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シネマ★シネマ★シネマ 1997年 32 [シネマ★シネマ★シネマ]



作品紹介
"SHE'S SO LOVELY" 『シーズ・ソー・ラヴリー』
監督 : ニック・カサヴェテス
製作総指揮・出演 : ショーン・ペン/ジョン・トラヴォルタ
出演 : ロビン・ライト・ペン、ハリー・ディーン・スタントン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ジーナ・ローランズ

"KULL THE CONQUEROR" 『ザ・コンクエスト』
監督 : ジョン・ニコラレ
出演 : ケヴィン・ソーボ、ティア・カレル、ライトフット、カリーナ・ロンバード

"MASTERMINDS" 『トラブルボーダー』


全米興行成績トップ10
"LEAVE IT TO BEAVER" 『がんばれ!ビーバー』
監督 : アンディ・カディフ
出演 : キャメロン・フィンレイ、クリストファー・マクドナルド、ジャニン・ターナー、エリック・フォン・デットン

"MIMIC" 『ミミック』

"MONEY TALKS" 『ランナウェイ』

"G.I.JANE" 『G.I.ジェーン』

の4本が初登場。


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『君たちはどう生きるか』 [映画]

『君たちはどう生きるか』を観た。2023年、日本、2時間4分。
1943年、戦時下の日本。空襲で母親を亡くした小学生牧眞人(まき まひと)はその後父親と共に母親の故郷に疎開する。父親はそこで暮らしている母親の実の妹との再婚が決まっていた。母親を失い田舎暮らしにも馴染めない眞人の前に一羽の青サギが現れ眞人をどこかへ誘おうとする。

宮崎駿監督最新作。事前の宣伝が一切行われなかったのでどんな作品なのか全く分からないまま観た。
昔はテレビで放送されている映画を何の予備知識も無いままに観る事は有った。その為に子供には刺激の強過ぎる『エクスタミネーター』なんかも目にしてしまいしばらくトラウマだった事もあるのは今となっては懐かしい思い出にはなっているが、でもやっぱり子供の時には目にしたくなかった。
映画館で観るようになってからはどんなジャンルで監督や出演者は誰なのかを知った上で観ている(逆にあの人が監督か。や、あの人が出てんのか。という事で観なかったりもする。それは主に邦画の時に。)ので今回の様に何にも分からずに映画館で映画を観るのが滅多に無い事だったので観る前の数日間から観る直前まで想像と不安と期待がごっちゃになるという貴重な体験をさせてもらった。

作品自体はファンタジーでこれまでの宮崎駿監督作品を大きく裏切る事はなく。裏切られる事を期待もしていたので、やっぱりファンタジーなのかという所での別の意味での軽い裏切られ感は有った。
しかし過去に宮崎駿監督作品っぽいファンタジーが他の人によって幾つか作られ幾つかは観たけどそれらの作品が面白かったという印象はあまり無くて、でも本家の宮崎ファンタジーは本家にしか出せない面白さが有ったなあと思う。他のと何が違くて面白くなるのかは分からない。
白い紙か布が眞人たちの全身にまとわりつくシーンが良かった。そのシーンも含めて多分そんなにCGは使われていない様に思えた。
本作の中に過去の宮崎駿監督作品をイメージさせるシーンやカットが有るのは意図的なのか、それとも観ているこちらが勝手にそう思ってしまうだけなのか。

引退宣言を撤回してまで本作を作らなければならない理由はなんだったのかをどうしても考える。スタジオジブリの存続問題なんかも有るのかもしれないけど、作品的にはご自身が作ったファンタジーとそれが与えた影響への決着をつけたかったのかと思う。
結局ファンタジーだけに限らずフィクションで作られた世界は、その創作者が語ろうとする物語に都合のいいもので作られているわけで、都合の良くないものは排除されるのは物語を語るという上では大切な事なのだろうけど、都合の良くない事に目を背けているその世界は極めて危うくて脆いものであると。
その事をファンタジー作品である本作で描かれるのは矛盾している様にも思えるが、ファンタジーを含むフィクションの作品の全てを否定しているのではなくて、フィクション作品で現実世界の事から救われる事は有るわけで、それを信じているから宮崎駿監督もフィクションの作品を作られているのだろうし。ただそれは一時の一助で有るべきで、都合のいいものだけで作られた世界にどっぷりと浸かっていてはいけないという事なのだろうと思う。だから本作のラストの呆気なさ、眞人も地下の世界での冒険で現実世界での事に救われたけど冒険が終われば現実世界に戻って現実を受け入れる事も必要である事を知る。この映画を観た人達も観終わったらさっさと現実の世界に戻りな。という事なのだろうと思う。
それと宮崎駿監督の自伝的な所も有るのだろうと思う。眞人は宮崎駿監督の子供時代であり、地下で自分の世界を作り上げた大オジも宮崎駿監督なのだろう。眞人に大オジは自分の後を継がせようとするが眞人は拒否をする。本当の子供の時の絵を描く事が得意で好きだった宮崎駿少年だったらその魅力に取り憑かれたのかもしれないけど(実際取り憑かれたのか)、今現在の宮崎駿監督は宮崎駿少年は拒むべきだったと思っているのだろう。人真似をするインコの様な人間を作り出すべきではないと。インコ自体はそういう別の生き物の鳴き声を真似するのは外敵を近付けさせない生存本能なのではないかと思うが、この映画を観ている君たちは人間社会でインコの本能である誰かの真似をして、そして誰かに追随するだけの生き方ではいけないよと。大王インコの様に自分の意見を持ち立ち上がる時には勇敢に立ち上がろうと。
ここまでの決着をつけられると年齢的な事も有るだろうしさすがに長編の次回作は無いのかなあと思う。前作『風立ちぬ』の時にもそう思わせての今回だからまさかが有るのかもしれないけど。
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