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『グッドフェローズ』『ベイビーわるきゅーれ』『宮田バスターズ(株) ‐大長編‐』『マリグナント 凶暴な悪夢』『ほんとうのピノッキオ』 [映画]

『グッドフェローズ』を観た。1990年、アメリカ、2時間25分。
1955年、ニューヨーク。マフィアに憧れる少年ヘンリー。使い走りとしてその世界に入り込み一途に働き掟を守る事で頭角を現しかけがえのない仲間たちと出会う。

午前十時の映画祭11にて。

どこの世界でもどんな職業でも同じだと思うが業績なりが好調な時は何事も上手く歯車が回るものだけど、それが時代の流れだったりが変わった時に一変していい時なんか無かったかの様に悪い方向に猛烈に回転していく様が描かれる。
非情な世界のマフィアだけにその様も非情で容赦がない。登場人物にとってのいい時代は確かに映し出されていて観客はその様子を見ていて記憶に残している。ほんの数十分前まではあんなに幸せそうだったのが堕ちるところまで堕ちていく。
堕ちたその場所は色んな制約は有るにせよ一般的な社会人が生活する場所であって、しかしマフィアにとってそんなのは許し難い堕ちた場所であると。

映画の主役はレイ・リオッタ。脇のデ・ニーロとジョー・ペシが凄過ぎるので存在感はやや薄くなってしまうけど、でもレイ・リオッタも良かった。ナレーションによっても作品の独特な雰囲気を作り上げていたと思う。

1990年の公開時に映画館で観たかは憶えていない。同じ年に製作された『ゴッドファーザーPARTⅢ』(日本での公開は1991年)はかつて練馬区の光が丘に有った映画館光が丘テアトル西友で観たのは憶えている。光が丘テアトル西友には結局その時しか行かなかったと思う。2000年4月に閉館。
1990年のアカデミー賞受賞作、ノミネート作だと、『ダンス・ウィズ・ウルブス』(作品賞他受賞)、『ゴースト/ニューヨークの幻』(助演女優賞ウーピー・ゴールドバーグ受賞)、『レナードの朝』(作品賞、主演男優賞ロバート・デ・ニーロ、ノミネート)、『運命の逆転』(主演男優賞ジェレミー・アイアンズ受賞)、『ミザリー』(主演女優賞キャシー・ベイツ受賞)、『ホーム・アローン』(作曲賞、主題歌賞ノミネート)、『プリティ・ウーマン』(主演女優賞ジュリア・ロバーツ、ノミネート)なども映画館で観たか記憶が定かではない。
唯一確実に映画館で観た事を憶えているのは『トータル・リコール』(特別業績賞受賞)。映画館で観る前にラストのオチまで完全掲載されているムック本を読んでしまい映画館で観た時にとてもがっかりした事を憶えている。
1990年は恐らく主にレンタルビデオで観ていて、翌年1991年になるとアカデミー賞受賞作、ノミネート作の中で映画館で観たのを憶えているのが増える。観た事だけ憶えていて内容の方は憶えていないのも多く有るが。
1990年は『ダンス・ウィズ・ウルブス』の年だったので『グッドフェローズ』はジョー・ペシの助演男優賞のみの受賞にとどまる。マーティン・スコセッシ監督は2006年の『ディパーテッド』で作品賞、監督賞を受賞。そこら辺は個人的には納得いってない。
マーティン・スコセッシ監督とデ・ニーロとのコンビ作はこの後1991年の『ケープ・フィアー』、1995年の『カジノ』の後に長いブランクが有り(2004年の『シャーク・テイル』で声の共演は有り)2019年にようやっと『アイリッシュマン』が作られる。
思うにスコセッシ監督の作りたい映画の主人公の年齢とデ・ニーロの年齢が合わなくなったのが一つの要因として有るんじゃないだろうか。それは既に本作でも年齢不詳な所も有ったし、『アイリッシュマン』に至っては年齢が不詳過ぎておかしな事になってるし。
多分スコセッシ監督は年寄りが主役の映画は今の所は作りたくないんではないかと思う。だからディカプリオとのコンビに移行したけど正直デ・ニーロとのコンビほど成功しているとは思えない。ディカプリオも同年代かもっと近い世代の監督と組んだ作品の方がいいと思う。
しかしスコセッシ監督の新作"Killers of the Flower moon"の主演もディカプリオ。デ・ニーロも出るみたい。それが傑作になればいいけど。

映画のメインテーマ音楽とも言える"いとしのレイラ"。前半と後半でガラッと曲調が変わり、前半のギターフレーズの方が有名なのではないかと思うがピアノが印象的な後半だけを使用。と知ったのは映画を観てから大分経っての事だけども知ったかぶりをする。




『ベイビーわるきゅーれ』を観た。2021年、日本、1時間35分。
殺し屋の女の子二人。未成年者は組織の施設で生活できるが高校卒業を機に施設を出て二人で共同生活をする事に。殺し屋たる者真っ当な社会人であるべし。というのが組織の方針だった。

