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『パリ13区』『ミューン 月の守護者の伝説』『TITANE チタン』『ベルファスト』 [映画]

『パリ13区』を観た。2021年、フランス、1時間45分。
現代のパリの片隅に生きる女三人と男一人。

『預言者』のジャック・オーディアール監督作品。これまで観た作品では酷い事が起こりそうな予兆は有っても決して酷い結果にはならない。本作ではそこまで酷い事は起きなさそうな感じだけどそれでもどうなってしまうんだろう?という心配みたいなのは有って、でもジャック・オーディアール監督作品だからという事である意味で安心して観ていられた。結末を希望の有る未来と取るか楽天的ご都合主義と取るかは観る人次第かもしれない。個人的には希望も感じたしちょっとご都合主義だったかなとも思う。
ジャック・オーディアール監督の主義は映画観終えてそんな暗い気持ちになる必要も無い。という事なのかもしれない。



『ミューン 月の守護者の伝説』で寝た。
つまらなかったからでも疲れてたからでもなく『ドクターストレンジ』の時に寝て、一回寝ちゃうと寝てしまう癖みたいなのが何回か続いてしまうからだと思う。
『ドクターストレンジ』の時より寝てしまった事の後悔は大きかった。東京都写真美術館から恵比寿駅がいつもより長く感じられたのは気のせいか。恵比寿で映画観る時にはいつも大体長く感じてるし。



『TITANE チタン』を観た。2021年、フランス=ベルギー、1時間48分。
幼い頃の自動車事故による怪我で頭に金属のチタンを埋め込まれたアレクシア。成長したアレクシアは自動車に並々ならぬ愛情を抱くようになる。

予測不能な話。起こっている事について説明もほとんどされない。多分聖書的な事なんだろうなと想像して観ていた。
聖書的と言っても神聖ではなく、主人公の振る舞いは凡人からしたら理解不能なのである意味神々しいのかもしれないが、聖書の暴力的な生々しい部分がクローズアップされているのではないかと聖書全然知らないのにそんな風にも想像した。
人に予め備わっている暴力的なものからの脱却が人をより良い存在へと導く。という事なのだろうか。
そんな宗教的な事は別にして映画は面白かった。変な映画だけど観る者誰も寄せ付けないという事はなく、人は選ぶかもしれないがちょっとと言うか大分変わったヒューマン(メタルヒューマン?)ドラマで面白かった。



『ベルファスト』を観た。2021年、イギリス、1時間38分。
1969年、北アイルランドの首都ベルファスト。キリスト教のカトリックとプロテスタントの激しい対立が起こり町は緊張状態に陥る。それまで平穏に暮らしていてこれからも住み慣れた町で平和に過ごしたいと願う住民にも暴力の影が忍び寄る。

ケネス・ブラナーの少年時代の自伝的作品。少年の名前はケネスではなくバディ。ニックネームでバディと呼ばれていたのか?バディの父さん母さんじいちゃんばあちゃんみんないい人たち。お兄ちゃんはちょっと影が薄かったが。そんないい人たちに愛情深く育てられているバディもアイルランドというお国柄からしたら(実際のお国柄がどんなのかは知らない)上品で素直ないい子。
そんな子と家族を見せられたらケネス・ブラナーの事を今後悪く思えない。
本作の続編でエマ・トンプソンとの出会いと別れは描かれないのだろうか。

ベルファストが緊張状態になる前からお父さんは単身でイングランドの方にも働きに出ている。緊張状態になった時に今後の身の振り方を考えなければならなくなりオーストラリアや他の外国への移住も検討される。海外への移住とかじゃなくてイングランドに引っ越せばいいのでは?と自分なんかは簡単に考えてしまったがアイルランドとイングランドとのあまり良くない関係性を考えればイングランドに引っ越すのも外国に移住するのと同じくらいに熟慮が必要という事が描かれていて、確かにそれもそうで観る方もよく考えなきゃいけないと思った。



『ミューン 月の守護者の伝説』を観た。2014年、フランス、1時間25分。
ある星では太陽は太陽の守護者が、月は月の守護者がそれぞれ守護していた。星の住民から分け隔てなく太陽と月の守護者は選ばれ、数百年振りに新たな若い守護者たちが誕生する。

映画館で寝てしまっても寝ちまったもんは仕方ねえ。と、それだけは変に潔いので日を改めて観直す事はほぼしないが本作は翌日に観直した。
観直して良かった。面白かった。
取り敢えず全編が映像センスの塊。どちらかと言えばエンタメ寄りではあるけどアートとしても成立すると思う。
お話も初めから月と太陽はお互いが有ってこその関係ど言われていて、それがクライマックスでお互いが助け合う事で大いに盛り上がる作劇がとても良かった。
この星では月側と太陽側で活動する住民が分かれているがその中間を主に活動している住民もいてそこにもちゃんとスポットを当てているのも良かった。

前日に寝てしまったのは主人公ミューンの能力が悪夢を消し去り良い夢を見させる事なのでだからこの映画を観ている間に寝てしまうのも当然と言えるのかも。と、屁理屈こねてみたり。


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