Disney’sクリスマス・キャロル [2009年11月に観た映画]
『Disney’sクリスマス・キャロル』
“A CHRISTMAS CAROL” (2009・アメリカ) 1h37
製作・監督・脚本 : ロバート・ゼメキス
声の出演 : 山寺宏一、安原義人、熊倉一雄
偏屈な老人がクリスマス精神の大切さを知る。
ジム・キャリーにぴったりな映画でした。と言っても3Dで観たので吹き替えなのですが。
でもダークなコメディとハートウォーミングなドラマがいい具合にブレンドされてて、ジム・キャリーにはぴったりでした。
吹き替えも良かった。
しかしながらアニメ的な表情、動きがジム・キャリーの面白ポイントの一つなはずで、それは本物の人間がアニメ的な事をするから面白いのであって、それをアニメで見せられてもなぁ。と思わなくもない。
そんな中で一番印象に残ったキャラクターが最もアニメっぽい過去の精霊だったのは、やっぱりアニメはアニメ。って事なんじゃないだろうか。
ロバート・ゼメキス監督は、モーション・キャプチャーで役者の表情や仕草をリアルに表現できるCGアニメにご執心のようですが、それのメリットって何なのか?を考えると一つに俳優がありとあらゆる役を演じる事が出来る。という事かと思う。
ゲイリー・オールドマンもゲイリー・オールドマンらしからぬ役を演じていた。
そうなると俳優はもはやデータ取りのためだけにしか存在価値が無くなるんじゃないだろうか。
と言うか過去の映像・音声のデータさえ有ればもう何でも出来るんじゃないだろうか。
組合がうるさいからその可能性は低いかもしれないけど。
今回体験した3D方式はドルビー3Dデジタルシネマ。
3種類の方式の中でこれが自分には一番合っていた気がする。
メガネはエクスパンディーよりやや小ぶりでやや軽め。ぴったりフィットな装着感。
画面が薄暗くなってしまうのは3種類とも一緒で、これはもう致し方ない。と諦めるしかないようです。
3Dに関する個人的問題として、カメラの横の動きについていけない。
上下と奥行きの動きは問題ないのだけど、左右に動かれると画面がブレてやや不快。
3D映画の魅力には未だ嵌れていませんが、『アバター』はドルビー方式で鑑賞予定。
その『アバター』の新しい予告が上映されていますが、酷いネタバレ。ほぼダイジェスト。
出来れば見たくなかったので目を伏せていましたが、運悪く吹き替えでの予告。耳も塞げばよかった。
ある程度のストーリーが分かってしまったのがとても残念。
まぁ宣伝的にはジェームズ・キャメロン12年ぶりの新作。というだけでは弱いのは分からないでもないけど。
12年も表舞台に立たないとやっぱり過去の人なのだろうし。
ハリウッドスターも出てないから内容で勝負。という事なのでしょうが、しかしあそこまでネタバレしなくてもいいと思う。
多分ネタバレ予告以外のものが何か有るんだろうけど。と言うか有って欲しい。
サイドウェイズ [2009年11月に観た映画]
『サイドウェイズ』
(2009・日本) 2h03
監督 : チェリン・グラック
出演 : 小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香、菊地凛子
堅物と不真面目。二人の中年男の酔いどれ珍道中。『サイドウェイ』の日本版リメイク。
『フラガール』が『プリティ・リーグ』からこっそりとアイデア拝借したのと違い、本作は本家公認の正々堂々としたリメイク。
因みにこちらも本家マーベル公認。
あぁ~~~~~~、いぇいぇぃえ~~~ぃ、わおっ!いぇいぇぃえ~~~~ぃ、わぁおっ!