池袋シネマ・ロサにて。

アクションが凄いという噂をチラッと耳にしていた。実際の所アクションメインと言うよりは殺し屋だけども現代の普通の女の子の姿が描かれていた。
クライマックスの格闘シーンは噂通りに良かった。不利な形勢を一発で逆転する気持ち良さが有った。

ヤクザの組長役は本宮泰風さん。ケーブルテレビのチャンネルをぐるぐる巡っていて日本映画専門チャンネルみたいな所に行き当たった時にVシネのヤクザモノでよく見かけるイメージ。結局そこもスルーして麻雀番組で落ち着くパターンが多いので役者さんとしてはよく知らなかったが背が高くスタイルが良くてカッコイイ。友近さん曰く実のお兄さんの原田龍二さんはめっちゃ足が長い。という事なので足長ブラザーズ。
芸能界最強の説も有るという事だけど本作ではそういったファイトシーンは無し。故川谷拓三さんの息子さんを理不尽に痛めつけるシーンは有った。川谷拓三さんの家系だから理不尽に思える暴力も映画的には許されるのかもしれない。




『宮田バスターズ(株) ‐大長編‐』を観た。2021年、日本、1時間12分。
宇宙生物の飛来が日常となっている社会。その駆除を生業としている中小企業が新しい時代の流れに翻弄される。

池袋シネマ・ロサにて。

セット、大道具小道具を限られた予算の中で手作りでまかなっているDIY映画という事を売りにしている。身も蓋もない言い方をすれば要はお金が無いという事で、それは映像を見れば明らかで何か貧乏自慢の様でちょっと切ない。
お金を掛ければいい映画になるかというとそうとも言い切れないが、終盤に出てくるロボットのデザイン自体は良くてもうちょっとお金が有ればもっとカッコ良くなったかもしれないなあと思うと残念。

上映前に舞台挨拶が有って満員御礼という事で主演男優さんの音頭で三本締めをした。生まれて初めての三本締めだったかもしれない。貴重な体験をした。



『マリグナント 凶暴な悪夢』を観た。2021年、アメリカ、1時間51分。
夫からの暴力を受け後頭部を痛打した女性が寝込んでいる間に夫は何者かに殺される。警察は日常的に夫からの暴力を受けていた女性に犯行動機が有ると見込み容疑者の一人として捜査を進める中で別の殺人事件が起きる。その殺害の現場を何故か女性は別の場所から目撃していた。

さすがジェームズ・ワン監督はヘンテコで面白い映画を作る。ヘンテコなのにそこに家族愛もしっかりと組み込まれてヘンテコなのに思わず感動してしまった。

一番気に入ったシーンは、鑑識課の女性が仕事はしっかり出来るのだけどちょっとドジな所が有って、警察署内がとんでもない事になった時に思わずその警察に通報の電話を掛けてしまったとこ。状況的にはかなり深刻なのに何故かそこでメインキャラでもないのに更にドジっ子をアピールするその演出が好き。



『ほんとうのピノッキオ』を観た。2019年、イタリア、2時間4分。
困窮を極める木工職人のジェペットは現状を打破するため木工人形で一旗揚げる事を目指し一体の人形を作り上げる。不思議な事に人形に命が宿りジェペットと人形は父子となった。

世界中で有名な100年以上前のイタリアの児童文学を本国イタリアで実写映画化。2002年にもイタリアで本作にはジェペットじいさん役で出演しているロベルト・ベニーニが監督して自らピノッキオを演じた『ピノッキオ』が製作されている。
ロベルト・ベニーニを久し振りに見たけど外見がいい感じのおじいちゃんになっていた。内面の方はそんなに変りない賑やかなままなのかもしれない。
世界中で有名になった一つの要因としてディズニーアニメの『ピノキオ』(1940年製作)が有るのだろうけど観てないかもしれないので、個人的には1972年製作のテレビシリーズのタツノコアニメ『樫の木モック』の印象が非常に強い。再放送、再・再放送、再・再・再放送辺りで観てるのだろうけど、1年間52話放送の長丁場でモックの成長しなさ具合に子供ながらにモヤモヤとしたものを抱えながら観ていたような気がする。
そのモヤモヤがまた有るのかと思ったけど、本作は約2時間なのでピノッキオの成長がテンポよく描かれるので良かった。
人形が学ぶ人が正しく生きるのには。という教訓としては1年間じっくりと描かれていたテレビアニメの方がいいのかもしれないけど。
今後のピノッキオの映画化では、ディズニーの実写化シリーズでロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス出演のと、ネットフリックスでギレルモ・デル・トロ監督のストップモーションアニメが来年あたりに控えている。

カタツムリおばさんが通った後のヌルヌルが面白かった。たけし軍団ガンバルマンで爆笑してきた世代には大好物のシチュエーション。
ビジュアルはリアルと言うか結構グロめ。そこら辺はダウンタウンのコントっぽくも有り、やはり好物なので面白い。
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