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『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『ザ・クリエイター/創造者』『カンダハル 突破せよ』『北極百貨店のコンシェルジュさん』 [映画]

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を観た。2023年、アメリカ、3時間26分。
1920年代、アメリカ、オクラホマ州オセージ。先住民のオセージ族は自分達の土地を追いやられこの地にやって来た。石油が出た事によって財産を得るがオセージ族に使われる身となった白人たちがその財産を狙っていた。

白人たちがオセージ族に媚びへつらって親切な隣人を装いながら財産を掠め取ろうとする姿が全編に渡って描かれていてとても胸糞が悪い。
ディカプリオが演じる主人公がなんにも考えずに悪事を重ねるがそれを悪い事だとは思っていなくて、でも善悪の区別がつかない人間ではなくて、ただオセージ族の人達に対してだけは酷い事がナチュラルに出来てしまう。それは結局なんにも考えていないからなんだろうと思う。
悪事を働く時に頭を使う人間は自らは実行せず誰かにやらせる。実行犯に適しているのはなんにも考えない人間で、世の中の悪事を実行するのは大体がなんにも考えていない人間だという真理が描かれていたのかもしれない。

終盤に差し掛かってからFBIが出て来て胸がすく。『ミシシッピー・バーニング』ほどではないが。
FBIが世に知られるようになった事件の一つであるらしいがイーストウッド監督作品『J・エドガー』にはこの事件の事は描かれていただろうか。覚えていない。
本作は当初はFBIをメインに描かれる予定だったとか。ノンフィクションである原作ではそうだったのかもしれない。それをディカプリオの提言をスコセッシ監督が聞き入れてFBIの出番はかなり減ったのだとか。
そういえばデ・ニーロの監督作品『グッド・シェパード』もFBIの話じゃなかったっけかと思っていたが『グッド・シェパード』はCIAの話だった。ちなみに『グッド・シェパード』の脚本は本作ではスコセッシ監督と共同脚本のエリック・ロス。

ブレンダン・フレイザーが出ているのは知っていたがその事をすっかり忘れていた頃の登場だったのでちょっと驚いた。更に側にいたのがジョン・リスゴーでジョン・リスゴーが出ている事は知らなかったのでかなり驚いた。久し振りに姿を見たという事でもなく現在も映画にテレビドラマに活躍中。配信作品も有るのかもしれないし舞台にも立っているのかも。

デ・ニーロが『アイリッシュマン』の時とは違って年相応な役だったのが良かったが、ディカプリオの弟役の人がどう見てもディカプリオの弟には見えず、最初誰かの弟と言われていてデ・ニーロの弟なのかと思っていた。
スコセッシ監督は役者の見た目と役の年齢の合致にはあんまりこだわらない人なのか。まあ実際にもお兄さんだと思っていたら弟さんだったりその逆も有ったりはするけど。
ディカプリオが若く見え過ぎるという所も有るのだろう。役者として見た目で得していた時期から見た目で損する時期になっていくのかもしれない。ジャック・ニコルソンを真似てみても拭いきれないお坊っちゃま感が。



『ザ・クリエイター/創造者』を観た。2023年、アメリカ、2時間13分。
A.I.がロサンゼルスに核爆弾を落とす。アメリカはA.I.根絶のため破壊兵器"ノマド"を投入して全面戦争に突入しA.I.を擁護するニューアジアとも敵対する。

未来を舞台としたSF。ビジュアルの完成度が高くそれだけでも満足できる。
話の方は途中までハードSFな感じで良かったけど最後の方と結末はちょっと甘くなってしまった様に思えた。A.I.とかけているわけではないのだろうが"愛"が地球を救うとなったら甘くなるのも致し方ないけども。

