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『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』 『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』 [映画]

『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』を観た。1998年、日本、1時間21分。
地道な活動が続く三人組アイドルグループCHAM(ちゃむ)から脱退し女優への転身を決めた霧越未麻(きりごえみま)。端役ながら初の連続テレビドラマへの出演も決まり過激なシーンにも体当りで臨むと番組の人気は上がり未麻も女優として注目を集める。それと共に未麻の周辺に不穏な出来事が起こり始める。

今 敏監督の劇場映画デビュー作が公開25周年で劇場公開。

今 敏監督の作品は実写的とよく言われるがビジュアルに関してキャラクターや背景や小道具などがリアルに描かれているからだけではなくて、画面に奥行きを感じさせるからではないだろうか。レイアウトとか詳しい事は分からないけど、例えばカメラが横に移動した時、セル画のアニメーションだとカメラは固定されていて背景の方を横に移動させる。ただそれだけだと横にスライドしただけで、実際には横に動けば全ての立体物などの見える角度が変わってくる。背景絵を何枚か重ねてそれをずらしながら撮影する手法も有るが更にリアルに表現しようとすればCGアニメという選択になってくるのだろうけど、2次元のセルアニメの中で奥行きのある3次元の世界を表現するためにいろんな細かい工夫を手間暇をかけて凝らしているのではないだろうか。どういった事をされているのかは分からない。視覚的にリアルに近付いているだけにパッと見では気付きづらいのかもしれないがそういった所にこだわって画作りされているのも今 敏監督作品の魅力でもあるのだろうと思う。

お亡くなりになられた時もその早逝が悔やまれたがあれから13年が経って日本映画、アニメも実写も含めての現状からしてもあの時より更に悔やまれる。今 敏監督がいてくれたらもっと面白い映画が観れたのかもしれなくて、それに影響を受けた人達が面白い映画を作って。と、こちらが勝手にそう思ってしまう作品を遺してくれた。
今 敏監督が本作の制作過程を御自分のホームページに書き残されていて今でも読める。http://konstone.s-kon.net/modules/pb/index.php?content_id=2
辛辣だったり毒舌だったり、でもユーモアもたっぷり有ったりとその人柄が垣間見える気がする。
劇場映画デビュー作(最初はオリジナルビデオの予定)で予算もスケジュールも苦しい中、最終的にかなりの妥協もされたという事だけど、その中でもどうにか面白い映画を作り上げようという努力は怠らなかった結果公開25周年を記念される作品となった。



『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』を観た。2023年、アメリカ、1時間59分。

ルーマニアから送られてきた中身が不明な木箱50個を海路でイギリスに運ぶデメテル号。その木箱には竜の刻印がされていた。

木箱50個の中身の殆どが土だったのだろうか?ドラキュラ伯爵と伯爵の下僕となった者達の弱点は十字架やニンニクではなくて太陽光という事で、それを避けるには棺桶の密閉だけではなくて完全に遮断するために棺桶の中に土を敷き詰めて日中はそこに埋もれているという事なのか?そういう事でイギリスの土よりもやっぱり長年親しんだ故郷のルーマニアの土の方が安眠できるのか?枕が変わると寝れないタイプ?神経質そうではあるけどそれならば起きたら土まみれなのは気にならないのか?
本作はブラム・ストーカーが書かれた怪奇小説『吸血鬼ドラキュラ』の中のエピソードを映画化したという事でドラキュラ伯爵が何故ルーマニアからわざわざイギリスに渡るのか理由も目的もよく分からない。なんで土を持っていくのかも。ただ単にその航海で起きた恐怖が描かれていて、それはホラー映画、恐怖映画としては真っ当なのかもしれない。

ドラキュラに関しての薄い知識の中で知っている事と言えば宿敵はヴァン・ヘルシング教授。本作の話の都合上出番は無いが、もし三部作とかになった場合に本作の前日譚や本作のその後で登場するのかも。そうなったらいつも通りのドラキュラ映画になってしまいそうだけど。
ヒュー・ジャックマン主演の『ヴァン・ヘルシング』は未見。


撮影監督は長年イーストウッド組だったトム・スターン。2002年の『ブラッド・ワーク』から2018年の『15時17分、パリ行き』までの14本(主演のみの『人生の特等席』を含めると15本)。ほぼ年1本ペース。そこまで長く組んでいた人と別れる時はどんな感じなんだろう?喧嘩別れでは無い様な気はするけど。
ところでイーストウッドの最新作はIMDbを見るとキャスト、スタッフが大方発表されていて着々と進んでいる模様。
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