わぁおっ!をあれだけカッコよく雄叫べる日本人がいたとは。驚き。
ネタバレ有り。
日本人による空々しいアメリカ風演技を見せられてしまうのだろうか。と心配な所もあったけど、実際確かに空々しい所も無きにしも非ずだけど、それでも概ねは気にならなかった。
描かれているテーマが迷える中年たちの人生探し。という全世界共通とも言えるものだからだろうか。
アメリカ人の思考や感情をなぞっている日本人がいるのではなくて、ちゃんと日本人の思考や感情を持った日本人がそこにいる。
だから多分韓国やフランスでリメイクしたとしても、そこにはちゃんとした韓国人やフランス人がいるのだと思う。
気になる所は飲酒運転とフルチンでしたが、飲酒運転はさすがに日本人のモラルとして気が咎めるのか、ちゃんと配慮されていました。
フルチンの方も配慮なのか何なのか分かりませんが別の手段を使ってました。
最後が著しく盛り上がりに欠けた様に思うけど、あれは主人公が書いていたシナリオが地味で盛り上がりの無い内容だったから。って所に掛けているのだろうか。
オリジナルの方もあんな感じで盛り上がりに欠けていたっけか?完全に忘れてる。
ディセント2 [2009年11月に観た映画]
『ディセント2』
“THE DESCENT: PART 2” (2009・イギリス) 1h35
監督 : ジョン・ハリス
出演 : シャウナ・マクドナルド、クリステン・カミングス、ギャヴァン・オハーリヒー
前作で失踪した6人の女性達を探すため、あの洞窟に6人の捜索隊がディセントする。
ネタバレ有り。
『レック2』同様に前作の直後(本作は2、3日後?)からの続き。
前作で面白かったのは予測不可能な意外過ぎる展開でしたが、今回はその手は使えず、じゃあ何をするのかといったら前作を越えるグロ過ぎるショッキングシーンが繰り広げられるわけで、それを楽しめれば面白いのだろうけど、それを楽しめないとちと辛い。辛かった。
しかし本作にも意外過ぎはしないけど意外な展開が待っていました。
あの人の復活。
あの人の復活によって、前作での人間ドラマに幕が下ろされる。お見事でした。
しかし地底人ホラーとしてはまだ続けたい様で。
『レック2』同様続きが有りそうな終わり方。
次回で地底人の謎が明かされる?
クヒオ大佐 [2009年11月に観た映画]
『クヒオ大佐』
(2009・日本) 1h52
監督・脚本 : 吉田大八
出演 : 堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文、内野聖陽
ジョナサン・エリザベス・クヒオ。36歳、アメリカ人、米軍パイロット。父はカメハメハ大王の末裔・・・
全部がウソの結婚詐欺師。
ネタバレ有り。
人を騙くらかして自分だけいい暮らしをしようなんてけしからん。と若干腹立ち気味に観ていましたが、観ていくとクヒオ、結構いい奴でチャーミング。
かなり突飛な騙し方で、クヒオも詐欺師としては一流とは言えないのだけど、どっかでそのチャーミーさがにじみ出て女性は騙されちゃったのかなぁ。と妙に納得できてしまう。
クヒオとクヒオが騙くらかしている女性の弟とのやり取りはまるでコントのようで面白かった。
「お前アメリカ人じゃねぇだろ」と弟に一発で見破られ、それまで女性達の前では堂々としていたクヒオがシュンとなってしまう。
その弟にゆすられ苦労して100万円を用意し手渡すクヒオ。ドルに両替してから。
日本人ってバレてんのにそういう所は変に律儀。クヒオ面白い。
クヒオVS銀座ホステスも面白かった。
騙し合いの心理戦が繰り広げられるのかと思いきや、ホステスの方が数段上手でクヒオいいように遊ばれてる。
そこらへんの遊ばれ具合もなんだかクヒオ可愛い。
クヒオ、正義感が強いところも有り、そこは『パーフェクト・ワールド』のブッチを思い出しました。
クヒオの少年時代も描かれ、何故クヒオが人を騙すようになったのかが分かり、ちょっと哀しくてシーンとしては良いと思うのですが、そこで映画のカラーが変わったようにも思え、深イイ話しに持っていこうとしてんのかなぁ。と、なんかヤな感じ。
しかし、一旦クヒオには詐欺師にならざるを得ない状況があったのだ。とクヒオを正当化しておいて、最後で実際の所はクヒオは生まれついての詐欺師、ナチュラル・ボーン・詐欺師なのでした。というオチがついたので良かった。
変則二部構成ですが、一部と二部の繋がりがよく分からなかった。
湾岸戦争時の日米の関係性と、クヒオと女性達の関係性。
アメリカに騙される日本。騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか。といった所だろうか。
PUSH 光と闇の能力者 [2009年11月に観た映画]
