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『ポリス・ストーリー/香港国際警察』『オフィサー・アンド・スパイ』『ウェイ・ダウン』『息子の面影』 [映画]

『ポリス・ストーリー/香港国際警察』を観た。1985年、香港、1時間46分。
香港警察特捜課の熱血刑事チェン。麻薬組織撲滅のため命懸けで組織のボスを逮捕し一躍ヒーローとなるが裁判で有罪を確実にするための計画が裏目に出てチェンを追い詰める。

以前に2、3回は観ていると思うがどうしてもアクションをメインにして観てしまう。なのでアクションシーンだけやそのメイキング、NGシーンなどは2、3回とは言わずもっと観ているだろうと思う。それは本作だけでなく今までの多くの作品が似た様な感じで観ていたかもしれない。
今回は内容もちゃんと把握して観れた。香港映画界のスーパースタージャッキーのジャッキーによるジャッキー、そしてジャッキーファンのための映画。その様に思えた。ジャッキーが当時やりたかった事見せたかった事をファンサービスも目一杯に詰め込まれているのでファンとしてはとても楽しいし嬉しい。ウィキペディアを見ると、撮影は先ずアクションシーン有りきで進められストーリーがアクションに合わせられたとの事。

ジャッキーを含め香港の女優さん男優さんは何故あんなに可愛いのか。容姿だけの事ではなく存在自体が。その理由はよく分からないけどとにかくみんな可愛い。
香港映画が自由で幸せだった時代なのかもしれない。それがスクリーンからも溢れ出ていたと思うのは勝手な思い込みかもしれないが。

この当時はまだ香港映画では本人の声ではなく吹替え。音声は撮影時に同録ではなく後でのアテレコのために香港映画では合理的に吹替えの人で進められたという事なのか。
当然ジャッキー本人の声とはちょっと違うなあと思いながら吹替えの人も熱演されていて良かった。日本語吹替えだとジャッキー専属の石丸博也さんが知られているけど、広東語吹替えの人がどういう人だったかは知られていないのだろうか?各作品でそれぞれ別の人が担当していたりするのか?

新文芸坐、香港アクション レジェンドまつり!にて。
本作と『少林寺 4K版』の二本立て。他にはブルース・リー主演作品4本がラインナップされていた。ブルース・リー主演作品もちゃんと観たのは『燃えよドラゴン』だけだったりする。
本作だけを観たがネット予約の際2本とも観るのだったら2本目の席も指定して確保しておかなければならないみたい。考えてみれば今回の自分の様に1本だけという人もいるだろうからそれはごもっともだなと納得だけど、知らないでいたら1本目を予約したら2本目も自動的に同じ席が予約されるものだと思って面倒臭い事になりそう。これまでそういうトラブルは無かったのだろうか。
前は当日に限っては2本立てを何回でも観れたが(やった事は無い)今のシステムではきっちり2本で終わりという事か。早稲田松竹や目黒シネマの場合はどうなんだろう?
2本立ての購入手順https://www.shin-bungeiza.com/news-20220430.html



『オフィサー・アンド・スパイ』を観た。2019年、フランス=イタリア、2時間11分。
1894年、フランス陸軍ドレフュス大尉はドイツに通じているスパイであるとして軍籍を剥奪されフランス領ギアナの離島の監獄に収監される。ドレフュスがユダヤ人である事が軍事裁判の判決にも影響が有ったのではないかと言われる中、ドレフュスがスパイである証拠を提出した防諜部隊を新たに率いる事になったピカール大佐はかつて軍大学の教え子であったドレフュスの無実の情報を手に入れ速やかな再審理を上層部に進言する。

日本の予告では大逆転劇として宣伝されている。感動作とも取られかねないがそんな感動させようとする気はさらさら無かったのかもしれない。それが顕著だったのがラストシーン。かつては大学での教師と生徒の関係でもあり、ドレフュス事件と呼ばれる今回の件で戦場では無いけど同じ敵と戦った戦友でもあり、そういった熱い友情の物語としがちな所を物凄くドライに締め括っているのが良かった。
脚色されている所は有るのだろうけどあくまで事実を伝える事を主旨としているのではないか。その上でドラマ性もサスペンスも作り出されているのも良かった。

