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ウルフズ・コール、鵞鳥湖の夜 [映画]

ウルフズ・コールを観た。
シリア海域で極秘任務中のフランス海軍の潜水艦チタン号。謎の潜水艦の出現により任務失敗の危機に立たされるが艦長の英雄的行動によって事なきを得る。
謎の潜水艦がデータを消されたロシア軍の潜水艦と判明し、そしてロシアとの対立が情勢を緊迫させる中でフランスは抑止力として核ミサイル搭載の原子力潜水艦レフローヤブル号の配備を決定。その直後、謎の潜水艦によるフランス本国に向けての核弾頭ミサイルの発射を確認。着弾まで十数分。回避行動とともに大統領による報復命令が出されレフローヤブル号が現場に向けて出動する。

このまま核戦争へと突入か?という緊迫感の中で、為すべき事を為さねばならない行動規律が絶対の軍人と、核戦争絶対阻止へと確固たる意志で臨む軍人、同じ軍人同士でどちらも信念を持って一つの事をやり遂げようそしている。ただ立場が違うだけで、その違いがサスペンスを作り上げていた。「潜水艦映画にハズレ無し」の映画格言はやや盛り過ぎかと思っているが本作もハズレでは無かったと思う。
主人公の黄金の耳を持つソナー員がイケメンという事で出会ったその日のベットインロマンスも有るがそれは後々ちゃんと必要なロマンスだった。ベットインまではしなくても良かったような気もしないでもないがサービスカットとして楽しんでしまった身としてはそう強くは否定出来ない。



鵞鳥湖の夜を観た。
2012年、開発計画が滞っている地方都市。オートバイの窃盗グループ内でいざこざが発生しそれはやがて警察官殺害事件へと発展してしまう。警察が懸賞金もかけ総力を上げて捜査する中、対立するグループにも追われる犯人の男はある計画のために妻と会おうとする。しかし男の前に現れたのは見ず知らずの女だった。

2019年製作だが2012年が舞台となる所が重要なのかなあと思う。2012年に何か特別な事が有ったのかそれはよく分からないけど、本作のどこか気だるい雰囲気というのは中国が国内外で経済市場的には大きく発展していっているが実際大部分の人はそれに付いていけていなかったからではないだろうか。今までの生活とは全く別のところへ向かっていこうとする社会、本作の場合開発計画が止まっている事もあり中途半端な宙ぶらりんな特殊な状態。それと、それまでの生活、生き方と言うかそれを捨てきれない人々。社会と人々の間の埋まらない空白が何かしらの歪みを生み出してしまいそれまでの社会だったら起こらなかったかもしれない事件も起こってしまう。恐らく5、6年前ならあの土地は鵞鳥湖だけが頼りの観光地だったのではないだろうか。それはそれで物騒な土地柄だったかもしれないが。
それが2012年にはちょっと不釣り合いなくらいの立派な駅が建っていたりして、でも駅以外は寂れた雰囲気だったりしてどこかアンバランスな状態。
そういうのが顕著だったのが2012年とかその辺りなのではないだろうか。そしてそれが現在の中国社会にも大きく影響を及ぼしているのではないか。
もはや後戻りはできなくて辛い事も多かったけれど中にはちょっと幸せを掴んだ人もいる。というのがこの映画の中での救いだったと思う。
そんな事よりグイ・ルンメイの出演作という事で満足している所が個人的にはかなり有る。
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