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『大怪獣のあとしまつ』『ジギー・スターダスト』『パイプライン』『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』 [映画]

『大怪獣のあとしまつ』を観た。2021年、日本、1時間55分。
日本に突如現れた怪獣。国防軍、首相直属機関の特務隊では歯が立たず被害は広がるばかりだったがある時突然怪獣が謎の光に包まれ活動を停止する。怪獣の死亡が確認されるとその亡骸の処理に政府は苦慮する。

三木聡監督らしいコメディ映画であったがこれまでの怪獣映画に無かった怪獣の匂い問題にも真面目に取り組んでいてその不真面目さと真面目さのバランスがあまり上手くいっていなかったかなと思う。
コメディ映画としてはふせえりさんがいつになく重要な役だったのが嬉しい。三木監督作品だとふせえりさんは一段と面白い。そこら辺はさすがご夫婦ならではか。
怪獣映画としては恐らく予算が沢山有ったのか映像が安っぽくないのが良かった。ハリウッド級に豪華というほどではないけど。
『シン・ゴジラ』でゴジラが仰向けに倒れるのは体型上無理が有ると思っていたが本作の怪獣がゴジラと似たような体型で横向きに倒れているのでやっぱりそうなるはずだよなあと確信した。
『シン・ゴジラ』の場合は悶絶して上半身だけひねって顔が上を向いているとも考えられなくはないが。

元特務隊で現在は首相の側近を務める男は裏で何か暗躍していたけど、あれは謎の光の正体である選ばれし者の事を探っていたのだろうと思うが目的は明らかにされない。首相は選ばれし者の事を何か知っていたみたいな様子。昼行灯が実はかなりのやり手というのはよくある事。パトレイバーの後藤隊長だったり。
選ばれし者が怪獣を倒した後になかなか姿を現さなかった事にも何か理由が有ったのだろうと思う。
そういった謎を残して続編を作る予定みたい。それがシリアスな謎なのかコメディのオチとしての謎なのか、はたまた続編を作ると思わせて作らないオチなのか。今のところは分からず三木監督のみぞ知る。

嶋田久作さんの台詞は聞き取れたのだけどオダギリジョーさんの台詞が聞き取れなかった。台詞聞き取りずらい俳優の世代交代が起きているのだろうか。

何か独特な雰囲気を持った女優さんがいた。多分その女優さんを見るのは初めてでプロフィールを見ると浅野忠信さんとCHARAさんの娘さんでなるほどと納得した。



『ジギー・スターダスト』を観た。1973年、イギリス、1時間30分。
1973年。デヴィッド・ボウイが宇宙からやって来たジギー・スターダストを名乗って行われたコンセプトライブツアーはアメリカや日本でも大成功。そのツアーのロンドンでの最終公演のライブドキュメンタリー。

今までミュージシャンとしてのデヴィッド・ボウイの事はほとんど知らなかった。かといって俳優としてもあまり知らない。具体的に何をしているのかは知らないけどその存在自体は知っている人だった。でもこれまでにデヴィッド・ボウイとは知らずに耳に入ってきた楽曲は恐らく沢山有ったんじゃないかと思われる。
今回ライブでの歌声を初めて聴いて世界的に評価されているだけあってやっぱり歌上手いんだなあと天下のデヴィッド・ボウイに対してかなり失礼な感想を持って認識した。
あと、パントマイムが上手だった。

観客の当時の若者たちの熱狂ぶりが凄かった。それだけのライブパフォーマンスであったし、それまでに無かった未知のもの、新しいものを自分たちがリアルタイムで目撃して、そしてジギー・スターダストが身をもって伝えるメッセージは既存の価値観なんかぶっ壊してしまえという事だからそれは若者には鋭く突き刺さるだろうなと思う。



『パイプライン』を観た。2021年、韓国、1時間48分。
韓国に埋設されている石油のパイプライン。パイプを穿ち途中でくすねる石油の窃盗、盗油は闇の商売として成り立っていた。二本のパイプが隣接する地点での大規模盗油計画が実行される。

韓国エンターテイメント映画の教則通りといった感じの作品。そうなるとどこかで前に似たようなのを観たように思えてしまう。
犯罪映画として石油を盗むというアイデア(韓国では実際にそういった事件が起こったらしい)は面白いがその計画の大半がトンネルを掘っているだけなのがアイデア不足だったと思う。