『PUSH 光と闇の能力者』
“PUSH” (2009・アメリカ) 1h51
監督 : ポール・マクギガン
出演 : クリス・エヴァンス、ダコタ・ファニング、カミーラ・ベル、ジャイモン・フンスー、クリフ・カーティス
超能力者の能力を飛躍的に高める薬物をめぐり、超能力者同士の争奪戦が繰り広げられる。
念力系の超能力は見た目が派手で分かりやすいのだけど、予知や洗脳が分かりづらかった。主人公側と悪役側が互いに予知や洗脳をし合っているので何が何やら。
なので後半はほとんど状況が理解できず。何の目的で何をしているのかが分からなかった。
多分脚本の段階では練りに練り上げた、破綻の無い整合性のある物語だったのかもしれない。
ただ練り過ぎたがために、それらが一瞬で過ぎ去ってしまう映画、特に巻き戻しの出来ない映画館で観た場合にそれが理解しやすい作品だったのかというと、そうではなかったような気がする。
とか言ってんのは、単に自分の理解力の無さを他人のせいにしているだけなのかもしれません。
最近の作品にありがちな続編への含みを持たせた終わり方。
映画でやるよりかテレビドラマでやった方が良いんじゃないだろうか。
舞台は香港。
押井監督の『攻殻機動隊』の影響有り。と勘繰ってもあながち間違いでは無さそう。
な気がする。
映画とは関係の無い話しで。
この日は新宿アルタの近くでロマンポルシェの掟ポルシェ氏を発見。
向かって左側の長髪の方。
ほぼこんな感じの服装で、眼光鋭く近寄りがたい感じで歩いておられました。
スペル [2009年11月に観た映画]
『スペル』
“DRAG ME TO HELL” (2009・アメリカ) 1h39
監督・脚本 : サム・ライミ
出演 : アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイヴァー、ディリープ・ラオ、デヴィッド・ペイマー
ライミ濃いめのエキセントリック・ホラー。
ライミが濃かった。長年溜めに溜めてきたライミを一気にドバァッとぶちまけた感じ。
本作はアメリカでは興行的に今イチだったようで。
『スパイダーマン』で一躍ビッグネームの仲間入りをしたものの、「俺のライミはそんなものじゃないんだ。俺の本当のライミを見せてやるっ!」と叩きつけたら一般の人がポカーンとした。みたいな感じだろうか。
やっぱりサム・ライミは基本的にマニアックなんだと思う。
かく言う自分も濃いライミはちょっと苦手で、好きなのはライミの薄い、ビリー・ボブが泣かせる『シンプル・プラン』だったりします。
ライミが濃いので好きなのは『ダークマン』。
マイケル・ジャクソン THIS IS IT [2009年11月に観た映画]
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
"THIS IS IT” (2009・アメリカ) 1h51
監督・出演 : ケニー・オルテガ
出演 : マイケル・ジャクソン
マイケル・ジャクソン最後のライブのリハーサル。
リハーサルなので本気ではない部分も多々有ったのかもしれないけど、それでも素晴しかった。
マイケル・ジャクソンの事といえばゴシップの事の方が詳しいかも。それでも知っている曲も有り、それらが圧巻のパフォーマンスで繰り広げられる。
後半になるにつれ誰もが知っているような有名な曲が連発されて嬉しいのと反面、それは終幕に近付いている事でも有り、マイケルのパフォーマンスももう見れなくなるんだと思うと寂しくもなりました。
リハーサルならではのマイケルの素顔がチラッと垣間見れる所も良かった。
より良いものを追求するプロフェッショナルとしての厳しさと、マイケル個人、人としての優しさ。そんなものが見えた気がする。
映画の最後の方でマイケルからスタッフへのスピーチがあって、そこで何故か話しが大きくなって愛(人間愛、自然への愛)について語りだしちゃうけど、愛を語るなんてどこか胡散臭いものを感じるものなのに、マイケルの場合だと商売抜きで愛を語っているように思え、この人って本当に純粋な人なのかもしんないなぁと思いました。
とか言って正直な所、生前のマイケルには色んなゴシップを鵜呑みにして胡散臭さを感じていたのですが。
でもこの映画で素顔のマイケルをほんのちょっと見ただけでもその純粋さを感じ取る事はできました。
それとやっぱり圧巻のパフォーマンスは、それらのゴシップを軽く吹き飛ばしてしまうほどのものでした。
今まで2時間近くマイケルを見続ける事って無かったですが、今回見続けてみてマイケルの体型ってなんか独特。
どこが独特なんだろう?と考えながら見て気付いたのは、腕が長くて細いのと、それとはアンバランスなほどに手が大きい。
でもそのアンバランスさがダンスパフォーマンスをより舞台映えさせているようにも思える。
