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『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』『ゴッドファーザーPARTⅡ 〈4Kリマスター版〉』『導火線 FLASH POINT』 [映画]

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』を観た。2022年、日本、1時間49分。
連邦軍とジオン軍の地球上での激戦が続く中、実戦部隊であるホワイトベースはある小島で連絡が途絶えた索敵隊の捜索とその島の実情を調べる任務に就いた。ガンペリーで島に向かいアムロがガンダムにカイがガンキャノンに搭乗し二手に別れる。カイは無人だと思われていた島で生活をしている子供達を発見し、一方アムロの前には一機のザクが現れ戦闘となりアムロは行方不明になる。運悪く嵐の直撃に遭いブライトはアムロを置いてカイたちに帰艦指示を出した。

安彦良和さんが総監督を務めた『ガンダム ジ・オリジン』でアニメ化されたのは観ていない。原作漫画は全巻持っている。
本作も特報や予告を目にした時にロボット(モビルスーツ)がCGだったので観ないかも。と思っていたけど安彦さんの最後のアニメ作品になる。と言われていて観なければいけない事になった。それは勘違いでガンダムのアニメ製作に関わるのは最後という事だった。

観る気にはなったけどロボットがCGで描かれている事にはやはり不安だった。ロボットアニメのロボットは手描きである方を良しとする主義なので。
しかし本作の主にCGで描かれたロボットを見たらその長年の主義は簡単にひっくり返された。良かった。特にロボットがメカ、マシーンである事を表現する機械的な動きを見せる時にはCGである事が最大限に活かされている様に思えた。それは手描きでも出来るのだろうけど。
でもただ機械的なだけじゃなくて、ロボットアニメにおけるロボットは、ロボットだからマシーンだから涙は流さないし喋らないけど燃える友情や正義の心は理解出来る(『グレートマジンガー』より)一人のキャラクターであるべきで、そういったキャラクターとしてもCGでしっかりと表現されていた。しかしキャラクターとしての表現はやはり手描きの方がいいんではないかと、これはこれからも頑なに信じていきたいと思う所。これが『巨神ゴーグ』の再アニメ化だったらどうだったんだろう?やっぱりゴーグもCGでという事になったのだろうか。ネコ型ロボットドラえもんはCGになった事も有るけどやはり今でも手描きが主流。
ガンダムとそのパイロットがジオン軍にとっては死神の如く畏れられているというキャラクター性はとてもよく出ていたと思う。パイロットのアムロに関してはジオンの生身の兵士を虫けらの様に◯○◯していたし。
追記
その事について考えてみると、ガンダムがホワイトベースに戻って整備班がガンダムの足の裏を見てあの人の色んな物が付着していた時に「アムロえげつな」と顔をひきつらせるのだろう。
追記の追記
そして偶然近くにいたハロが「アムロエゲツナ、アムロエゲツナ」と繰り返すのだろう。

テレビシリーズの中の一篇でメインストーリーからはやや外れているエピソードを何故長編映画化したのか?安彦監督の口からもその理由は語られているけど個人的に勝手に想像するのは、シリアスな物語の中にもギャグや和むシーンを挟み込みたい安彦監督の資質に有るのではないかと思う。このエピソードには子供達と山羊が出てくるので思う存分にギャグが入れやすい。
安彦監督に限らずアニメーションの監督さんにはギャグ資質を持った人が多い様にも思う。無い人が思い浮かばないくらい。



『ゴッドファーザーPARTⅡ 〈4Kリマスター版〉』を観た。1974年、アメリカ、3時間20分。
ヴィトー・アンドリーニは9才の時にたった一人でシチリアからアメリカに移住する。その際に名前をヴィトー・コルレオーネと決められ、やがて青年となりニューヨークの一角で仲間と共に輸入業を始めとしてコルレオーネ・ファミリーを築き上げニューヨーク最大のマフィアとなる。ヴィトーの後を継いだマイケルは事業の更なる拡張を進める。そのためにはマフィアの古参ハイマン・ロスと手を組む事が必要だった。そんな中で命を狙われるマイケルは身内の何者かが裏切り者である事を察知する。

新文芸坐にて。『ゴッドファーザー』シリーズ三部作が上映されて期間中は一気観出来る機会も有るけど多分本作だけはまだ映画館で観た事が無かった様な気がするので本作だけを観る事に。