『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』を観た。2019年、アメリカ、2時間6分。
アメリカ、ウェストバージニア州。大手化学メーカーデュポン社が自社でも調査しその有害性を知りながら廃棄していた物質が土地の住民を苦しめていた。何とかその事実を隠ぺいしようとする大企業に一人の弁護士が立ち向かう。

池袋シネマ・ロサにて。

ロサにムーブオーバーされたので観た。本作についての前情報は出演者くらい。大体いつもそんな感じ。
ティム・ロビンスがすっかり白髪になっていた。
主演はマーク・ラファロ。製作も兼ねている。マーク・ラファロとデュポンと言えば『フォックスキャッチャー』を思い浮かべるが、『フォックスキャッチャー』でスティーヴ・カレルが演じたジョン・デュポンはデュポン一族の人間ではあるけど両親が離婚し母方に引き取られたため会社の経営には関わっていなかったらしい。と言うか会社に名前は残っているけどデュポン一族自体がもう会社の経営には関わっていなかったのかも。
そして本作で描かれるデュポン社の問題が明るみになった以前にファックスキャッチャーでの事件は起きていてその頃にはジョン・デュポンは刑務所の中。

本作で描かれる主人公の資料整理能力が素晴らしい。FBIの創設者のジョン・エドガー・フーヴァーもその能力に長けた人物だったとクリント・イーストウッド監督作品『J・エドガー』で観た。一見地味な能力ではあるけど世の中に役立つとても有益な能力だと思う。

デュポン社との係争は現在も続いているらしい。そういった事や環境汚染などの事も含めて真摯に描かれていて、主人公が弁護士で法律で正義を貫く姿が描かれているがいわゆるリーガルサスペンスではなかった。
テフロン加工された製品は人体に有害では無い。と、工学博士の北野大さんがコメントされている。



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きょうのポストカード(イベント・ホライゾン) [映画のポストカード]

明日の午後ローはポンペイ。そしてなんと明後日のBSプレミアム午後の映画もポンペイを記念してポール・W・S・アンダーソン監督作品のイベント・ホライゾン。
イベント・ホライゾン.JPG
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シネマ★シネマ★シネマ 1996年 8 [シネマ★シネマ★シネマ]



映画紹介

"BEFORE AND AFTER" 『判決前夜/ビフォア・アンド・アフター』
製作・監督 : バーベット・シュローダー
出演 : メリル・ストリープ、リーアム・ニーソン、エドワード・ファーロング、アルフレッド・モリナ

"RUMBLE IN THE BRONX" 『レッド・ブロンクス』
監督 : スタンリー・トン
出演 : ジャッキー・チェン、アニタ・ムイ、トン・ピョウ

"MARY REILLY" 『ジキル&ハイド』


全米興行成績トップ10

"MR.WRONG" 『ミスター・クレイジー』

"CITY HALL" 『訣別の街』
製作・監督 : ハロルド・ベッカー
出演 : アル・パチーノ、ジョン・キューザック、ブリジット・フォンダ、ダニー・アイエロ

"MUPPET TREASURE ISLAND" 『マペットの宝島』

"HAPPY GILMORE" 『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』
の4本が初登場。
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『ハウス・オブ・グッチ』『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』 [映画]

新文芸坐の改装休業前の特集上映で今 敏監督作品『千年女優』と『パプリカ』の二本立ての日が有ったが、二日ほど前にチケットも取っていて観る気は満々だったのに当日はあいにくの頭痛で断念。
観るはずだった上映回の終了時間頃になったら頭痛が治まったのは頭痛あるあるなのか。まあ無理して行ってたら酷くなっていたかもしれない。
今 敏監督のお兄さんがミュージシャンという事は知っていたけど、音楽業界で信頼の厚いトップギタリストという事は今更になって知った。


目黒シネマでやってる『ダニー・ザ・ドッグ』にも行けず。こちらは『レオン完全版』との2本立てで1週間上映しているけど平日に行くのは難しい。ジェット・リーとモーガン・フリーマンとボブ・ホスキンス。中国のアクションスターとアメリカ、イギリスの名優二人が共演する奇跡のアクション映画を映画館で観られる機会もそうないと思うのでこの際に観直してみたかった。
Danny The Dog [Italian Edition]