それは細身のジャケットを着るとより強調される。MA‐1を着ている時はそうでもなかった。
しかしマイケルの着るMA‐1って幾らぐらいなんだろう?なんかメチャメチャ高そうな気がする。
因みにこちらは5,800円。
あまり関係の無い話し。
マイケルの掛け声レパートリーの中で「パオッ!」(「アオッ!」かもしんない)って有るけど、その掛け声を聞くと漫画版『風の谷のナウシカ』の中で銃声とかガンシップの主砲の発射音のオノマトペに「パウッ」ってのが使われていたのを思い出す。
オノマトペとは
REC/レック2 [2009年11月に観た映画]
『REC/レック2』
“[REC]2” (2009・スペイン) 1h25
監督・脚本 : ジャウマ・バラゲロ/パコ・プラサ
出演 : ジョナサン・メヨール、マヌエラ・ベラスコ
前作で暴れまくったゾンビに驚きの真相が隠されていた。
かなりネタバレいきなり有り。
悪魔がその真相だとは思わなかった。
確かに前作の最後の方でそんな感じは匂わせてはいたけど。
でもって悪魔がイモ虫形態だったとは思わなかった。しかも口から口への移動。なんか『ヒドゥン』みたいだった。
『ヒドゥン』の場合、極悪宇宙生命体なのでイモ虫でも有りでしたが、悪魔がイモ虫ってのはなかなか無い発想だと思う。
悪魔を実体化するとしたら、こんな感じがまぁ普通だと思うのだけど。
角が有って翼が有って黒っぽくて、なんかとんがったモノ持って。
前作終了時点の直後から映画は始まり、事件解明に向けてSWATチームが例の建物に潜入して更に事件が起こるわけですが。
そのSWATチーム、少数精鋭(4人のチームで内1人が撮影担当なので実質3人)のはずなんだけど、精鋭と呼ぶには今イチ頼りない。すぐに弱音を吐く。もうちょっとしっかりして欲しかった。
本作の前に前作を観直してみました。
観直してみたら、前作面白かった。
前に観た時は、POV(POINT OF VIEW)主観映像が尋常じゃないぐらい揺れて、それでもプロのカメラマンか。って所が気になったのだけど、そこを気にしなければゾンビホラーとして良く出来ていて面白かった。
で、その続きがオカルトホラーになってしまったわけですが、どうすんだろう?まだ続くんだろうか?続きそうな終わり方だったけど。
空気人形 [2009年11月に観た映画]
『空気人形』
(2009・日本) 1h56
監督・脚本・編集 : 是枝裕和
出演 : ぺ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、岩松了、オダギリジョー
空気人形が心を持ってしまった。
現代の寓話。って事でいいんだろうか?
寓話だとして、寓話には人生訓がつきものですが、本作の人生訓は何だったんだろう?よく分からなかった。
色々と考えてはみるけれど、答えが落ち着かないと言うか、答えが出なくてモヤモヤとする。
心とはなんぞや?
なんていうえらく高尚で難しいテーマなので答えが出なくて当然。と開き直るしかない。
空気人形造形師役のオダギリさんが良かった。
出番は短いんだけど。特に強烈な印象を残すわけでもないんだけど。なんか良かった。
きみがぼくを見つけた日 [2009年11月に観た映画]
『きみがぼくを見つけた日』
“THE TIME TRAVELER'S WIFE” (2009・アメリカ) 1h50
監督 : ロベルト・シュヴェンケ
出演 : エリック・バナ、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・トボロウスキー
タイムトラベルしてしまう男とタイムトラベルしてしまわない女性のラブストーリー。
ネタバレ有り。
やりたかったのはラストシーンなんだろうと思う。
人は死んでもまた会える時がやってくる。みたいなスピリチュアルな感じで。
『ジェイコブズ・ラダー』や『ゴースト/ニューヨークの幻』も手掛けている脚本のブルース・ジョエル・ルービンらしいお話し。
本作には原作があるから原作がそのような感じなのかもしれない。
タイムトラベルが思ったよりも話しに絡んでこない。
トラベルした所で何かが起こり、それによって話しが展開。しない。
何も起こらないからタイムパラドックスの矛盾点をあまり感じない作品にはなってはいるけど。
重要な展開をする所もありますが、男がその事忘れてる。って、うっかりさん過ぎやしないだろうか。
タイムトラベル気質を持った男の遺伝子が子供(胎児)にも宿ってしまう。
というSF設定のためだけの流産。
ってのもなんだか思慮に欠ける気がする。
きみがぼくを見つけた日。ってラストシーンを指しているんだろうか?それとも図書館での出会いの日を指しているんだろうか?