ヴィトーとマイケルの対比が描かれるが二人の人間性に違いはほぼ無いのだろうと思う。違うのは二人が生きた時代だけ。その事は劇中でマイケルもママに「時代が違う」と言っていた。
ヴィトーもマイケルも家族とマフィアとしてのファミリーを何よりも大切に思っている。ヴィトーの時代はその大切なものを守るためにはその事だけを考えていれば良かったが、ファミリーが大きくなったヴィトーの晩年からマイケルが受け継いだ時代では時には非道なまでの暴力を使わなければならない。そのために敵が増え、そしてその敵には暴力で対抗しなければならなくなる。その連鎖から抜け出せなくなってしまったマイケルの前からは何よりも大切な家族が一人また一人と姿を消していく。
ヴィトーは家族とファミリーを愛し、そして家族とファミリーから愛された。マイケルも同じ様に家族とファミリーを愛したがその愛を奪われないための厳しさや冷酷さのため家族やファミリーからも恐れられる。
今回上映される『PARTⅢ』はコッポラ監督自身によって新たに編集し直された『ゴッドファーザー〈最終章〉: マイケル・コルレオーネの最期』で、そのバージョンの方は配信で観たけどシリーズ1、2作目を観て、その続きで観た方がコッポラ監督の意図したものがより理解出来たのかもしれない。

本作のデ・ニーロは正統派な二枚目の雰囲気が有ってカッコいい。当時は30歳前後。本作以前の出演映画はどちらかと言えばマイナー作品で、しかし監督はマーティン・スコセッシやブライアン・デ・パルマだったりする。スコセッシ監督作品『ミーン・ストリート』だけ大分昔にレンタルビデオで観た記憶が有る。
それがいきなり大メジャーな作品に出て、で、いきなりアカデミー賞助演男優賞を受賞するというサクセスストーリーもカッコいい。
『ゴッドファーザーPARTⅡ』からは助演男優賞にデ・ニーロを含めて3人がノミネートされている。リー・ストラスバーグとマイケル・V・ガッツォ。ノミネートはされなかったけどフレドを演じたジョン・カザールも良かった。
クリント・イーストウッド主演作品『サンダーボルト』からジェフ・ブリッジス、『タワーリング・インフェルノ』からフレッド・アステアがノミネート。

本作で何と言っても印象深いのはアル・パチーノのダイアン・キートンへの全力びんた。アル・パチーノが役に入り込み過ぎて軌道的にはびんたでは無く左ストレート。



『導火線 FLASH POINT』を観た。2007年、香港、1時間27分。
香港警察のマー刑事は犯人逮捕のためなら暴力による手段も厭わずその結果暴力刑事のレッテルを貼られ香港警察音楽隊への異動を命じられる。マー刑事の相棒ウィルソンはベトナム人三兄弟への潜入捜査を続けていたが協力者が現れた事で三兄弟の逮捕へと事態は動き出しマー刑事も現場に復帰する。

目黒シネマにて。
~宇宙最強の男、ドニー・イェン三連撃!~として『レイジング・ファイア』と、本作か『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』どちらかの組み合わせの2本立てで上映。本作だけを観た。

本作は2007年製作で日本では2011年にDVDが発売。その後期間限定で東京ではシネマート六本木で劇場公開された。

久し振りに観たけどやっぱりキャラクターとアクションが良かった。ドニーさん演じる無敵のマー刑事とルイス・クー演じる不死身のウィルソン刑事のコンビがいい。広東語でのやり取りが面白い。ウィルソンはマーほどには強くないけど何が有ってもとにかく死なない。普通なら2、3回は死んでる。
そして無敵のマー刑事。コリン・チョウ演じる悪役のベトナム人3兄弟の次男トニーとのタイマン対決は最初互角だけど闘っている間に自然とマー刑事の方が強くなる。どんな強敵でも闘うと必ず相手より強くなるのはアクション映画の主役はそういうものだけど、必殺技とか秘密兵器で勝つのではなくて(それはそれでその面白さも有るけど)純粋に戦闘能力のレベルがアップする。それがアクションシーン自体でも次第にマー刑事が攻勢になっていくのが段階を追って表現されているし、そして何よりドニーさんの表情や振舞いで強くなっていっているのが分かる。それが観ていて気持ちいい。
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きょうのポストカード(グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち) [映画のポストカード]

今日のBSプレミアム午後の映画はグッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (2).JPG


そして今日と明日のBS松竹東急よる8銀座シネマはボビー・フィッシャーを探して、サイダーハウス・ルールとアメリカ映画の良質なドラマ作品が並ぶ。



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