ところで話変わって『ぴあ』の映画情報サイト『ぴあ映画生活』が3月いっぱいで終了との事。そうなると映画館スケジュールのサービスも終了になってしまうのだろうか。もう何年も前から「スマホアプリに移行します」とは告知されていたけどあれが無くなるのはかなり困ってしまう。『ぴあ』もコロナ禍で大変なんだろうけど。



『ハウス・オブ・グッチ』を観た。2021年、アメリカ、2時間39分。
イタリアの高級ファッションブランドグッチのお家騒動。

事実を基に創作されていると最初に一文が有ったが映画で描かれている事がほぼ事実なんだろうと思っていた。観た後にウィキペディアでグッチのページを見てみたら色んな事が事実とは大分違った。
本作以前にもグッチのお家騒動を映画化する企画は立ち上げられたけどグッチサイドの許可がなかなか得られなかったという事らしい。本作は事実に基づいてはいるけどあくまでフィクションにするという事で許可が得られたのだろうか。
フィクションで面白かったのはアル・パチーノとジャレッド・レトの親子。落ちぶれてから(と言っても大金持ち)がコメディとしても一級品で面白かった。二人が主役のスピンオフ映画が観たい。おかしいけど切なさもある映画になるんじゃないだろうか。
2、3言だったけどアル・パチーノの日本語が上手かった。



『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』を観た。2021年、アメリカ、1時間33分。
一族の存在そのものが鬱陶しく感じる年頃のアダムス家の長女ウェンズデーは一族のそれぞれの特性を変化させる薬品を開発する。最初の実験台となったフェスタ―おじさんには軟体生物の特性が注入された。
一族をこよなく愛する父ゴメズはそんな娘の事が心配でたまらず絆を深めるためのアメリカ大陸横断旅行を計画し即座に実行する。

前作では変わり者だけど正直者でもあるアダムス一家と表面上は正常を装っているけど裏では異常な事を企んでいる人間との対比を描く事で人間の愚かしさみたいなものが浮き彫りにされていたと思う。それが『アダムス・ファミリー』が作られた大元のテーマでも有るのだろうと思う。
今回も人間は愚かな事を仕出かすけど前回と同じ様な事を繰り返すのではなく、アダムス一家の絆を描くという所がクローズアップされていて変わり者のキャラクターがメインの言わばキャラモノ映画になっている。それはそれで面白い。
自分が観た回には意外と子供達が多かった。『アダムス・ファミリー』が日本でも今の子供達に人気が有るとは知らなかったが思い返してみれば自分の子供の時もアニメに限らず普通ではない変わったキャラクターが好きだったりした。『ハウス・オブ・グッチ』のジャレッド・レトに好奇の目を向けてしまうのは子供の時も年老いた今もそんなに変わっていないからだろう。
キャラモノで言ったら『マカロニほうれん荘』も今の時代でも変わらずに受けるんじゃないだろうか。まさかの実写映画化されてアノ人が監督だったりアノ人たちが演じたりしたら多分観ないけど。
マカロニほうれん荘【電子コミックス特別編集版】 2 (少年チャンピオン・コミックス)




















『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』を観た。2021年、アメリカ、1時間47分。
ラクーンシティは国際的複合企業アンブレラ社によって栄えていた町だったがアンブレラ社の撤退が進められ町は寂れていた。アンブレラ社撤退の理由にはある重大な秘密が隠されていた。

本作を観ながらポール・W・S・アンダーソン監督の『バイオハザード』1作目は本当に面白かったなあとしみじみ思い返していた。
最初からやり直しの本作はより元のゲーム『バイオハザード』に近付けられているのだと思うのだけどゲーム『バイオハザード』を一切やった事の無い立場からするとその事が面白さに繋がらない。
映画としてだけなら『バイオハザード』シリーズの最高傑作はやっぱりポール・W・S・アンダーソン監督の1作目であり未だに超えられていない高い壁だと思う。なんだったらポール・W・S・アンダーソン監督作品の中でも最高傑作であり、ゾンビ映画で言ったら最高に近い傑作であるだろうと考える。その理由としてはその時のミラ・ジョヴォヴィッチがメチャクチャ綺麗だったからというのも大きい。

本作も『アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!』もテロップ大きい映画でその点では両作品とも良かった。
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