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『ザ・プレイヤー』 [映画]

『ザ・プレイヤー』を観た。1992年、アメリカ、2時間4分。
ハリウッドの大手映画会社で脚本部門を担当する重役のグリフィン・ミル。他社の脚本部門を担当していたライバルが引き抜かれてやって来た事で自分の立場が危うくなりその上何者かに脅迫を受けていた。今の会社内での状況から大事にしたくないミルは独自に解決しようと思い当たる脚本家に話をつけに行く。

新文芸坐にて。一夜限りのレイトショー。

ネタバレ有。

日本公開は1993年。前年のアメリカでの公開時から、しばらくハリウッド映画界では低迷していたロバート・アルトマン監督の華々しい復活作とされていて、それまでロバート・アルトマン監督の作品を観ていなかったのにどれだけ面白いんだろうと勝手な期待を膨らませて観た所今イチピンと来なかった。という印象で今に至る。
30年近くぶりに観てもその印象は映画を観ている間は変わりなかったが、それはハリウッド映画業界の内幕モノとしてだけで観ていたからなのかもしれない。確かにその通りの内幕モノでチョイ役で出てくる映画スター達も豪華でそれなりには面白いのだけどそこまで高評価を得るほどの作品だろうかとも思っていた。しかし最後の方になってもしかしたら内輪ウケを狙った作品ではないのかもと考え直した。結局映画の中では明らかにされなかった脅迫者が何者だったのか。それを考えると主人公のミルは脅迫によって運命を動かされたわけで、脅迫をシナリオと考えれば誰かの書いたシナリオによって運命が決められてしまう。それで今回は一応ハッピーエンドだったけど誰かの考え一つでバッドエンドになったのかもしれない。
シナリオによって運命が決まってしまうのは映画の中の登場人物なのだから当然だけども、それは映画の中だけの事では無くて、現実の世界でも人は人それぞれの人生のシナリオを書いていてそれが当人だけではなく意図していなくても他の誰か、身近にいる人だけではなく全く知らない遠い国の誰かに影響を及ぼす事も有るかもしれないわけで、つまりは一人の人間の人生は本人の書いたシナリオだけで完成するのではなく過去も含めて世界中の他の誰かが書いたシナリオと複雑に絡み合ってぶつかったり拒否反応を起こしたりして完成するのだ。だから自分の書いたシナリオ通りに行くとは限らないし、時にはとんでもない奇跡と呼べるような事も起こり得る。という事なのかもしれないなあと思った。そういった奥の深い作品だったとしたらそれは高い評価を受けるのも納得出来る。
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