SSブログ

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊』『ホリデーロード4000キロ』 [映画]

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』を観た。2020年、アメリカ、2時間4分。
絶縁状態だった父が亡くなり苦しい財政状況から父の家に移り住む事になった娘一家。農場とは名ばかりで農作物や家畜は一切無く家の中には不思議なものが散乱していた。町民との付き合いもほとんど無く変わり者として扱われていた父には1980年代にニューヨークで世界の危機を救った過去が有ったがその事も知られていなかった。

ネタバレ有。

1989年の『ゴーストバスターズ2』の直接的な続編。2016年のリブート版『ゴーストバスターズ』の事はこの際はちょっと置いといて。という事になってるみたい。リブート版はもう5、6年前に観たきりなので内容もよく憶えていないのだけど。それは1984年の1作目、1989年の2作目にも言えた事で何もかもがうろ覚え。オマージュたっぷりな本作を観るにあたってうろ覚えのままで臨むのはあまり良くなかった。でもオマージュ抜きにして本作はオカルト・サイエンス・ホラー・コメディとしては面白かった。コメディとしては役者不足といった感じでやや物足りなかったか。
1作目、2作目と本作を繋ぐ物語として2014年に亡くなったハロルド・ライミスがフィーチャーされているのがとても良かった。それが一番のオマージュではあるのだけど。
しかしCGでその実像を現在の姿として再現してしまうのはどうなのかと思い複雑な心境にもなってしまった。いくらゴーストのお話とは言っても過去の映像だけで十分に感動的だったと思う。
実際にお亡くなりになっている人を悪く言えば感動目的のためだけにその姿を再現するのはこれが前例となってしまいそうな嫌な予感がする。本作以前の『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のレイア姫、キャリー・フィッシャーの場合は亡くなる以前に撮影されていた未使用映像を主に使ったらしい。
『ワイルド・スピード』シリーズの完結時にはポール・ウォーカーの姿が再現されてしまうのでは。もしかしたらCGキャラとして完結作の全編に出まくって大活躍してしまうかも。そんな事になったらやっぱり複雑な気持ちになりそう。

往年のゴーストバスターズたちの再結集もどうだったのかなと思う。嬉しいには嬉しいのだけど少女少年の物語としても観ていた所にいいとこ取りで爺さんたちが現れてもなんかすっきりとしないものも感じてしまう。
でもハロルド・ライミスをCGで復活させてまで過去の出演者を登場させたけどリック・モラニスの姿は無い。存命だし引退もしていないみたいなのだけど。
現在進行中らしい『ミクロキッズ』の方の続編には姿を見せるらしいとの噂は有る。



『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊』を観た。2021年、アメリカ、1時間48分。
ある雑誌の最終号に掲載された一つのレポートと三つの物語。

映画冒頭にこの映画がどの様な形式なのかが理解出来る説明が有るのだけど、テンポ良く、良過ぎるくらいに説明されるので何の事だか理解出来ないままに観ていく事になってしまった。理解力の優れている人なら理解出来るのだろうけど。
映画を観た後にウィキペディアで確認してようやっと理解出来たのは、"ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン"という新聞がアメリカの新聞社から発行されていて、その別冊として"フレンチ・ディスパッチ"という雑誌が発行されて読者は世界中にいる。編集部はフランスのとある街に有るという事で掲載記事はフランスで起きた事が中心。といった事の様。
その別冊雑誌の最終号に掲載される記事の体で描かれるウェス・アンダーソン監督ならではの短編集形式の映画。
それが理解出来ていなかった最初の芸術記事は何がどういう事なのかが分からないままヌードの事で頭がいっぱいで終わってしまった。
二つめの政治記事が始まりどうやらこれは短編集なのだなと理解したのだけど今度は内容そのものがよく分からず。
そして三つめの料理記事は結果的に犯罪記事になって分かりやすくて面白かった。途中でアニメーションになった所が最高だった。終わり良ければ全て良しでもうちょっと観ていたいなと思った所で雑誌そのものが終わりを告げ映画も終わる。出版社の社訓にも現わされていたあっさりとした潔さもウェス・アンダーソン監督ならではだろう。

たまたまビル・マーレイ出演作が続いた。どちらも出演時間は長くはない。
『ゴーストバスターズ』の方はクールを装いつつ情に溢れている作品で、本作は情が無いわけでは無いけどその情もドライに描かれる。作品や監督の資質の違いでもあるのだろうけどどちらもビル・マーレイらしいなと思えた。



『ホリデーロード4000キロ』を観た。1983年、アメリカ、1時間38分。
シカゴ在住のグリズウォルド一家が夏のバケーションでカリフォルニアまで車で向かう4000キロの珍道中。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』でハロルド・ライミスが大フィーチャーされたので未見だった本作をいい機会だと思い配信で観た。
ハロルド・ライミスの監督作品で、我が百点映画『お!バカンス家族』のオリジナル作品。と言っても『お!バカンス家族』はリメイク作品ではなく本作を基本に換骨奪胎して作られた"バケーション"シリーズと呼ばれるシリーズの6作目という事。確かに本作と『お!バカンス家族』は似ている所は有るけどまるっきり同じという事ではなかった。
どちらかというと本作の方がモラル面で社会的に不謹慎で、『お!バカンス家族』は大量に下ネタが増えてそういった意味で不謹慎。まあ不謹慎な事は大概が面白い。

『お!バカンス家族』にも出ていたチェヴィー・チェイスが主演。演技が上手くて面白い。
妻役を演じていたビヴァリー・ダンジェロは『お!バカンス家族』も含めたシリーズほぼ全てで同じ役を演じているらしい。
他にはユージン・レヴィ、ランディ・クエイド、ジョン・キャンディなどが出ていて40年近く前なので当然みんな若い。
シリーズ5作目は本作の主人公の親戚いとこのエディが主役のテレビムービー"Christmas Vacation 2: Cousin Eddie's Island Adventure"(2003年)との事でランディ・クエイドが主演。



シリーズ2作目『ナショナル・ランプーンズ・ヨーロピアン・ヴァケーション』1985年 監督:エイミー・ヘッカリング


シリーズ3作目『ナショナル・ランプーン/クリスマス・バケーション』1989年 監督:ジェレマイア・チェチック


シリーズ4作目『ベガス・バケーション』1997年 監督:スティーヴン・ケスラー


シリーズ6作目『お!バカンス家族』2015年 監督:ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー

コメント(0)