それにしても、図書館の出会いのシーンは男子憧れの出会いだった。
ポニーテールのレイチェル・マクアダムスに逆ナンされて、その日のうちに・・・
(音声大きめ)
エリック・バナ。なんて果報者なんだろう。
そのおこぼれでレイチェル・マクアダムスが裸に男物のシャツ、故に生尻。
(音声大きめ)
なんていう男子憧れのサービスカットが見れたので良かったですが。
大怪獣映画G [2009年11月に観た映画]
『大怪獣映画G』
(2007・日本) 0h48
監督・撮影・編集・特技監督 : 田口清隆
出演 : 手水智之、早川浩嗣、星野義幸、紅湖
肉体強化剤を打ったがため突然変異し怪獣となった「ガラエモン」と特殊戦略戦闘装甲車「ロボ」。
共に平和を目指して開発されたもの同士が多摩川近辺で激突する。
自主怪獣映画の驚愕の傑作。という触れ込みで観ました。
その他の自主怪獣映画を観た事が無いので比較が出来ないのですが、ドラマ部分は正直な所自主映画だなぁ。と思わざるを得ませんでした。
そのおかげでプロの売れてる役者さんの演技力、存在感はやっぱりたいしたもんだ。と認識できました。
特撮部分も正直な所自主映画だなぁ。と思える所も有りましたが、自主映画を遥かに超えている所も有りました。
ガラエモンとロボが取っ組み合っている。それをワンカットで引きの絵から近付いていって回り込んで撮るシーンがカッコよかった。
音声解説(田口監督と樋口真嗣さん)と、特典のメイキングが良かった。
音声解説は特撮の専門用語や関係者名がバンバン出てくるので分かりづらいですが、特撮大好き、怪獣大好きのお二人の会話が面白い。
メイキング。こじんまりとした、でも怪獣映画への愛情溢れる撮影現場風景は見ていて心和みました。
ブラック・レイン [2009年11月に観た映画]
『ブラック・レイン』
“BLACK RAIN” (1989・アメリカ) 2h05
監督 : リドリー・スコット
出演 : マイケル・ダグラス、高倉健、アンディ・ガルシア、松田優作、ケイト・キャプショー
ヤクザの抗争に巻き込まれ同僚を殺された刑事が復讐を決意する。
ネタバレ有り。
シリアスな刑事モノとして観ると説得力は無いけれど、ハリウッドのファンタジーアクションとして観ると面白い。
魔界都市・大阪に巣食う魔物・ヤクザ。その魔物に戦いを挑むアメリカ人が主人公のダークファンタジーアクション。
ニック(マイケル・ダグラス)の同僚チャーリー(アンディ・ガルシア)が殺される理由がよく分からない。あの時点でヤクザのサトー(松田優作)にとってニックたちは何の脅威も無かった様に思える。
それがなんで殺されたのか?と考えると、魔物に近付き過ぎてしまった主人公が相棒を殺され、それによって復讐を誓う。といったファンタジーアクションの展開に乗せてみると合点がいく。
そうするとマサ(健さん)は、魔界で正義を司る大阪府警の中において閑職に追いやられている凄腕剣士。という設定だろうか。
ニックがダーティーヒーローなのがカッコイイ。
復讐が行き詰り正義だけではどうしようもなくなると、サトーと敵対するスガイ(若山富三郎)の魔力を利用してまでも復讐を果たそうとする。
その念願叶いサトーを追い詰めた時、ニックが下した決断。あそこで思い止まったのはマサの正義感、実直さがニックに伝わり、そうさせたのだと日本人としては思いたい。
優作さんのみが話題に上がる事の多い映画ですが、確かに優作さんの鬼気迫る不気味さが無かったら成立しない映画では有ります。
でも個人的にはアンディ・ガルシアが良かった。観た出演作の中でベストかもしれない。
やんちゃでお茶目で仕事が出来て、間違いなく女性にモテモテのナイスガイ。
あれで歌がもっと上手かったらもっとステキだった。残念ながら『マンマ・ミーア』のピアース・ブロスナン級。よりもちょっと下。
でも健さんと一緒にレイ・チャールズを歌うシーン自体はとても良かった。
ルイス・ガズマンのフィルモグラフィを見ると本作が出てくるけど、どこに出てたんだろう?と思っていたら冒頭のバイクレースのシーンに出ていた。ちゃんとセリフのある役。
『Q&A』の時のインパクトが衝撃的だったので、最初に『Q&A』で発見したとばかり思っていたけど、一番最初は『ブラック・レイン』だった。
ファイナル・デッドサーキット 3D [2009年11月に観た映画]
