとだけ調べてみたけど分からない。

本作と『ゴヤの名画と優しい泥棒』は吉祥寺オデヲンで観た。アップリンク吉祥寺には年に何回かは行く感じだけど吉祥寺オデヲンには何十年か振り。なので駅を出て反対方向に行ってしまってこの場所のはずと思い込んでいた所に無くて焦った。



『グラディエーター』を観た。2000年、アメリカ、2時間35分。
西暦180年。ローマ帝国の将軍マクシモスが時の皇帝アウレリウスによって継承者に選ばれるがそれを知らされたアウレリウスの実子コモドゥスはアウレリウスに激しい怒りをぶつけマクシモスには反逆者の汚名を着せる。

午前十時の映画祭11にて。

約20年前の劇場公開以来に観る。2000年度公開作品対象の第73回アカデミー賞で見事作品賞、ラッセル・クロウの主演男優賞、他計5部門で受賞。監督賞は本作のリドリー・スコットではなく『トラフィック』のスティーヴン・ソダーバーグ。スティーヴン・ソダーバーグはこの年に『エリン・ブロコビッチ』でも監督賞にノミネートされる。

初見時はそんなに良かったとは思わなかった。今回約20年振りに観て映像はさすがリドリー・スコット監督で素晴らしい。アクションも迫力が有った。ただ、内容の方は初めて観た時と変わらずそんなに良くは無かった。一応悪役であるコモドゥスがどうしても可哀想に思えてしまう。マクシモスにとってもコモドゥスにとっても悲劇という事なんだろうけどコモドゥスが悪役でマクシモスが英雄と思えなかった。コモドゥスは非道な事もしているけど、じゃあマクシモスが清廉潔白な人物かと言えば他国を蛮族と蔑称して多くの人を殺した事に対するその罪はどうなのかと考えてしまう。それは現代的な考えだし、キリスト教的には正義なのかもしれない。しかしやはりそれは罪であって、だから悲劇になったのかもしれない。
悲劇なんだけど音楽はアクションヒーロー映画な感じなのも合ってなかったと思う。



『THE BATMAN -ザ・バットマン』を観た。2021年、アメリカ、2時間56分。
ハロウィーン当日のゴッサムシティ。選挙が間近に迫った現職市長が自宅で殺害される。ゴッサムシティ警察による現場検証にはコウモリをモティーフとしたとんがりお耳のマスクを被りケープを羽織い黒のプロテクターを全身に装備した人物が捜査協力のため呼ばれていた。

新宿ピカデリーでポイントがたまっていたのでただで観れて良かった。

次回は白いギターを爪弾きながら登場。「ザ・バット参上、ザ・バット解決」と口上を述べてくれる事に期待。





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