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フリードキン・アンカット [映画]

フリードキン・アンカットを観た。2018年、1時間46分。
ドキュメンタリーの手法を生かしたフレンチ・コネクション(1971年)、エクソシスト(1973年)が批評、興行で大成功し一躍人気監督になったウィリアム・フリードキン監督。意欲作の恐怖の報酬(1977年)は興行的には失敗(同年公開のスターウォーズは記録的大ヒット)するがそれ以降も映画ファンを魅了するフリードキン監督ならではの作品を作り続ける。

amazonの配信にて。

2017年頃に撮影されたドキュメンタリー作品。
ウィリアム・フリードキン監督自身へのインタビュー、同時期に活躍した監督仲間やフリードキン監督の作品を観て育った映画監督達、そして作品のスタッフ、出演俳優からの証言で構成。
あの人やあんな人までが出てきてそれだけでも観ているこちらは勝手に盛り上がる。一つ残念なのはフレンチ・コネクションの主演俳優(アカデミー賞主演男優賞を受賞)のジーン・ハックマンは引退状態にあるので出ていない。もしかして久し振りに姿が見られるかもとちょっと期待してしまった。

主に語られのはやはり代表作フレンチ・コネクション、エクソシスト、恐怖の報酬。しかし、代表作と呼ばれるのが3作品も有る映画監督もそんなにはいないと思う。
その他に話に出てくるのはクルージング(1980年)、L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年)、BUG/バグ(2006年)、キラー・スナイパー(2011年)。残念ながら話には出てこなかったハンテッド(2003年)も個人的には面白かった印象。
未見の作品や観たけど昔過ぎて覚えていない作品も有るので機会が有ったら観ていきたい。

フレンチ・コネクションのカーチェイスシーンはゲリラ撮影で普通に一般車が走行している中での撮影だったとか、エクソシストで神父を演じたマックス・フォン・シドーは実際は無神論者(ウィキペディアによると不可知論者。不可知論とは、例えば神については神の存在を証明出来ないので否定も肯定もしない。という事の様)だったとか興味深いエピソードが聞ける。
恐怖の報酬での吊り橋渡りのシーン撮影の話はもっと詳しく深掘りして欲しかった気もするが、撮影裏話等は知らずに映画本編の中で目撃してスゲエ事してんなあと度肝抜かれるのが正しいのだろう。

フリードキン監督はかつての夢に溢れたハリウッド映画が大きく転換期を迎えた時代に間違いなくその中心にいた映画監督の内のお一人だろうと思う。それはそれまで誰もしてこなかった事へ挑戦したからで有り、その挑戦の結果は大成功も有るし大失敗も有る。しかし、その大失敗によって次の大成功が生み出され映画は進化してきたのだ。という事が出演者のお一人も語られていてなるほど仰られる通りだなあと思った。
大失敗した人が再挑戦して大成功すればいいのだろうけど、大成功を生み出すのが別の才能有る人物だったり、たまたまその時に運に恵まれた人だったりするのが世の常だったりもするのだろう。
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