『ファイナル・デッドサーキット 3D』
“THE FINAL DESTINATION” (2009・アメリカ) 1h24
監督 : デヴィッド・R・エリス
出演 : ボビー・カンポ、シャンテル・ヴァンサンテン、ミケルティ・ウィリアムソン
死神VS人間 第4R
死神の描いた死のシナリオに人間は抗えられるのか。
のコンセプトの元に始まったシリーズですが、2作目からどれだけ人間が死ぬ様をショッキングに尚且つ直接的に見せられるのか。という方向に突っ走り、4作目は今流行りの3D。
なのでストーリーや構成はほぼ一緒で何の工夫も無し。ただショッキング映像を3Dにしただけ。
なのでシリーズモノの映画として観ると駄作。アトラクションとしてしか見るべき価値なし。
3Dなので吹き替え。
ココリコ田中さんが主人公の声でしたが、あまり合ってなかった。特徴のある声なので、田中さんの顔がチラついてしまう。
思うにアニメ向きなんじゃないだろうか。『河童のクゥと夏休み』のお父さん役良かったし。
『くもりときどきミートボール』の主人公とか合っている気がする。
ホワイトアウト [2009年11月に観た映画]
『ホワイトアウト』
“WHITEOUT” (2009・アメリカ) 1h41
監督 : ドミニク・セナ
出演 : ケイト・ベッキンセール、ガブリエル・マクト、トム・スケリット、コロンバス・ショート
南極で起こる連続殺人事件。
何が見所かって言ったら、綺麗な女性捜査官と南極。って所だと思います。それ以外は普通のサスペンス映画。
ダーク・キャッスル製作なのでホラーなのかと思っていました。ピッケル男が綺麗な女性捜査官を襲うシーンはホラーっぽかったけど、やっぱり普通のサスペンス映画。
その見所の一つ南極での自然現象、タイトルにもなっている猛吹雪により視界がゼロとなるホワイトアウト。
そのホワイトアウトの最中でのアクションシーンがあります。視界がゼロになるわけだから観ているこちらも視界ゼロ。って訳ではないですが、それでも何やってんだか分からないアクションシーンになってしまい、とても残念な結果に。
私の中のあなた [2009年11月に観た映画]
『私の中のあなた』
“MY SISTER'S KEEPER” (2009・アメリカ) 1h50
監督・脚本 : ニック・カサヴェテス
出演 : キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ、ジェイソン・パトリック、エヴァン・エリングソン、トーマス・デッカー、アレック・ボールドウィン、ジョーン・キューザック
生きる事、死ぬ事、家族の事。
ネタバレ有り。
いい映画でした。そして上手な映画だなぁと思いました。
難病モノという事でお涙頂戴に流れがちな所ですが、泣きポイントはしっかりと抑えつつ、過剰な表現の一歩手前で抑える所が上手。
個人的最優秀泣きポイントは、ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)がパーティーに出掛ける時。
その前のシーンでケイトの父と弟、そして彼氏との気まずい同席でクスッとした笑いを起こしてから、あのシーンに持っていく。そのユーモアと泣きの按配が上手。
出演者の皆さんも上手だった。父さん役のジェイソン・パトリック良かった。ただの毛深い人ではない。
家族全員が素晴しかったので、アンサンブル賞とか個人的にあげたい位。
そんな中で若干意味不明だったのが弁護士のキャンベル(アレック・ボールドウィン)。
物語のキーマンのはずなのになんか今イチはっきりとしない人物。
どういう役回りだったんだろう?と考えてみると、キャンベルは大人たちの中でただ一人子供たちの真意に気付いて、それで弁護を引き受けたんだと思う。多分。
それはキャンベル自身が病を抱えていたから理解できたという事なのだろうか?そこはよく分からない。
秘密を抱えるアナ(アビゲイル・ブレスリン)と秘かに理解しているキャンベル。そこらへんの描写がもう少し有ってもいいかなぁと思える。抑えんのもいいんだけど。
物語の締めも抑え気味。
結局人は一人で生きてゆくものだし、後ろ向いてるばかりじゃ生きてゆけない。
確かに悲しい出来事があったけど、それでも前を向いて生きてゆかなければならない。
ケイトは家族みんなにその思いを残して旅立っていたのだろうと思う。