今の世の中の風潮として監督の名前はあまり出してはいけないのか。今から20年前の作品は世界中で絶賛され、数年前までも名監督として認識されていたと思うが。
1977年に逮捕され有罪判決を受けるがアメリカ国外へ脱出。本人は冤罪を主張しているがアメリカ国内では再逮捕され実刑が確実とされているため二度と足を踏み入れてはいない。
その監督の境遇は本作と重なる部分は多く有るがドレフュス事件は巨大な権力と闘う事で真実が明らかになった。監督の場合はあえて闘わない事を選んだのか、それとも何らかの不都合な理由で闘えなかったのか。
アメリカ以外の国で映画を作り続ける事が映画監督としての闘いだったのかも。



『ウェイ・ダウン』を観た。2021年、スペイン=フランス、1時間58分。
イギリス人チームによってスペイン領海で引き揚げられた財宝はスペイン国税局に没収された。その財宝の真の価値を知る者は少なくイギリス人チームは保管されている銀行への財宝奪還作戦を決行する。

子役として大成功したフレディ・ハイモアも今年で20歳。青年俳優としての主演作品である本作ではプロデューサーも兼ねている。
テレビドラマの方でも着実にキャリアを重ねているらしく、そちらでも主演、製作、そして監督、脚本も経験しているらしい。

監督はスペインのジャウマ・バラゲロ。スペイン映画はちょっと風変わりな所が有ってそれが面白い。ジャウマ・バラゲロ監督の代表作は主観映像によるホラー映画『REC/レック』シリーズだろうと思うが『スリーピング・タイト 白肌の美女の異常な夜』なんかは相当変わっていて面白かった印象。
『スリーピング・タイト』の主演俳優ルイス・トサルは本作にも出演している。
そのジャウマ・バラゲロ監督を起用した割に犯罪アクション映画としてはそこまで変わった所は無かったのが残念だけどスペイン銀行内部の構造は変だった。建物の中に奈落の底が有る銀行。



『息子の面影』を観た。2020年、メキシコ=スペイン、1時間39分。
メキシコからアメリカへと旅立った息子が消息を絶ち母親マクダレーナはその行方を探す。最後の連絡が有った国境付近の町はギャングが支配し多くの国境通過者の命が奪われている危険地帯だった。
アメリカから強制送還された青年ミゲルは母親の元へと帰ろうとしていたが5年が経った町はすっかり変わり果てていた。
実家へと向かう道中、独り歩くマクダレーナを見つけた心優しいミゲルは唯一の手掛かりとなる人物を探すマクダレーナに協力を申し出る。

ネタばれ有。

『母をたずねて三千里』の母親が子供を探す逆バージョン。三千里は12,000キロメートルでそこまでの距離は無いと思うが、メキシコの現状がもたらす悲劇によって母親と息子の間を隔てる距離は三千里以上と言うか数字では測れないほどに離れてしまったのではないだろうか。そういった悲劇の物語として良かった。現実を色濃く反映しているのに良かったと言うのもどうなのか。
最近の特にハリウッド映画によってメキシカンギャング、麻薬カルテルの残虐さは知れ渡っているが、メキシコ全体が悪の巣窟という事は恐らく無いはずでメキシコ人同士の間でも加害者と被害者がいる。その被害者が受ける痛みや苦しみが描かれていてその事を知る意義は有る。どうにかならないものかと思うけどどうにもならない負の作用が強固に働いているのだろうなと他の国の事として冷めた考え方をしてしまう。

息子の面影という邦題は原題の直訳なのかは分からないが、その意味はマクダレーナがミゲルに息子の面影を見たという事も有るのだろうけど、それとは別にあの時に息子と再会して、2ヶ月ぶりとかそこまで長く会えなかったわけではないけど、その会えなかった間に息子はかつての面影を残しただけの別の人間になってしまっていた。という意味でも有るのだろうと勝手に解釈した。



『クラウディ・マウンテン』で寝た。そして途中で出た。
これまでも何度も経験しているからこそ分かるマズい、寝そうと感じたその不安を裏切らずにウトウト。
目が覚めて映画の中の状況を完全に見失ったのでこれ以上観ていても仕方無いなと思い退出。あんまり後悔は無かったがそれもどうなのかと思う。
今年は居眠りが多い。このままいくと初の2桁に乗せてしまうかもしれない。
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