軍人役の人の声の低音の響き方が凄いなと思って、あんまり聞いた事の無い声だった。軍服姿で帽子を被っているので顔がはっきりとは見えずに最後まで誰が演じているのか分からなかった。調べたらラルフ・アイネソンというイギリスの俳優さんでフィルモグラフィを見ると出演作は結構観ていた。本作での声はとても印象的なのに今まではなんで印象に残らなかったのだろうか。
あの声は日本語吹き替えではどうなっているんだろう。
ちなみに渡辺謙さんの日本語吹き替えはクレヨンしんちゃん二代目野原ひろしでお馴染み(お馴染みはもっと沢山有るだろうけど)森川智之さん。やっぱり謙さんに似せてる感じになっているのだろうか。



『カンダハル 突破せよ』を観た。2022年、イギリス、1時間59分。
MI6からCIAに出向しているトム・ハリス。イランの核施設の破壊に成功し帰国のため空港に向かうが新たな任務を依頼される。

CIAにイランの諜報部にタリバンにISISにパキスタンのイケメン兄さん、その他にもどこかの誰かが加わっていただろうか?軍閥間でのいざこざみたいなのも有ったか。そういった組織やイケメンが絡んでいてその関係をちゃんと理解出来たかは怪しいがアクション映画としてのストーリーはそれほど複雑ではなくむしろシンプルなので楽しめた。

それにしてもパキスタンのイケメン兄さんはカッコ良かったけどちょっと間が抜けていた。砂漠で追跡するのになにもバイクを選ぶ必要は1ミリもなかったと思う。結局ガス欠になるし。追跡するのにガス欠ってなんだよ。と全く関係が無くても思うのだから迎えに行った人達からしたら余計に(バイクでなんか行くなよ)と心の中では思っていたに違いない。黒ずくめの出で立ちでバイクで颯爽と飛び出して行った瞬間に既に(バイクでなんか行くなよ)と思っていたかも。
最後のトム・ハリスとのタイマン勝負もあれはカッコいいのかどうか自分には判断しかねる。



『北極百貨店のコンシェルジュさん』を観た。2023年、日本、1時間10分。
動物たちをもてなす北極百貨店の新人コンシェルジュが接客を通して百貨店ならではのもてなしを日々学んでゆく。



とにかく動物キャラクターたちの絵柄が可愛らしくて目と心の保養になった。物語も優しい。
個人的に動物の作画と言えば森康二さんだけど(動物だけじゃなくて描くものなんでも上手いし可愛らしい)匹敵するくらいじゃないかと思う。

作画で『カリオストロの城』で幽閉されているクラリスの前にルパンが現れるシーンでの動きっぽい所が有った。シチュエーションは違うけど。

原作漫画は未読。どうやら北極に有るから北極百貨店ではないみたい。実は地理的には北極で温暖化で住みやすい土地になったのかもしれない。それはただの妄想だけどではなんで北極百貨店なのか?と勝手に考察してみると、日本の有名百貨店に西武(西武・そごう)と東武が有って、それなら北でそれなら北極だ。となったんじゃないだろうか。英語とか外国語では何かの意味が有ったりするのか。南極百貨店も有るのか。
ところで昔雑誌の頃のぴあの欄外の"はみだしYOUとPIA"という読者投稿のコーナーで東西南北の東西の位置の覚え方で北が上に位置するのが前提にはなるが漢字の北の右側の部分がカタカナのヒに似ているので右がヒガシ東(その反対の左が西になる)という投稿が有ってそれで東西の位置を覚えてとても役に立った。
「東西南北」で位置を覚えようとすると頭の中でごちゃごちゃになってしまうのかもしれない。「東南西北トンナンシャーペー」の方が並びが時計周りになっているので位置を覚えやすいかも。

動物界の弱肉強食については大豆を使った代替肉を食用としているらしい。そういうとこをちゃんといているのが良かった。
何故動物たちが人間の言語を使い二足歩行する種類もいるのか?そこら辺の理由もきちんと有るのかもしれない。物凄いSF的な設定だったりして。
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